ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

はな

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定期健診②

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そして、椅子に座ったままぼーっとしてると、看護師さんにいつも通りレントゲンや呼吸機能の検査に連れ出された。

その後、いつもはしない心電図の検査で手足と胸になんかつけられて、5分くらいベッドの上でじーっとしていた。



心電図が終わって、エコーなんかもされて、全部の検査結果が出て診察室へ行く。

五条先生も藤堂先生の後ろに立ってる。





藤堂「ひなちゃん、今日は少しお話があるよ」





お話って、今までそんなこと言われたことない。

藤堂先生がすごく真剣な顔してる。

検査結果、何かに引っかかったのかな……





藤堂「まず、今日の検査なんだけどね、結果はあまり良くなかった」





やっぱりそういうことだよね……





藤堂「ただ、実は今日だけじゃなくて、ここ最近ずっといろんな数値が悪くなってきてたんだ。5月の健診から既に良いとは言えなくて、学校の健診も先月の健診結果も悪くなってきてた」





え……?

ちょっと待って……それどういうこと……?





ひな「5月からって……藤堂先生いつも結果は問題ないって……」


藤堂「数値が悪いと言っても、今すぐ身体に異変が起こったり、治療しなきゃいけないレベルではなかったし、ひなちゃんも特に問題なく元気に過ごしてるようだから伝えてなかったんだ」


ひな「じゃあ、今日も結果は悪いけど問題ないってことですか……?」


藤堂「いいや。残念ながら今日は問題あるよ。それも2つ。まず1つは貧血の数値。先月までは様子見してたけど、今日の結果で一気に悪くなってきてるからお薬を出すね。なるべく安静にして、自覚症状がないからって身体に負担をかけないように過ごすこと。これについてはわかったかな?」


ひな「はい……」


藤堂「そしたら次ね。もう1つは、ひなちゃんに初めてお話しすることなんだけど、ひなちゃんには不整脈というのがあるよ」


ひな「ふせいみゃく?」


藤堂「うん。心臓って常に一定のリズムで動いて脈打ってるでしょ?だけど、ひなちゃんは時々脈が乱れてしまうんだ」





心臓の脈が乱れる……





藤堂「とはいえ、気にしなくていい場合も結構あってね。実際に、ひなちゃんはうちに運ばれて来た頃から不整脈があって、先生たちはもちろん気をつけて観察してたけどそれほど問題視はしてなかったよ。ただ、今日の検査結果を見ると、脈の乱れ方が以前より気になる。だから、これからはひなちゃん自身にも少し気をつけておいて欲しい。これまで、胸が突然苦しくなったり、心臓が変だなって思うことはなかったかな?」





もう藤堂先生の話はとっくに頭に入ってきてない。

心臓が悪いみたいってことはわかったけど、そんな大事な臓器が悪いってわたし大丈夫なの……?





五条「おい、ひな聞いてるか?」


ひな「え?あ、はい……」


五条「で?」


ひな「え?」


五条「また聞いてなかったな……心臓に違和感覚えたことはないかって」


ひな「心臓に違和感……」





……あ。

そういえば、時々、胸が"トクン"となるっけ。

あれって、普通はないよね……

もしかして、それがなんか心臓の病気とか?

どうしよう、言ったらなんかされる……?





ひな「違和感は……何もなかったと思います」


藤堂「そっか。もしも胸が苦しいなとか、痛いなとか、変な動きを感じるようなことがあれば、必ずすぐに教えてね」


ひな「わかりました……」


藤堂「今日はたくさん聞いて疲れたかな。一度に言われてもわからなくなっちゃうよね。また、ひなちゃんの身体のことはこれからもお話していくから、少しずつ自分の身体のこと理解していこうね」


ひな「はい……」


藤堂「そしたら、今日はこの後だけど……入院する?それとも、お家帰りたい?」





え、な、何その選択肢……





ひな「帰っていいならもちろん帰りたいです……」


藤堂「ふふっ。そうだよね。でもね、話したように検査の結果はそんなに良くはないんだ。さっき伝えたこと以外にも心配なことはある。だからね、ひなちゃんがちゃんとお約束守れるなら帰っていいよ」


ひな「約束……?」


藤堂「うん、約束。ここ最近、検査結果が悪くなってる原因は正直わからない。どうして悪くなってるかもわからないけど、今ひなちゃんが元気いっぱいなのも不思議なんだ。もちろん、ひなちゃんが元気なのは先生たちも嬉しいよ。でもね、自分の身体はいつ具合が悪くなってもおかしくないってことは、頭の隅に入れておいて欲しい」


ひな「はい、わかりました……」


藤堂「ということで、まずは、これからは絶対に走らないこと、それから、何かあったらちゃんとすぐに伝えるってお約束してくれる?この2つが約束できるなら今日は帰っていいよ!」





それくらいなら、まぁできるか。





ひな「わかりました。もう走りませんし、変わったことがあればすぐに言います」





ということで、とりあえず今日は無事に家に帰ることができた。










***



*五条side





~内科医局~



ひなが帰った後、今日の検査結果を確認するために黒柱が藤堂先生のところへ集まった。





工藤「今月もまた貧血が……ヘモグロビン値8.6まで来たか」


宇髄「8切ったら鉄剤注射だな」


神崎「ってか、本当にこんな状態でメロンパンダッシュしてたの!?動悸や息切れや目眩、何かしらなかったんですか?」


藤堂「それが何ともなかったんだって。だから走ってたみたいよ」


神崎「不意に転んで頭でも打ったら大変なのに……」


五条「走るなって口酸っぱく言ってるんですが……」


工藤「んー、ひなちゃんはお勉強できるし賢いのに……なんつーか、自分自身に無頓着なのかな」


神崎「不整脈もはっきりわかるようになってきたね。本人は自覚なし?」


藤堂「今のところね」


宇髄「こっちは引き続き様子見だな。ただ、これまで以上に気をつけておこう」





結局、この日も1時間くらいひなのことで話し合った。


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