ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

はな

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言葉の刃②

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*工藤side



今日は朝からひなちゃんが大変だった。

当直明けなのに朝も昼も食べず、結局もう15時前。

宇髄先生はもう上がれって言ってくれたけど、ひなちゃん心配だしと思ってメシだけ食べに抜けてきた。





「あら~、工藤先生。今日はまたたくさん食べるのね~。どうしたの、オペでもあるの?」





と、食堂のおばちゃん。

もう腹減り過ぎて、今日はカツ丼に唐揚げ定食、おまけにラーメンも選んでやった。

俺がガッツリ食う時は、エネルギーが必要な時か不足してる時。

だから、オペの前後はこのくらい食べたりするが、今日はひなちゃんのことが気がかりすぎて燃料切れ。

それに、なんとなくこの後もエネルギーが必要になりそうな気がしてる。





工藤「いえ、当直明けで朝も昼も食べれなくて」


「んまぁ~、腕が良くてハンサムなお医者様は忙しくて大変ねぇ~。ご飯、いつもより盛っといたわよ!」





と、相変わらずなおばちゃんから受け取って、窓際の席に座る。

さすがにこの時間なんで人もまばら。





工藤「いただきます」





静かに手を合わせて、唐揚げを口に放り込んだ。










「はぁ~、疲れた~。ねぇ、ちょっと聞いてっ!」





……ん?





食べ始めて5分ほど。

背後から聞き覚えのある声がして、耳のセンサーが反応する。





「なに~(笑)?またなんかあった~?あの子のこと?」


「そうそう。栗花落ひなの。今日もやらかしてくれたのよ(笑)」





間違いなく姫島だ。もう1人は同僚か?

やらかしてくれた……って、なんの話が始まるんだ……。

まぁいい。向こうは俺に気づいてないみたいだし、ちょっと話聞いとくか。





と、メシを食いながら姫島の話に意識を向けた。





姫島「今日はついに脱走したの。ほんっと勘弁して欲しいわ。薬持ってったらご飯も食べずに消えててさ、まぁいいわと思って薬置いて他の子のとこ行ってたら、みんないないって騒ぎ始めて。慌ててあの子の部屋戻ったのよ?そしたらなんと、そこに五条先生と藤堂先生の登場。あの子は五条先生に抱き抱えられてたわ」





……!?



こいつ、ひなちゃんいないのわかってて、本当に放置したのか。





同僚「え、それさすがにやばくない?そもそも本人いないのに薬放置って、あんたいつも薬飲ませてないのバレるよ?」


姫島「先生来る前に回収したし大丈夫よ」





……!?



こいつ……やっぱり薬飲ませてなかったのか。





同僚「相変わらずよくやるわね(笑)でもいいな~。黒柱と仕事できるなんて」


姫島「そう思ってたけど、あの子がいると楽しくないわ。なんで内科移ったのに小児入ってんのか」


同僚「でも、そのおかげで藤堂先生にも会えるわけでしょ?いいじゃない」


姫島「全然良くないわよ。黒柱はみんなあの子に夢中だもん。あの子がみんなの気引いてんのよ」


同僚「気を引くってどんな~?」


姫島「ご飯残したり、ゼリーないと薬飲まなかったり、宇髄先生の治療でわざと発作起こしたりとか、点滴抜くのも屋上逃げるのもそうね。あと、五条先生には好き好きオーラ出しまくり!全部ちやほやされたくてしてんのよ。あざとくて本当にムカつくわ」





こいつ、マジで何言ってんだ……?





同僚「その子、五条先生好きなんだ(笑)」


姫島「生意気よね。昔、一緒に住んでたんだか知らないけどさ、ここで再会したのなんて偶然なのに。こっちは黒柱に近づきたくて、一生懸命勉強してノワール入って、黒柱が2人いる小児の配属勝ち取ったのにさ。五条先生も神崎先生も全然振り向いてくれないんだもん。藤堂先生も宇髄先生も工藤先生もね」


同僚「そんなに黒柱狙ってんなら、あんたが何か仕掛けたら?その子を出しに食事誘うとか」


姫島「ふふっ、実はもうやったわよ。食事に誘うなんて、正面切って黒柱を落とすなんて無理。だからね、あの子を黒柱から引き離そうと思って」


同僚「え?何したの??」


姫島「汚れてるって言ってやったわ。カルテに親から強姦受けた可能性が書かれててね。親にチンコ入れられたんでしょ?って、手術したのもそのせいよ。って言ったのよ。そしたらもうこの世の終わりみたいな顔して(笑)その後は、五条先生にも触らないでって言ってたわ」





……ふざけんなよ。

黙って聞いてりゃベラベラベラベラと……





ガタッ——





頭に上り切った血が噴火しないように、そっと箸を置いて席を立つ。

そして、振り返って……





工藤「姫島」


姫島「……っ!?く、工藤先生。お疲れ様です!お昼ですか??」


工藤「何慌ててんだよ」


姫島「いえ、慌ててなんて。突然声をかけられたので」


工藤「そうか。俺にも気づかないくらいお喋りに夢中だったか」





というと、姫島の表情は真っ青に。





工藤「自分でわかってるよな?ちょっと来い」





と、姫島を小児の医局に連れてった。


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