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宇髄先生の治療②
はぁ……。
目にするだけで気が重いのに、つるっとした生地の固さと冷んやり感。
腰を掛ければさらに気が重くなり、心臓と胃の位置が入れ替わりそう。
宇髄「ひなちゃん、椅子動くよ」
ウィ~ン……
あぁ、もう逃げられない。
椅子が上がって、背もたれが倒れて、脚がどんどん開いてく。
大っ嫌いなこの椅子に、わたしは人生であと何回乗るんだろう。
今日が最後になればいいな。
どうせならないんだろうな。
はぁ……。
再びため息をつくと、椅子は止まり、わたしの股が宇髄先生の前にご開帳。
ひな「ぅっ……」
宇髄「ひなちゃん、痛い?」
小さく首を横に振る。
宇髄「……心が痛いか?」
言われて、余計に心がズキンと。
内診とエコーを受けた結果、やはり治療からは逃げられなかった。
クリトリスを刺激されるも、わたしのあそこは濡れてこず。
潤滑剤をたっぷり纏い、ゆっくり沈められる宇髄先生の指。
いつもなら、待ちわびたように迎え入れるのに、今日はそれを快く受け入れない。
宇髄「ひなちゃんも大人になってきたからな。治療が前より、辛いものになったよな」
"大人になった"
とは、聞こえの良いように言ってくれた。
宇髄先生が言おうとするのは、
"女になった"
が、正しい気がする。
検査の時から、五条先生が頭に浮かんで離れない。
宇髄先生があそこを見たり、触れたり、指を入れたり……。
五条先生以外の誰かにこんなことをされるのが、いけないことに思えて仕方ない。
見ないで欲しい。触らないで欲しい。
嫌だと思う気持ちが、単に恥ずかしいとか治療が怖いとか、今までのそれとは明らかに違う。
事故に遭う前、わたしは五条先生と初めてそういうことをした。
最後までじゃないけど、立派にそういうことを成し遂げて、しかも、それをもう何度もしてきた。
五条先生に愛されることを知って、完璧ではないにしろ、心も身体も、女の子から女になって、治療がより苦しいものになってしまった。
そして、宇髄先生はそれをわかっているわけだ。
宇髄「ひなちゃん。大人になってきたついでに、また一つ大人になれるか?」
ひな「え?」
またひとつ、大人になるって……?
宇髄「ひなちゃんにとって、これは治療。俺にとっては、医行為。俺は医者で、ひなちゃんはただの患者。……いや、それはダメだな。ちょっと訂正。ひなちゃんは、俺の大切な患者だ。でも、どこまでいっても患者に過ぎない。そうじゃないとしても、五条の嫁ってくらいだ。だからな、ひなちゃん。病気を治すための治療だって、そう割り切って頑張れるか?医者として、どこまでも寄り添うから」
最後に手をギュッギュッと握られ、言い終われば、わたしの頬は涙でびしょびしょ。
宇髄先生の言ってることはわかった。宇髄先生がわたしをとても思ってくれてるのもわかった。
でも苦しい。なのに逃げる術はない。
結局、頑張ることしか残らない。
頑張ってるのに、どれだけ頑張っても、頑張ることを求められる。
もう、何を恨めばいいのかわからないや……。
ひな「はい……」
何も考えるのをやめよう。
何を思うのもやめよう。
やらなきゃいけないことを、ただ無心でこなそう。
わたしは虚ろに返事をし、
宇髄「ん。そしたら、治療していくな」
潤滑剤を再度たっぷり纏わせた指を、宇髄先生はわたしの中へ沈めていった。
ひな「ん……ぅっ……」
声が漏れる。下も少しだけ濡れてきた気がする。
でも、あくまで生理的にそうなってるだけで、気持ちよさなんて全くない。
それどころか、宇髄先生の指が動くたび、五条先生の指じゃない……って、宇髄先生に触られるのが、
気持ち悪い……
とすら思えてくる。
無心でいるつもりが無心になれない。
無にさえなれたら、こんなこと思わなくて済むはずなのに、どうしてそれができないんだろう。
なんで、五条先生は邪魔するの……?
ひな「んんっ……グスッ。うぅ……っ……んっ……グスッ」
宇髄「ごめんな。心が辛くなればなるほど、身体は正直だと思ってな」
言いながら、わたしの弱いところを、的確に攻め続ける宇髄先生。
ひな「んっ……んんっ……」
宇髄先生の言うように、心はどんどんつらくなるけど、身体はちゃんと反応するのが、またなんとも不快。
好きでもない男に指を突っ込まれて、感じるなんてはしたない。
そんな自分のことが、1番気持ち悪くなってきた。
ひな「んんっ……グスン、んっ……ぅっ、ビクッ……グスン」
宇髄「ひなちゃん、悪いのちゃんと出てきてるぞ。少しずつでも、出せたら大丈夫だからな」
そんなこと言われても、じゃあどれだけ出ればいいの?
わたしはいつまでこうされるのよ……。
宇髄「よし。ちょっと外も触ってみるぞ」
えっ?外?
何をされるのかと思ったら、宇髄先生は指を中に入れたまま、反対の手でわたしのクリトリスを撫で始めた。
ビクッ……!!
ひな「んぁっ……!」
突如与えられた新たな刺激に、身体が大きく跳ねる。
宇髄「こっちの方が感じるな。このまま続けるから、いっぱい気持ちよくなってごらん」
ひな「んっ……んん……んぁ、ん……っ……」
気持ちよくなんかない……っ。
気持ちよくなんかないってば……!!
心はそう叫ぶのに、身体はビクビク動いちゃうし、変な声も出てしまう。
ひな「んぁ……グスン、んん……グスッ……うっ……」
こんな姿、五条先生が見たらどう思うだろう。
私のこと嫌いになるかな。
気持ち悪いって思うかな。
もう、抱いてくれなくなるのかな。
あぁ、やだ……。
本当に嫌。
お願い、もうやめてよ……。
早くやめて……
***
——30分後
藤堂「ひなちゃんつらいね。ちょっとしんどいね」
治療の途中で来た藤堂先生が、頭を撫でて涙を拭ってくれる。
ひな「ハァハァ……グスン……ハァハァ……」
藤堂「大丈夫だからね。楽にして、力抜いてようね」
結局、宇髄先生の治療は30分も続いた。
30分も耐えたのに、椅子の上からは降ろしてくれない。
藤堂「どうですか?」
宇髄「うーん……」
宇髄先生は、もちろん股の間。
治療を一旦ストップし、プローブで子宮の中を確認してる。
宇髄「そんなに多くないんだ……出し切りたい」
ということは、治療はまだ必要なんだ……。
プローブを抜いて、手袋を外した宇髄先生は、わたしの足にタオルをかけると藤堂先生の隣に立った。
そして……
宇髄「ひなちゃん。お腹に溜まってるの、あとちょっとなんだ。もう少しだけ頑張って、今ここで全部綺麗にしてしまおう」
治療はおしまい。
望んだことの真逆を言われ、絶望に襲われたところ、
宇髄「でも、これ以上治療が長引くのはしんどいと思う。だから、刺激で出すのはやめて、子宮の中を洗わせて欲しい。その方が早く終わって、負担が少ないと思う」
子宮を、洗う……
今までで1番痛かった、あの天罰を受けた日を思い出さされ、
宇髄「このまま刺激で出す方が良ければそうしてもいい。どっちがいいか、ひなちゃんが少しでも楽だと思う方を選んでくれるか?」
絶望に絶望を重ねられた上、与えられたのはどちらも地獄の選択肢。
そんなの、選べるわけないじゃんか……。
ひな「どっちでもいい……」
というか、もうどうでもいい。
どっちも嫌は通用しない。
治療しないの選択肢がないんだから、どっちを選んでも同じこと。
それをわたしに聞いてくれないで。
もう、先生たちの好きにして……。
わたしは天井の一点を見つめたまま、静かにポツリと答えた。
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