ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

はな

文字の大きさ
215 / 253

幸せな痛み

しおりを挟む


ビクッ……





ひな「……っ」


五条「痛いか?」





フリフリ……





ひな「大丈夫……」


五条「もう少し進めるぞ? 昨日のところまで挿れてみるな。痛かったら教えて」


ひな「コクッ……」





そう言って、五条先生はゆっくりとわたしの中へ腰を進める。





ひな「んっ……」





ビクッ……





五条「痛い?」





フリフリ……





痛くはない。

けど、少し苦しい。



五条先生はここで動きを止めて、わたしに覆い被さりぎゅっと抱きしめた。





五条「もう半分以上入ってるからな。ちょっと力んできたから、身体の力抜いてごらん」





言いながら、わたしの頭を撫でる五条先生。



五条先生と挿入に挑戦してから、今日で7回目。

先っぽで精一杯だった五条先生のも、もう半分入るようになった。



そして、





五条「慣れてきたか?」


ひな「はい……」


五条「少し動かすぞ?」


ひな「コクッ……」





今入っているところまでで、動いてもらうこともできるように。





ひな「……んっ……」





五条先生がゆっくり浅く出し入れをする。





五条「辛くないか?」


ひな「はい……」


五条「もう少し続けるな」





ただ奥に入ってくるのとは違い、出し入れされるのはまた少し怖さがあるけど、痛みはそれほど感じない。





ひな「んっ……ハァ……ハァ……ん……っ」





何度か出し入れを繰り返し、腰の動きを止めた五条先生は、





ちゅっ……





五条「疲れてないか?しんどくない?」


ひな「大丈夫……」





ちゅっ……





ちゅっ……





あそこが繋がったまま、わたしを労るようにおでこや頬、唇にキスをして、緊張を今一度解してくれて、





五条「ひなの中、また奥に進んでいい……?」


ひな「コクッ……」





確認すると、わたしを包み込みながら、再び腰をグッと中に進めた。





ひな「……っ」


五条「息吐いてごらん」





五条先生の背中にしがみついた手を緩める。





五条「そうそう、力抜いててな……」





言いながら、またわたしの中に進んでくる。





……っ。





じんわりと感じる、ヒリヒリするような鈍い痛み。





ひな「……っ"」





突発的にその痛みが強くなる度、五条先生の肌に指を食い込ませては、





五条「痛いな。大丈夫大丈夫、怖くないぞ」





と、動きを止めてくれて。





五条「力抜いて…………そうそう、上手に抜けてる。またもう少し進むな。……怖いか?」


ひな「ううん……」


五条「掴まってていいからな。痛かったらまたギュッとして。いくぞ……?」





進んでは止まり進んでは止まりを繰り返すこと、何分、何十分。





ひな「……っ」





ギュッ……





五条先生が進む最中、あそこの圧迫感が強まって、また五条先生にしがみついてしまった、その時。





五条「ひな」





五条先生に名前を呼ばれ、





五条「そのまま掴まってて……」





……ん?





"力抜いて"



いつもならそう言うだろうところで、どうして"掴まってて"って……。





五条先生の言葉にあれ?と思った、0.1秒のほんのわずかな、次の瞬間、





……っ"!?





ビクッ……!!





ギュッ……!!





「「……っ……ッ!」」





あそこの感覚というより、五条先生が漏らした声と直感でわかった。

五条先生のペニスがわたしの中に……










五条「ひな、全部入った……」





苦しそうに嬉しそうに言う五条先生。

確かなその言葉を聞いた瞬間、わたしの目はブワッと涙が溢れ返った。





五条「頑張ったな、ひな。ごめんな、痛いな。怖かったな。もう全部入ったぞ。ちゃんとひとつになってる……」





痛みなんて感じない。

それよりも、嬉しさと安堵と……

やっと最後まで繋がれたことの感情がしっちゃかめっちゃかになって、なんかもうわかんないの。





ひな「ハッ……っ、ヒック、ヒック……ハァ……ぅぅ……」


五条「ひな、呼吸整えようか。このままでいいから、一緒に深呼吸しよう。息吸って~……」


ひな「ヒッ……ヒック……スー……ッ、ヒック……ハァ、ハァ……」


五条「ん、ゆっくりゆっくり。焦らなくて大丈夫」





ぴったりとわたしを抱きしめたまま、じーっと動かずに、手だけ頭を撫でてくれる。



わたしの最奥に達する瞬間、聞こえた五条先生の息を詰まらせたような余裕のない声。

あれは気のせいだったのかと思うくらい、耳元に響く五条先生の声は、優しくて落ち着いた、わたしを安心させてくれる声。





ひな「グスン、グスン……五条、先生……」


五条「ん?」


ひな「うれしい……」





ギュッ……





この気持ちをちゃんと五条先生に伝えたかった。

まだ涙が止まらなくて、はっきり声に出ていなかったかもしれないけど、





五条「うん。俺も嬉しい。ひなとひとつになれて、本当に嬉しい……」





五条先生……





ギュッ……





五条先生がそう返してくれて、またうれしくて胸がいっぱいになって、五条先生にぎゅっと抱きついた。










***



*五条side





……っ、ひな……。





落ち着いてきたと思っていたら、俺と繋がった喜びを涙声のまま伝えてくるひな。

背中をギュッと掴んでくるのは本当に可愛いのだが、同時に、ひなのあそこもキュンと締まって、俺のあそこをギュッと掴んでくる。





五条「ひな、まだ痛いか……?」


ひな「フリフリ……痛くない。うれしいの、すごくうれしくて……ありがとうございます……」





……っ。





言うと、またキュンキュン締まるひなのあそこ。

貫通までは……と幾度と持ち直した俺の理性が、





五条「ひな、今動いたら怖いか……?」


ひな「ううん……、怖くない……」





ギュッ……





……っ、ッ……!!





一気に崩壊し始める。





ひな「……っ…………ッ……ん」





ゆっくりと腰を引いては、





ひな「…………ん、っ…………ッ……」





ゆっくりとひなの奥に収まりに行く。



俺に一生懸命しがみついて、必死に声を我慢するひな。

動きに合わせて漏れる声は、なんとか抑えられているものの、





……っ。





ひなの中の収縮は全く抑えられていない。





五条「……ひな、平気か……?痛いか……?」


ひな「フリフリ……、ダイジョ……っ、ビクッ……ゥブ」





口ではそう答えながら、余裕なんて1ミリも無さそうに、また一段とあそこを締め付け、俺の竿を締め上げる。

そんなひなが、もう堪らなく可愛くて、愛おしくて、気持ちよくて……。





"優しくするからな"





何の恰好付けか、動く前、最後にひとことそう言ってのけたくせに、





五条「ハァ……ひな……あ……っッ、……ん……っ」





優しさの欠片もなく、自らの欲望のままひなを求めた。










***



*ひなのside





ひな「んっ……、ッ…………んっ……、っ"……」





さっきまで鈍かった痛みの感覚が鋭くなる。





い、痛い……っ。





五条先生が動くたび襲われる痛みに、五条先生の背中に爪を立ててしまう。

でも、





五条「ハァ、ハァ……っ、ん……ぁ、ひな……っ」





五条先生はここまで本当に丁寧に扱ってくれて、わたしのためにたくさん我慢してくれて、五条先生も辛かったんだろう。





五条「ん……っ、……ぁ……ハァハァ、……ぁっ……ッ」





汗をかきながら、息も声も漏らしながら。

わたしの中でようやく気持ちよくなってくれてるんだって思うから、痛みも不思議と受け入れられる。





五条「あっ……、あぁ……ッ……っく、……ッん」





わたしの奥深くまで、腰を打ちつける五条先生。





ひな「ハァ、……っ……んっ……ッ、……んんっ…………」





痛みを感じることなんて、苦痛しかないと思ってた。

どんな痛みも、今まで全部そうだったから。

だけど、





五条「っ、ハァ、……ひな……んっ、ッ……」


ひな「んっ……、ハァハァ……っ、っ……んっ……」





苦じゃない痛みもあるんだ……。



って。



こんなに幸せな痛みが、この世にあったんだ……。



って。



そんなことを考えながら、初めて知ったこの痛みをわたしは全身で受け止める。

すると、





五条「ハァハァ……ぁ……っく、あぁ……ッ……ひなっ……」





五条先生の声が、急に喉の奥から絞り出すような音に変わり、





ひな「ハァ、ハァッ……ん、んっ、ハァッ、ハァ……ぁっ……ッ」





息継ぎができなくなるほど、五条先生の動きが加速して激しくなり、





ひな「んん"……っ、んっ……ぁっ、ハァ、あぁ……っ"……」





突き抜けてしまうんじゃないかと思うくらい、五条先生のペニスがわたしの奥を押し上げて、突き上げて、





ひな「ハァ、ハァッ……」


五条「あぁ……、ひな……っ、あッ……イっ……ッ」


ひな「んんっ……、ッ……ハッ、ハッ……ん"っ……ッ」





わたしはもう、わけなんてわからなくて、とにかくただただ五条先生にしがみついていると、





五条「ぁぁ……イッ、ひな、イクッ……っ……ん"っ、あっ"……ひな……っ……イ、イ"……っく…………あぁ"ッ!!!」





ビクッ……!!!!!





ん"っ……!!!





ギュッ……!!!!!





五条「…………ッ、ハァ……ハァ…………っ、ハァ……」





五条先生はわたしの中で力尽きた。


しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...