226 / 253
クリクラ
しおりを挟む*ひなのside
——1ヶ月後
夏樹「ひなの、クリクラどこにするか決めた?」
ひな「う~ん……」
七海「見たらわかるでしょ」
夏樹「まだ悩んでたか」
ポリクリも残すところあとわずか。
ポリクリが終われば、次はクリクラと呼ばれる病院実習が始まる。
希望する科で数ヶ月間、実際に患者さんへ問診したり、診察したり、ポリクリとは違い見学型から参加型になる。
そんなクリクラに向けて希望する科を選ばないといけないのに、わたしはまだ決められていない。
ひな「小児は五条先生がいるから絶対ないでしょ?内科は藤堂先生だし、外科も工藤先生がいるし……」
夏樹「なら産婦人科は?ひなのポリクリで興味持ってたし」
ひな「それも考えたんだけど、宇髄先生と出くわすのはなって……」
夏樹「いや、宇髄先生は外科じゃん」
ひな「外科だけど、婦人科の担当医だもん。なぜそうなってるのかわからないけど……」
夏樹「つか、宇髄先生のこと考えたらダメだろ。どこにでも現れるんだから、選択肢無くなんぞ?」
ひな「そうだけど、やっぱり担当医がいるというのは……」
夏樹「もう、先生なんか気にせず決めればいいのに」
ひな「わたしだってそうしたいけど……そういう夏樹は決めたの?」
夏樹「おう。俺は内科」
七海「え、悟のとこじゃん」
夏樹「なんだよ。傑はどこにしたんだよ」
七海「俺は外科だよ」
夏樹「うわ、兄貴いるじゃん」
って……
ひな「2人も同じじゃん!」
夏樹「そりゃまあ、やっぱ身内と一緒は避けるだろ~。無駄に厳しくされそうだし」
七海「そうそう」
ひな「わたしに言っといて……。でも本当、指導医になる先生が知ってる人ってなんとなく嫌だよね。はぁ、2人ともすぐ決まってずるい。どうしよう……」
七海「そうだねー……。じゃあ、先生のことは抜きにしてさ、ひなのが1番行きたいと思うのはどこなの?」
ひな「それが……小児科なんだよね」
七海「よりによって小児なのか。それはきついね」
ひな「でしょ?はぁ、もうどうしよう……」
夏樹「……ん?あれ、ちょっと待って。ひなの、小児行けんじゃね??」
ひな「え?いやだから、五条先生いるのに絶対嫌だよ」
夏樹「違うよ、いないじゃん。ほら、クリクラ来年からだろ?五条先生アメリカ行くじゃん」
ひな「あっ……。そうだった……!」
クリクラがスタートするのは年明けから。
わたしが事故に遭って延期となっていた五条先生の渡米の件。
クリクラでは選択実習の他に、実は海外実習もある。
希望する科での実習を終えたあと、次の数ヶ月間はアメリカに行き、2年前、五条先生が行くはずだった提携病院で実習を行う。
五条先生とは期間が異なるけど、せっかくなら少しでも一緒にと、わたしのクリクラに合わせて五条先生はアメリカに行くことになっていた。
夏樹「まぁ、神崎先生はいるけどな」
ひな「神崎先生は5人の中じゃ絡むこと少なかったし、怒られたことないし、優しいし……よし、決めた。わたし、小児科にする!」
七海「小児科か。ひなのに合ってそうだね」
夏樹「クリクラは俺らバラバラになるな。お互い頑張ろうな」
ひな「うん、頑張る!」
ということで、わたしの実習先も無事に決定。
24
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる