ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

はな

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クリクラ

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*ひなのside





——1ヶ月後





夏樹「ひなの、クリクラどこにするか決めた?」


ひな「う~ん……」


七海「見たらわかるでしょ」


夏樹「まだ悩んでたか」





ポリクリも残すところあとわずか。

ポリクリが終われば、次はクリクラと呼ばれる病院実習が始まる。

希望する科で数ヶ月間、実際に患者さんへ問診したり、診察したり、ポリクリとは違い見学型から参加型になる。

そんなクリクラに向けて希望する科を選ばないといけないのに、わたしはまだ決められていない。





ひな「小児は五条先生がいるから絶対ないでしょ?内科は藤堂先生だし、外科も工藤先生がいるし……」


夏樹「なら産婦人科は?ひなのポリクリで興味持ってたし」


ひな「それも考えたんだけど、宇髄先生と出くわすのはなって……」


夏樹「いや、宇髄先生は外科じゃん」


ひな「外科だけど、婦人科の担当医だもん。なぜそうなってるのかわからないけど……」


夏樹「つか、宇髄先生のこと考えたらダメだろ。どこにでも現れるんだから、選択肢無くなんぞ?」


ひな「そうだけど、やっぱり担当医がいるというのは……」


夏樹「もう、先生なんか気にせず決めればいいのに」


ひな「わたしだってそうしたいけど……そういう夏樹は決めたの?」


夏樹「おう。俺は内科」


七海「え、悟のとこじゃん」


夏樹「なんだよ。傑はどこにしたんだよ」


七海「俺は外科だよ」


夏樹「うわ、兄貴いるじゃん」





って……





ひな「2人も同じじゃん!」


夏樹「そりゃまあ、やっぱ身内と一緒は避けるだろ~。無駄に厳しくされそうだし」


七海「そうそう」


ひな「わたしに言っといて……。でも本当、指導医になる先生が知ってる人ってなんとなく嫌だよね。はぁ、2人ともすぐ決まってずるい。どうしよう……」


七海「そうだねー……。じゃあ、先生のことは抜きにしてさ、ひなのが1番行きたいと思うのはどこなの?」


ひな「それが……小児科なんだよね」


七海「よりによって小児なのか。それはきついね」


ひな「でしょ?はぁ、もうどうしよう……」


夏樹「……ん?あれ、ちょっと待って。ひなの、小児行けんじゃね??」


ひな「え?いやだから、五条先生いるのに絶対嫌だよ」


夏樹「違うよ、いないじゃん。ほら、クリクラ来年からだろ?五条先生アメリカ行くじゃん」


ひな「あっ……。そうだった……!」





クリクラがスタートするのは年明けから。

わたしが事故に遭って延期となっていた五条先生の渡米の件。

クリクラでは選択実習の他に、実は海外実習もある。

希望する科での実習を終えたあと、次の数ヶ月間はアメリカに行き、2年前、五条先生が行くはずだった提携病院で実習を行う。

五条先生とは期間が異なるけど、せっかくなら少しでも一緒にと、わたしのクリクラに合わせて五条先生はアメリカに行くことになっていた。





夏樹「まぁ、神崎先生はいるけどな」


ひな「神崎先生は5人の中じゃ絡むこと少なかったし、怒られたことないし、優しいし……よし、決めた。わたし、小児科にする!」


七海「小児科か。ひなのに合ってそうだね」


夏樹「クリクラは俺らバラバラになるな。お互い頑張ろうな」


ひな「うん、頑張る!」





ということで、わたしの実習先も無事に決定。


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