りさと3人のDoctors

はな

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診察



豪「ここで座って待っててな。俺は医局に行くから、呼ばれたら入るんだぞ」


りさ「はい」





蒼の診察室前にある待合室で、りさは名前が呼ばれるのを待つ。





案内「白鳥りささん、診察室へどうぞ」


りさ「はぃ……」





はぁ、緊張する……

なんで病院ってこんなに緊張するんだろう……





そんなことを思いながら、りさは診察室に入った。





蒼「りさおかえり。学校大丈夫だった?しんどくなってない?」


りさ「うん」


蒼「そう、よかった。じゃあまず胸の音聴くね」





りさは制服のブレザーを脱ぎシャツを少しめくる。

蒼はシャツの下から手を入れて、りさの胸が見えないように聴診器を当てた。





蒼「大きく深呼吸してて」


りさ「すぅー、はぁー……すぅー、はぁー……」


蒼「……うん、いいよ。じゃあ、今日はレントゲンと血液検査するからね」


りさ「えっ、血液検査も……?」


蒼「うん。念のためね」





と、蒼はりさの頭にぽんぽんと手を置き優しく微笑む。





看護師「りさちゃん、こちらへどうぞ~」





看護師に案内され、まずはレントゲン撮影。

レントゲンが終わると、次は処置室に案内され、りさはベッドへ横になった。





看護師「りさちゃん、腕見せてくれる?」





りさは看護師に両腕の内側を見せる。

昔から血管が細くて出にくいため、いつも両腕を確認されている。





看護師「うーん、右利きだよね?」


りさ「はい」


看護師「じゃあ、左手にしとこっか」





と言うと、看護師はりさの袖を捲り上げ駆血帯を巻いた。





看護師「ごめんね、ちょっとキツめに巻かせてね。手のひらは親指中にして握っててね」





ここまでは大丈夫。

駆血帯が少々強く巻かれたくらいの痛みはなんてことない。

問題はここからだ……。





看護師「そしたら、消毒するね。ちょっと冷たいよ~」


りさ「あっ、ま、待って……」





りさはこの消毒の瞬間が大嫌い。

ここで一気に恐怖心が湧いてくる。





看護師「大丈夫よ、すぐ終わるからね」


りさ「お願いっ!ちょ、ちょっと待ってください……」





すると、隣の診察室で声を聞いてた蒼が処置室へ入ってきた。





蒼「りさ~。今日は一本しかしないからすぐ終わる」


りさ「だって、怖いから……っうぅ……」


蒼「もう~、泣かないの。すぐ終わるから。ほら、こっち向いて」





蒼はりさの手を握って頭を撫でる。





看護師「りさちゃん、先生の方見ててね。チクっとするよ~」


りさ「い"っ……ぃ……ぅぅ……」





りさは蒼の手をぎゅっと握りしめた。





蒼「はい、りさ終わったよ~。よく頑張りました」


りさ「うぅ……痛い……」


蒼「すぐ終わったでしょ?結果出るまで、そのまま横になってていいからね」





そう言って、蒼は診察室へ戻って行く。









それから少しして、蒼に呼ばれたりさは再び診察室へ。





蒼「お疲れ様。座って」





りさが椅子に座ると、蒼はさっそく検査結果を話し始める。





蒼「まず、レントゲンで気になるところはないから大丈夫。ただ、アレルギー反応もあるし、しばらくはお薬飲んで様子見てみよう」


りさ「はい」


蒼「あと、運動も控えて安静にね。体育は見学して、家の中でも走り回らないこと」


りさ「それは言わなくても……」


蒼「走れるくらい元気なのは先生もうれしいけど、悪くなるといけないから。わかった?」


りさ「はい……」


蒼「じゃあ、薬を下でもらって……先生もう少し帰るの遅くなるから、豪に先に送ってもらって。連絡入れとくから」


りさ「うん、わかった」





診察室を出たりさは、薬を受け取った後、医師や関係者が使う病院の裏口で豪を待った。










豪「りさ、お待たせ」





すぐに豪が来て、りさは助手席に乗り込む。





豪「血液検査でもされたか?」


りさ「なんでわかったの?って、お医者さんだからわかるよね……」


豪「それもあるけど、りさ泣いただろ?りさが泣くってことはなんか痛いことされたんだろうと思って」


りさ「な、泣い……たけど……なんでわかったの……」


豪「わかるに決まってんだろ」





豪はクールでちょっと怖い感じだが、なんでもよく気づくし優しい。

昨夜の当直中も、蒼からりさの発作があったと連絡を受けて、りさのことを心配してくれていた。



家に着くと、豪はりさを降ろしてまたすぐ病院に戻って行った。










蓮「おかえり~」


りさ「にぃに~。ただいまっ」





家には仕事が休みだった蓮が。





蓮「検査どうだった?」


りさ「血抜かれた……」


蓮「ははっ。にぃには結果が知りたくて聞いてるのに~。腕見せてごらん」





りさは蓮に採血した腕を見せる。





りさ「結果は大丈夫だったもん。お薬だけもらったよ」


蓮「それならよかった。腕も出血してないね。採血のあと気持ち悪くならなかった?」


りさ「うん。大丈夫だったよ」


蓮「お、昔はよくふらふらする~って泣いてたのに成長したね。よく頑張りました」





蓮はニコッと笑い、りさの頭をクシャっと撫でた。





蓮「疲れたでしょ。少し部屋で休んでおいで。」


りさ「うん。ありがとう」










***



夕食の時間になり、りさはリビングに向かった。





りさ「あれ?にぃに、先生は?」


蓮「あぁ、蒼兄は急患が来てもうちょっと遅くなるみたい。りさ薬飲まないといけないから、先に2人で食べよう」


蓮「うん」





食事はいつもメイドが作ってくれる。

他にも、掃除や洗濯など、家の中のことはほとんどメイドがしてくれている。

先生たちは忙しいので、食事はりさが1人の時もよくあるが、今日は蓮が一緒でりさもうれしそうだった。


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