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第2章 シンデレラ・プロジェクトって?
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「その人が飲み会の席で『前任者よりわたしのほうがだんぜん仕事がやりやすい』って話したらしくて。それがなぜか、わたしがそう言った、と社内で広まってしまって、指摘された女子社員に冷たく当たられるようになったんです」
「なんだよ、それ。優ちゃんにはまったく責任のない話じゃないか。言いがかりもはなはだしい」
「それは、そうだったんですけど……わたしがもっと毅然としていれば、そんなに事も大きくならなかったと思います。でも、おろおろすることしかできなくて」
玲伊さんは相変わらず険しい表情を崩さない。
わたしは話を続けた。
「それで、もうなんか、すべてのことが億劫になってしまって眼鏡に変えました。コンタクトだとしょっちゅう眼科に通わないといけないですし。会社ではその状態が半年ほど続いて、それとなく上司に相談したこともあったけど、結局、解決することはできなくて」
話をしている間、玲伊さんは顎に手を当てて、考え込んでいるようだった。
「祖父が亡くなったのが同じ時期で、書店を継ぐことを口実に、結局、うやむやのまま、逃げるように辞めてしまいました。店を潰したくない気持ちも、もちろんあったけれど、あの会社にいたくないというのも大きかったんです。人前に出るのが怖くなってしまったし」
玲伊さんはひどい目にあったのが自分であるかのように顔を歪めた。
「なるほど。浩太郎がその話を聞いたら、会社に怒鳴り込みにいっただろうね」
わたしは頷き、話を続けた。
「親にも言えませんでした。もう大人なのに、いじめで悩んでるなんて。とにかく、わたしがぐずぐずしていたのがいけなかったんです。それでよけいに問題がこじれちゃって」
そう言うと、玲伊さんはさらに眉根を寄せて、少し強い口調で言った。
「何、言ってるんだよ。悪いのは、面白半分に噂を広めた奴や、自分の立場を利用してきみをいじめた奴、そして同調した奴らじゃないか。恨むならともかく、自分に落ち度があったなんて思う必要はまったくない」
あまりにも強い口調に、わたしの体はびくっと震えた。
「やっぱり今回のモデル、どうしても優ちゃんにやってもらうから」
「えっ? だから無理です。人前に出るのが怖くなったって、今、話しましたよね」
「いや、今の話を聞いて、ますます気持ちが固まった」
玲伊さんはそこで一旦言葉を切り、わたしの手を取ると、自分のほうを向かせた。
「決して『人は見た目だ』って言いたいわけじゃないよ。でも優ちゃんみたいに対人関係で悩んでいるときには、ことさら外見が大きく影響することがあるんだ。たぶん、きみが思っている以上に。俺にまかせてくれれば、絶対、自信を持てるように変われるよ」
「玲伊さん……」
彼は時計に目をやり、よし、と立ちあがった。
「おいで。今言ったことが本当だって証明してみせるから」
そう言って差し伸べられた手を、わたしはためらいながらも握った。
彼はリビングを横切り、サイドボードの横にあるドアを開けた。
そして、その部屋に入るように促した。
「なんだよ、それ。優ちゃんにはまったく責任のない話じゃないか。言いがかりもはなはだしい」
「それは、そうだったんですけど……わたしがもっと毅然としていれば、そんなに事も大きくならなかったと思います。でも、おろおろすることしかできなくて」
玲伊さんは相変わらず険しい表情を崩さない。
わたしは話を続けた。
「それで、もうなんか、すべてのことが億劫になってしまって眼鏡に変えました。コンタクトだとしょっちゅう眼科に通わないといけないですし。会社ではその状態が半年ほど続いて、それとなく上司に相談したこともあったけど、結局、解決することはできなくて」
話をしている間、玲伊さんは顎に手を当てて、考え込んでいるようだった。
「祖父が亡くなったのが同じ時期で、書店を継ぐことを口実に、結局、うやむやのまま、逃げるように辞めてしまいました。店を潰したくない気持ちも、もちろんあったけれど、あの会社にいたくないというのも大きかったんです。人前に出るのが怖くなってしまったし」
玲伊さんはひどい目にあったのが自分であるかのように顔を歪めた。
「なるほど。浩太郎がその話を聞いたら、会社に怒鳴り込みにいっただろうね」
わたしは頷き、話を続けた。
「親にも言えませんでした。もう大人なのに、いじめで悩んでるなんて。とにかく、わたしがぐずぐずしていたのがいけなかったんです。それでよけいに問題がこじれちゃって」
そう言うと、玲伊さんはさらに眉根を寄せて、少し強い口調で言った。
「何、言ってるんだよ。悪いのは、面白半分に噂を広めた奴や、自分の立場を利用してきみをいじめた奴、そして同調した奴らじゃないか。恨むならともかく、自分に落ち度があったなんて思う必要はまったくない」
あまりにも強い口調に、わたしの体はびくっと震えた。
「やっぱり今回のモデル、どうしても優ちゃんにやってもらうから」
「えっ? だから無理です。人前に出るのが怖くなったって、今、話しましたよね」
「いや、今の話を聞いて、ますます気持ちが固まった」
玲伊さんはそこで一旦言葉を切り、わたしの手を取ると、自分のほうを向かせた。
「決して『人は見た目だ』って言いたいわけじゃないよ。でも優ちゃんみたいに対人関係で悩んでいるときには、ことさら外見が大きく影響することがあるんだ。たぶん、きみが思っている以上に。俺にまかせてくれれば、絶対、自信を持てるように変われるよ」
「玲伊さん……」
彼は時計に目をやり、よし、と立ちあがった。
「おいで。今言ったことが本当だって証明してみせるから」
そう言って差し伸べられた手を、わたしはためらいながらも握った。
彼はリビングを横切り、サイドボードの横にあるドアを開けた。
そして、その部屋に入るように促した。
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