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番外編その2 木澤彰吾、パパになる
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で、その夜。
ベッドに横になり、花梨に腕を回して抱き寄せて、優しくキスを重ねた。
そうしながら、幸せを噛み締めていた。
もともと子供は好きだった。
親の愛を知らなかった俺が、はじめて人を愛おしいと思えたのは、姪の香穂の、無垢な瞳のおかげだったから。
花梨と俺の子供……か。
想像するだけで、もう嬉しさで頭が爆発してしまいそうだ。
***
「はい。では、メールで見積書をお送りさせていただきますね」
取引先との電話を置くと、米川さんがわたしに話しかけてきた。
今、彰吾さんは会議で席を外している。
「どうです? 部長は家事を手伝ってくれてます?」
妊娠がわかってから3カ月。
ようやく安定期に入った。
まだお腹はそんなに出ていないけれど、最近はマタニティ用の服しか着られなくなってきた。
出産直前まで働きたいと彰吾さんに言ったら、最初はだいぶ渋っていたけれど、結局10時から3時ならオーケーということになり、今は重役のような時間帯で働いている。
そして行き帰りは、可能なかぎり、彰吾さんが車で送ってくれる。
「うん。至れり尽くせり。物干し、お風呂掃除、ゴミ捨てはあたり前にしてくれるし、買い物も一緒にいってくれるようになって」
米川さんは楽しげにはっはっと笑った。
「だいぶ脅かしておいたからな。花梨さん、ぼくに感謝してくださいよ」
「そうだったんですね。ありがとうございます」
ベッドに横になり、花梨に腕を回して抱き寄せて、優しくキスを重ねた。
そうしながら、幸せを噛み締めていた。
もともと子供は好きだった。
親の愛を知らなかった俺が、はじめて人を愛おしいと思えたのは、姪の香穂の、無垢な瞳のおかげだったから。
花梨と俺の子供……か。
想像するだけで、もう嬉しさで頭が爆発してしまいそうだ。
***
「はい。では、メールで見積書をお送りさせていただきますね」
取引先との電話を置くと、米川さんがわたしに話しかけてきた。
今、彰吾さんは会議で席を外している。
「どうです? 部長は家事を手伝ってくれてます?」
妊娠がわかってから3カ月。
ようやく安定期に入った。
まだお腹はそんなに出ていないけれど、最近はマタニティ用の服しか着られなくなってきた。
出産直前まで働きたいと彰吾さんに言ったら、最初はだいぶ渋っていたけれど、結局10時から3時ならオーケーということになり、今は重役のような時間帯で働いている。
そして行き帰りは、可能なかぎり、彰吾さんが車で送ってくれる。
「うん。至れり尽くせり。物干し、お風呂掃除、ゴミ捨てはあたり前にしてくれるし、買い物も一緒にいってくれるようになって」
米川さんは楽しげにはっはっと笑った。
「だいぶ脅かしておいたからな。花梨さん、ぼくに感謝してくださいよ」
「そうだったんですね。ありがとうございます」
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