6 / 139
第1章 誰、それ?
3
しおりを挟む
「広報で対処していただけないんですか?」
「ここだけの話だが……その、俳優、なんだっけ」
「榊原宗介です」と横から口をはさんだのは知花。
目をキラッキラさせて、課長の話に耳を傾けている。
「そうそう。実は社長のお嬢さんが大ファンらしくてね、その」
「だから、榊原宗介ですって」
課長は、なんで妹尾がこんなところにいるんだという顔をしたけれど、特に何も言わずに続けた。
「それで創業30周年の記念パーティーに出席してくれないかと秘書室のほうで打診したら、コンサルタントの役をやることになったので、仕事の様子を取材させてくれないかと相談を持ちかけられたそうでね」
はー、社長のお嬢さんのことまで持ち出されたら、もう拒否はできそうにない。
「最前線で働いている者の仕事ぶりに触れたいというのがご希望なんだ」
「わかりました。いつ来られるのですか?」
「明後日の午後らしい。社長直々の案件だ。くれぐれも粗相のないように頼むよ」
「いいなあ。ご指名がかかるなんて、さすがは郁美先輩。ちょっととうが立ってるとはいえ美人だし、仕事できるし。宗様に目をつけられるかも知れないですね」
「とうが立ってるって……。そんなこと、絶対ないから。ほら、これ以上無駄口叩いてると、本当に残業してもらうことになるよ。仕事、仕事」
「へーい」
知花はようやく自席に戻っていった。
「ここだけの話だが……その、俳優、なんだっけ」
「榊原宗介です」と横から口をはさんだのは知花。
目をキラッキラさせて、課長の話に耳を傾けている。
「そうそう。実は社長のお嬢さんが大ファンらしくてね、その」
「だから、榊原宗介ですって」
課長は、なんで妹尾がこんなところにいるんだという顔をしたけれど、特に何も言わずに続けた。
「それで創業30周年の記念パーティーに出席してくれないかと秘書室のほうで打診したら、コンサルタントの役をやることになったので、仕事の様子を取材させてくれないかと相談を持ちかけられたそうでね」
はー、社長のお嬢さんのことまで持ち出されたら、もう拒否はできそうにない。
「最前線で働いている者の仕事ぶりに触れたいというのがご希望なんだ」
「わかりました。いつ来られるのですか?」
「明後日の午後らしい。社長直々の案件だ。くれぐれも粗相のないように頼むよ」
「いいなあ。ご指名がかかるなんて、さすがは郁美先輩。ちょっととうが立ってるとはいえ美人だし、仕事できるし。宗様に目をつけられるかも知れないですね」
「とうが立ってるって……。そんなこと、絶対ないから。ほら、これ以上無駄口叩いてると、本当に残業してもらうことになるよ。仕事、仕事」
「へーい」
知花はようやく自席に戻っていった。
2
あなたにおすすめの小説
夜の声
神崎
恋愛
r15にしてありますが、濡れ場のシーンはわずかにあります。
読まなくても物語はわかるので、あるところはタイトルの数字を#で囲んでます。
小さな喫茶店でアルバイトをしている高校生の「桜」は、ある日、喫茶店の店主「葵」より、彼の友人である「柊」を紹介される。
柊の声は彼女が聴いている夜の声によく似ていた。
そこから彼女は柊に急速に惹かれていく。しかし彼は彼女に決して語らない事があった。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
幼馴染に10年片想いしてたら、冷酷御曹司にプロポーズされました
ほーみ
恋愛
春の匂いが、駅前の並木道をくすぐる。満開の桜の下、私はひとり歩いていた。駅までの道は、高校時代、彼とよく歩いた道だ。
制服姿の学生が笑いながらすれ違っていくのを横目に、私はスマホを見下ろした。
「今日、伝えるって決めたんじゃなかったの?」
送信したきり返信のないメッセージ。画面には「既読」の文字があるだけだった。
――渡瀬 湊。私が10年間片想いをしている、幼馴染。
訳あり冷徹社長はただの優男でした
あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた
いや、待て
育児放棄にも程があるでしょう
音信不通の姉
泣き出す子供
父親は誰だよ
怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳)
これはもう、人生詰んだと思った
**********
この作品は他のサイトにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる