可愛がってあげたい、強がりなきみを。 ~国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます~

泉南佳那

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第1章 誰、それ?

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「広報で対処していただけないんですか?」
「ここだけの話だが……その、俳優、なんだっけ」

「榊原宗介です」と横から口をはさんだのは知花。
 目をキラッキラさせて、課長の話に耳を傾けている。

「そうそう。実は社長のお嬢さんが大ファンらしくてね、その」
「だから、榊原宗介ですって」
 課長は、なんで妹尾がこんなところにいるんだという顔をしたけれど、特に何も言わずに続けた。

「それで創業30周年の記念パーティーに出席してくれないかと秘書室のほうで打診したら、コンサルタントの役をやることになったので、仕事の様子を取材させてくれないかと相談を持ちかけられたそうでね」

 はー、社長のお嬢さんのことまで持ち出されたら、もう拒否はできそうにない。

「最前線で働いている者の仕事ぶりに触れたいというのがご希望なんだ」

「わかりました。いつ来られるのですか?」
「明後日の午後らしい。社長直々の案件だ。くれぐれも粗相のないように頼むよ」

「いいなあ。ご指名がかかるなんて、さすがは郁美先輩。ちょっととうが立ってるとはいえ美人だし、仕事できるし。宗様に目をつけられるかも知れないですね」

「とうが立ってるって……。そんなこと、絶対ないから。ほら、これ以上無駄口叩いてると、本当に残業してもらうことになるよ。仕事、仕事」

「へーい」
 知花はようやく自席に戻っていった。
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