可愛がってあげたい、強がりなきみを。 ~国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます~

泉南佳那

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第1章 誰、それ?

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 若干、気後れしつつも、わたしは彼らの前まで行き、頭を下げ、女性のマネージャーさんに名刺を差しだした。

「橋本です。どうぞよろしくお願いします」

 彼女も名刺を出し「マネージャーの向井です。お忙しいところ無理を申しまして」と言った。
 いえいえと恐縮していると、上のほうから視線が降ってきた。

 見上げると、榊原宗介がわたしをじっと見つめていた。

 な、なんで、そんなに見つめてくるんだろう。

 昼食のサンドイッチの卵、口の端につけてたかな。

 いや、そんなはずはない。
 ちゃんとトイレの鏡で確認したから。

 それにしても、この人、本当に類い稀なイケメン。
 自分と同じ人類とは、とても思えない。

 生まれてこの方、これほど美しい男性にお目にかかったことがなかったわたしは、思わず見とれてしまいそうになって、慌てて会釈した。

 そんなわたしに、榊原宗介はふっと笑みをこぼし、会釈を返した。
 

 マネージャーの向井さんは40歳ぐらい。

 地味なスーツ姿で化粧も薄くて、真面目を絵に描いたような印象。
 そのテキパキとした礼儀正しさに、華やかな芸能界も彼女のような人たちが裏で支えているんだな、と妙に納得した。

「では、あちらのミーティングルームの方へご案内して」
 課長がわたしを促した。
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