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第4章 極秘交際

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「さっき別れたばっかりだけど、とっても会いたい」

「俺もだよ。声だけでも聞きたくてさ、電話したんだから。時間ができたらすぐ連絡するから」

「はい。待ってますね」

 もう、これ以上話していたら、我慢できずに彼のところに飛んでいってしまいそう。
 後ろ髪を引かれながらも、別れを告げた。

「じゃあ、おやすみなさい。電話ありがとう」

「ああ、おやすみ」

 声を聞けたのは、信じられないほど嬉しかったけど、心はざわめいて収まらない。

 今日は眠れないかも。

 付き合いはじめからこれじゃ、先が思いやられるけど。

 でも……
 自分から望んで、彼の恋人になったんだ。

 なかなか会えないというこの状況に慣れていかなければ。

 わたしは、強く自分に言い聞かせた。
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