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第7章 雪の軽井沢にて
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「だ、抱き合ってたんじゃなくて、わたしが転びそうになって、それを亮介さんが支えてくれただけで……」
宗介さんはまだ疑わしげに目をすがめている。
「あのとき、なんかおかしいと思ったんだよな。亮介を送っていくなんて言うから」
「ち、違うって。もう、そんなわけないでしょう」
わたしが焦る姿を見て、宗介さんはぷっと吹き出した。
「わかってるって。ちょっと、からかっただけ。郁美に手を出したらどういう結果を招くか、亮介が一番良く知ってるからな」
「もう」
今度はわたしがふくれっ面をする番。
すると宗介さんは嬉しそうに「そのレアなふくれっ面も可愛いな」などと言ってくる。
もう、可愛い……って言われると毒気を抜かれて、それ以上文句が言えなくなってしまうんですけど。
その件で、一番割をくったのは亮介さんだった。
スクープが取れなかった週刊誌の腹いせか「榊原宗介の弟は元プロサッカー選手の島内亮介」とネットニュースで暴露され、そのことが大きな話題になり、とても迷惑がっていた。
宗介さんはまだ疑わしげに目をすがめている。
「あのとき、なんかおかしいと思ったんだよな。亮介を送っていくなんて言うから」
「ち、違うって。もう、そんなわけないでしょう」
わたしが焦る姿を見て、宗介さんはぷっと吹き出した。
「わかってるって。ちょっと、からかっただけ。郁美に手を出したらどういう結果を招くか、亮介が一番良く知ってるからな」
「もう」
今度はわたしがふくれっ面をする番。
すると宗介さんは嬉しそうに「そのレアなふくれっ面も可愛いな」などと言ってくる。
もう、可愛い……って言われると毒気を抜かれて、それ以上文句が言えなくなってしまうんですけど。
その件で、一番割をくったのは亮介さんだった。
スクープが取れなかった週刊誌の腹いせか「榊原宗介の弟は元プロサッカー選手の島内亮介」とネットニュースで暴露され、そのことが大きな話題になり、とても迷惑がっていた。
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