上 下
112 / 139
第7章 雪の軽井沢にて

4

しおりを挟む
 でも、写真に撮られるようなこと、した覚えはないけど。
 だいたい、ふたりでの外出はしたことがない……

 えっ、まさか相手は他の人?

 ちょっと、どういうこと?
 そう問いただそうとしたとき、彼は立ち上がってカバンから封筒を取り出した。

「で、これがその写真なんだけどね」

 宗介さんから見せられた写真は、夜のコンビニを背景に、宗介さんとおぼしき背の高い男性に抱かれている女性……って、これ、わたしと亮介さんじゃない!

「これ、年末に亮介さんが来たときの……」
「そう。コートの色でわかった」

 じゃあ、あのとき写真を撮られてたってこと?
 ぜんぜん気づかなかったんだけど!
 まったく油断も隙もない。

「で、俺じゃないって説明して、雑誌社も納得して、事なきを得たんだけど……」
 そこで言葉を切って、宗介さんはわたしをじっと見た。

「あのさ、なんで、あんなところで亮介と抱き合ってたんだ?」

「えっと、その……」
 ぜんぜん焦る必要ないのに、彼の視線の鋭さに思わず声がうわずってしまう。
しおりを挟む
1 / 2

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

神隠しは天狗の仕業といいます、が

BL / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:15

その発言、後悔しないで下さいね?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:468pt お気に入り:2,375

処理中です...