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第7章 雪の軽井沢にて
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式の後は、ダイニングルームでささやかな披露宴を催し、亮介さん、向井さん、八神くんは明日の仕事に備えて東京に戻り、それぞれの両親とわたしたちは別荘に泊まった。
なにしろ、ゲストルームが5室もある大邸宅。
3組なら、悠々泊れる。
わたしたちの部屋は2階の突き当たりにあった。
ドアに鍵をかけるとすぐ、宗介さんは「目をつぶって」と言って、わたしの手を取った。
「なんで?」
「すぐ、わかるよ」
二間続きの部屋の奥にあるベッドルームに着くと、宗介さんに「もういいよ」と言われ、ゆっくり目を開けた。
「わあ……」と思わず感嘆の声がもれた。
ベッドが真紅の薔薇で美しく飾られていた。
いつのまに用意したんだろう。
ぜんぜん気づかなかった。
「気に入った?」
「もちろん……こんなサプライズがあるなんて思ってもなかった」
彼はいたずらっぽく目を光らせた。
「気づかれちゃったら、サプライズにならないからな」
それから、彼はベッドに近づいてゆき、「早くおいで」とわたしを呼んだ。
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