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最終章 さよならダンジョン
10 マイクを持った3人が好きに語っております
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「いいか、思ったのとは状況が違うが、作戦は変わらない。向こうへ抜けるのを最優先で行くぞ」
「おう」
桃旗隊が小さく意思を確認して、リングへと向かった。
「さて、解説のダンカンさん、これはいったいどういう事でしょう。ダンジョンの魔獣チーム中に、どうやらあの「戦場の死神」傭兵のフェンがいる様ですが」
「そうですね、実況のコタロウさん。ここにいるという事は、傭兵のフェンは人化した魔獣だったという事でしょうねぇ。びっくりしました」
「魔獣と言うのは、案外人に紛れているものなのでしょ、あーーーっとついに桃旗隊がリングに上がった。まず迎え撃つのは猪突猛進 サンダーボアの里駆だー!中継のメルさん、気を付けてくださいねー」
「はいはい、こちらメルでーす。まだまだ魔獣側は余裕で突っ立っていますね。里駆と当たったのは……A級のゲンキとバード、それに、マリアンが果敢にも切りかかりました。B級ではありますが実力は計り知れない期待の冒険女子です!」
最初の三人が切りこんだ後すぐに、他の冒険者たちもわっとリングの上に上がった。
その中で気配を消した1パーティーが、こっそりリングの周りを通り抜けようとしていた。
観客席からは丸見えだったが、さてダンジョン側はどうするのだろうと、面白がって見ているようだ。
リングの脇を半分ほど進んだ時、目の前にスタっとフェンが飛び降りてきて剣を構えた。
「この場を請け負ったからには、通せねえなあ」
ニヤリと笑って、先頭の男の肩に切りつける。
「くっ」
ギリギリのタイミングだったが、短剣で受け止めることができた。
「ほう、なかなか」
リングの下でも激しい戦いが始まった。
「はい、こちらメルです。ただいまリング下にて戦闘が始まりました」
「はいはい、メルさん。放送席からもばっちり見えていますよ!これはハーレム野郎と名高い「ボビーと愛する家族たち」ですね、ダンカンさん」
「いや、コタロウさん、そんなパーティー名だったかな?ま、ハーレム野郎など、どうでも良いですがね」
「そうですね、あ、でも案外いい動きしてますよ、彼女たち。ボビーをフォローして、上手に戦っています。ダンジョン側は人数が少ないので、助けをあてに出来ないのが痛いですね。おおっとーーー」
「メルでーす。フォローに回っていた女騎士ターニャがダンジョンアウトです!死神フェンの氷の刃を、ボビーをかばって受け止めました。ターニャを失ったボビー、怒りに任せて死神に切りかかりましたが、全く歯が立たなーい!」
一方その頃、リング上でも激しい戦いが始まっていた。サンダーボアの里駆と鬼熊のココの二人が先陣を切って、それぞれ5、6人の冒険者たちを相手取って戦っている。
残りのメンバーは少人数でも突破して上を目指したいという気持ちも有り、どうにかしてリングを突っ切る道を探しているようだ。
龍王は戦える相手を見つけたらしく、嬉々として1人の冒険者と打ち合っている。龍王が持つのは長さ3メル以上ある木の棒、冒険者は鉄の槍だ。
「ああ、鬼熊のココと戦っている冒険者が一人、ダンジョンアウトしました」
「うーん、良い戦いをしていたのに惜しいですなあ。それにしても、ココはここ最近、あ、洒落じゃないですよ、ずいぶんと強くなりましたねえ」
「それが、ダンジョン内では暇な時間に魔獣同士で特訓するのが流行っているそうですよ。おっと、里駆がそろそろドローバックしそうだ。ああ、桃旗隊は魔法を上手に使っていますね」
「ええ。魔道具の杖を使って強化、回復など上手に後ろからサポートしているようです。
ダンジョン側も魔法使いに対してはまだ対応していませんね。効果が目につかないからでしょうか、あ、ドローバックですね」
「はい、里駆が消えました。同時に冒険者も二人ダンジョンアウトです!」
「メルでーす。こちら、リング下で戦っている死神対ハーレム野郎ですが、女魔法使いから大技出ましたー」
「ああ、はい、確認できました。珍しいですね。雷系の技で、感電したフェンが一瞬動きを止めました」
「私もビリビリ来ました。すごい威力でーす」
隙あらばリングを通り抜けて奥に進もうとする桃旗隊に対して、人数の少ないダンジョン防衛側は少しずつ押されてきたようにみえる。一番攻撃力がある龍王が1対1で遊んでいるのが痛いようだ。通り抜けを狙う者たちを一手に引き受けていた残雪に隙ができて、数人がリングをかけ抜けた。
「あ、コタロウさん、いま、5人程リングの向こうに走り抜けましたね」
「本当ですか、ダンカンさん?こういった場合はどうなるんでしょう?ダンジョン側としては外にも配置しているとは思いますが」
「メルでーす、皆さま、上をご覧ください!」
上空から八咫烏達に吊り下げられた冒険者が、会場へと戻ってきた。
「えー、ただいま入ってきた情報によりますと、場外で罠にはまっていたため、助けて会場へと連れ戻ったとのことです」
「それは良かったですね、コタロウさん。しかし一羽だけ金色のあのカラスは、何やら龍王の頭を掴んでいませんか?」
「はい、会場のメルです。金色のカラスは最近評判の金髪美女、マツですね。龍王にもう少し真面目に戦うよう叱っています。お母さんみたいですねえ。うわっと。龍王の闘気がこっちにも襲ってきました。空には雷雲が集まってきたようです。私もいつまで中継できるか分かりませんが、頑張ります!リング脇からメルがお送りしました」
徐々に数を減らしている桃旗隊、ダンジョン側も里駆に続き、鬼熊のココが囲まれてドローバックした。
さてこの戦いの結末や、いかに?
「おう」
桃旗隊が小さく意思を確認して、リングへと向かった。
「さて、解説のダンカンさん、これはいったいどういう事でしょう。ダンジョンの魔獣チーム中に、どうやらあの「戦場の死神」傭兵のフェンがいる様ですが」
「そうですね、実況のコタロウさん。ここにいるという事は、傭兵のフェンは人化した魔獣だったという事でしょうねぇ。びっくりしました」
「魔獣と言うのは、案外人に紛れているものなのでしょ、あーーーっとついに桃旗隊がリングに上がった。まず迎え撃つのは猪突猛進 サンダーボアの里駆だー!中継のメルさん、気を付けてくださいねー」
「はいはい、こちらメルでーす。まだまだ魔獣側は余裕で突っ立っていますね。里駆と当たったのは……A級のゲンキとバード、それに、マリアンが果敢にも切りかかりました。B級ではありますが実力は計り知れない期待の冒険女子です!」
最初の三人が切りこんだ後すぐに、他の冒険者たちもわっとリングの上に上がった。
その中で気配を消した1パーティーが、こっそりリングの周りを通り抜けようとしていた。
観客席からは丸見えだったが、さてダンジョン側はどうするのだろうと、面白がって見ているようだ。
リングの脇を半分ほど進んだ時、目の前にスタっとフェンが飛び降りてきて剣を構えた。
「この場を請け負ったからには、通せねえなあ」
ニヤリと笑って、先頭の男の肩に切りつける。
「くっ」
ギリギリのタイミングだったが、短剣で受け止めることができた。
「ほう、なかなか」
リングの下でも激しい戦いが始まった。
「はい、こちらメルです。ただいまリング下にて戦闘が始まりました」
「はいはい、メルさん。放送席からもばっちり見えていますよ!これはハーレム野郎と名高い「ボビーと愛する家族たち」ですね、ダンカンさん」
「いや、コタロウさん、そんなパーティー名だったかな?ま、ハーレム野郎など、どうでも良いですがね」
「そうですね、あ、でも案外いい動きしてますよ、彼女たち。ボビーをフォローして、上手に戦っています。ダンジョン側は人数が少ないので、助けをあてに出来ないのが痛いですね。おおっとーーー」
「メルでーす。フォローに回っていた女騎士ターニャがダンジョンアウトです!死神フェンの氷の刃を、ボビーをかばって受け止めました。ターニャを失ったボビー、怒りに任せて死神に切りかかりましたが、全く歯が立たなーい!」
一方その頃、リング上でも激しい戦いが始まっていた。サンダーボアの里駆と鬼熊のココの二人が先陣を切って、それぞれ5、6人の冒険者たちを相手取って戦っている。
残りのメンバーは少人数でも突破して上を目指したいという気持ちも有り、どうにかしてリングを突っ切る道を探しているようだ。
龍王は戦える相手を見つけたらしく、嬉々として1人の冒険者と打ち合っている。龍王が持つのは長さ3メル以上ある木の棒、冒険者は鉄の槍だ。
「ああ、鬼熊のココと戦っている冒険者が一人、ダンジョンアウトしました」
「うーん、良い戦いをしていたのに惜しいですなあ。それにしても、ココはここ最近、あ、洒落じゃないですよ、ずいぶんと強くなりましたねえ」
「それが、ダンジョン内では暇な時間に魔獣同士で特訓するのが流行っているそうですよ。おっと、里駆がそろそろドローバックしそうだ。ああ、桃旗隊は魔法を上手に使っていますね」
「ええ。魔道具の杖を使って強化、回復など上手に後ろからサポートしているようです。
ダンジョン側も魔法使いに対してはまだ対応していませんね。効果が目につかないからでしょうか、あ、ドローバックですね」
「はい、里駆が消えました。同時に冒険者も二人ダンジョンアウトです!」
「メルでーす。こちら、リング下で戦っている死神対ハーレム野郎ですが、女魔法使いから大技出ましたー」
「ああ、はい、確認できました。珍しいですね。雷系の技で、感電したフェンが一瞬動きを止めました」
「私もビリビリ来ました。すごい威力でーす」
隙あらばリングを通り抜けて奥に進もうとする桃旗隊に対して、人数の少ないダンジョン防衛側は少しずつ押されてきたようにみえる。一番攻撃力がある龍王が1対1で遊んでいるのが痛いようだ。通り抜けを狙う者たちを一手に引き受けていた残雪に隙ができて、数人がリングをかけ抜けた。
「あ、コタロウさん、いま、5人程リングの向こうに走り抜けましたね」
「本当ですか、ダンカンさん?こういった場合はどうなるんでしょう?ダンジョン側としては外にも配置しているとは思いますが」
「メルでーす、皆さま、上をご覧ください!」
上空から八咫烏達に吊り下げられた冒険者が、会場へと戻ってきた。
「えー、ただいま入ってきた情報によりますと、場外で罠にはまっていたため、助けて会場へと連れ戻ったとのことです」
「それは良かったですね、コタロウさん。しかし一羽だけ金色のあのカラスは、何やら龍王の頭を掴んでいませんか?」
「はい、会場のメルです。金色のカラスは最近評判の金髪美女、マツですね。龍王にもう少し真面目に戦うよう叱っています。お母さんみたいですねえ。うわっと。龍王の闘気がこっちにも襲ってきました。空には雷雲が集まってきたようです。私もいつまで中継できるか分かりませんが、頑張ります!リング脇からメルがお送りしました」
徐々に数を減らしている桃旗隊、ダンジョン側も里駆に続き、鬼熊のココが囲まれてドローバックした。
さてこの戦いの結末や、いかに?
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