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1.悪役の始まり
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「あははははは!!見ろ!この景色を!」
幾重にも折り重なる人の死体。もはや何処の部位か分からないほどにグチャグチャになった臓器。
「聞こえるか!?強奪者たちよ!!この怨嗟の声が!理不尽に対する怒りが!!」
彼女1人以外を残し、生物がいなくなった場所に不気味に風が吹く。
「いまこそ立ち上がれ!!我が同志よ!かつて宝物を奪われた我らは
今こそ奪う側に回るのだ!!」
空を揺るがす宣誓が響くと、それまでは確かに死体だったものたちが動き出した。
そして、遥か彼方の桃源郷を夢見る彼女の命令により不死者たちは各国の王都へ進み始めた。
虚ろだが悲しげに揺れる瞳を宿して。
「いやー!やっぱこのアニメ神だわ。特にこの空に向かって叫んでる姫様!すごい綺麗なのに周りが地獄過ぎてギャップが……かっこかわいぃ、とうとぃ、もうむりぃ」
たった今まで見ていたアニメの余韻をエンディングと共に浸っている彼女の名前は古賀有栖。彼女の女性より男性といった方がしっくりとくる整った端正な顔立ちが、今では跡形もなく歪みまくり、みる人によっては気持ち悪く感じる顔に変化している。
「よしっ!予習は終わりっ!ここから私は彼女のようなかっこいい悪役になるんだ!」
頬を叩くと共にキリッとした顔には今年17になる彼女には少し幼いワクワクとした感情が透けていた。
○
もう一つの現実と呼ばれるVRMMORPGの「different ways online」。これからこの世界でとあるプレイヤーがカッコ良すぎる悪役としてその名を轟かす。その名は……
○
よしっ設定完了ー!
確かゲームは12:00から入れるんだっけ。
今は……11時59分。わぉちょうどいいやん。
そんじゃま、暴れてきますか。悪役として!
……ゲームをダウンロードしています……
……完了しました……
……本人認証をします……
……認証されました。ようこそ「different ways online」へ。古賀有栖様……
……チュートリアルを開始します……
「はあーい!聞こえてますか見えてますかー?私のこと分かりますかー?」
いきなり視界に飛び込んできた妖精に私は悪役らしく口角を上げて答えた。
「分かりますよ。可憐な妖精さん」
幾重にも折り重なる人の死体。もはや何処の部位か分からないほどにグチャグチャになった臓器。
「聞こえるか!?強奪者たちよ!!この怨嗟の声が!理不尽に対する怒りが!!」
彼女1人以外を残し、生物がいなくなった場所に不気味に風が吹く。
「いまこそ立ち上がれ!!我が同志よ!かつて宝物を奪われた我らは
今こそ奪う側に回るのだ!!」
空を揺るがす宣誓が響くと、それまでは確かに死体だったものたちが動き出した。
そして、遥か彼方の桃源郷を夢見る彼女の命令により不死者たちは各国の王都へ進み始めた。
虚ろだが悲しげに揺れる瞳を宿して。
「いやー!やっぱこのアニメ神だわ。特にこの空に向かって叫んでる姫様!すごい綺麗なのに周りが地獄過ぎてギャップが……かっこかわいぃ、とうとぃ、もうむりぃ」
たった今まで見ていたアニメの余韻をエンディングと共に浸っている彼女の名前は古賀有栖。彼女の女性より男性といった方がしっくりとくる整った端正な顔立ちが、今では跡形もなく歪みまくり、みる人によっては気持ち悪く感じる顔に変化している。
「よしっ!予習は終わりっ!ここから私は彼女のようなかっこいい悪役になるんだ!」
頬を叩くと共にキリッとした顔には今年17になる彼女には少し幼いワクワクとした感情が透けていた。
○
もう一つの現実と呼ばれるVRMMORPGの「different ways online」。これからこの世界でとあるプレイヤーがカッコ良すぎる悪役としてその名を轟かす。その名は……
○
よしっ設定完了ー!
確かゲームは12:00から入れるんだっけ。
今は……11時59分。わぉちょうどいいやん。
そんじゃま、暴れてきますか。悪役として!
……ゲームをダウンロードしています……
……完了しました……
……本人認証をします……
……認証されました。ようこそ「different ways online」へ。古賀有栖様……
……チュートリアルを開始します……
「はあーい!聞こえてますか見えてますかー?私のこと分かりますかー?」
いきなり視界に飛び込んできた妖精に私は悪役らしく口角を上げて答えた。
「分かりますよ。可憐な妖精さん」
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