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本編
甘やかな夢を②★
しおりを挟むこんな感覚、知らなかった。
「ああっ♡♡だ、め……そんなとこ、汚い、からっ……」
「汚くなんてないよ。凄く綺麗だ。……ん……マリアンヌが好きなところ、いっぱい……舐めてあげるから♡」
レロレロレロ♡
ぢゅるぢゅる♡ぢゅうぅ♡
「ひっ……♡あああっ♡♡」
「可愛い。恥ずかしいだけなら、逃げちゃ駄目だよ。……ほら、トロトロになってきたね?マリアンヌの花園は、すごく柔らかくて、美味しいよ……♡」
「やっ……?!ああん♡♡何か……きちゃ、う……♡♡」
気持ち良すぎて、その事が信じられなくて。私は思わずイヤイヤと左右に頭を振りながらも、無意識にフェリクス様の頭を秘処に押し付けるように、押さえてしまっていた。
くちゅくちゅくちゅ♡
くぷぷぷ♡♡
「あっ♡♡~~~~っっ♡♡♡」
一際大きな波が来て、何も分からないままにビクン!と私の身体が大きく仰け反った。
目の前が真っ白になって、チカチカして、押し寄せてきた何かを止める事は出来なかった。プシャッと何かをフェリクス様の顔に掛けてしまった事にも気付かずに、息遣い荒く、身体が弛緩していく。
「はっ……♡はぁ……はぁ♡」
「……っ。……イッてしまったね、マリアンヌ。嬉しいよ」
「……イッて……?」
「気持ち良くなりすぎると、今みたいになるんだ。もっともっと、沢山味わわせてあげるね?」
「?!待っ……!い、今は……やっ……♡♡あぁあああっ♡♡」
フェリクス様の舌と指で、私は初めて“イク”という事を体験してしまった。自分の身体が信じられない。
ヤデル伯爵に無理矢理犯されていた時は全く濡れなかったし、伯爵にはいつも不感症だと言われていた。
だからいつも、よく分からないヌルヌルしたもの掛けられていたけれど、気持ち悪いし、痛くて痛くて、気持ち良いなんて感じた事は無かったのに。
「また、きちゃ……っ♡♡ふぇりくす……さまぁああっ♡♡♡」
「嗚呼、堪らないな。マリアンヌの鳴き声、凄くそそるよ。愛しくて、気が狂いそうだ。もっと、私の名を呼んでおくれ……っ」
言われるままに、フェリクス様の名を何度も呼びながら、私は更に数回達してしまった。
お腹の奥が、キュンキュン疼いて、私の瞳からポロポロと涙が零れ落ちる。フェリクス様は、私の涙に気付くと、埋めていた秘処から顔を離して、私の涙を優しく指で掬い取ってくれた。
「……マリアンヌ、大丈夫かい?ここから先は止まれそうにない。もし、嫌なら……今、言って欲しい」
フェリクス様が、私の身を気遣ってくれる。私が望んだ事なのに。
私は躊躇いがちにフェリクス様は背中に両腕を回すと、小さくふるふると首を振った。
「嫌じゃ、ないです。自分でも、信じられないくらい……気持ち、良くて。最後まで、して下さい。フェリクス様」
私がそう答えると、フェリクス様は一瞬だけ言葉を詰まらせてから、必死に何か耐えるような顔をして、「分かった」と頷いた。
「マリアンヌの意思が、それ程までに固いならば」
「フェリクス様……?」
「……聞いて欲しい事があるんだ。実は、我が王家には秘密がある。まだ魔王が存在していた時代の、先祖が掛けた魔法なのだが」
「……え?」
“魔法”という単語に、少しだけ身体が強張る。けれど、告げられた事は、私が想像していた危険なものではなかった。いや、ある意味では危険かもしれないけれど。
「王家の血筋が途絶えぬようにと掛けられた魔法でね。……王族である私の精液には、“癒し”と“快楽”を得る効果があるんだ」
“癒し”と、“快楽”?
「……マリアンヌの中に子種を注ぐと、マリアンヌは更に気持ち良くなってしまう、という事だよ。だから……」
――――本当に、最後までシテしまってもいいのかい?
そう言われて、私はぎゅうっとしがみついた。
相手がフェリクス様なら、どんな魔法であっても構わない。私の意思は変わらない。
「……挿れて下さい。フェリクス様」
私の意思を伝えると、フェリクス様はカッと首筋から耳まで赤くして、眉尻を下げた。
どうしよう。
こんな時なのに、フェリクス様が可愛く見えてしまう。
嗚呼、本当にこの人は私の知っているフェリクス様だ。幼い時から一緒にいた、あのフェリクス様なんだ。
少し前にも実感した事なのに。
私の中で更なる愛しさが募っていく。
ああ、そうか。私は―――……
「……愛しています、フェリクス様」
囁くように、小さな声で呟いた。
それは確かに、彼に、フェリクス様に届いたようで。彼の目尻に、ほんの少し何かが光ったかと思ったら、熱くて硬いモノが私の蜜口へと宛がわれた。
そして、じゅぷぷぷっとフェリクス様の熱い欲望の先が、私の蜜口へと埋め込まれる。
「あっ……あ、あ♡♡」
「……ゆっくり、挿れていくから。マリアンヌの中、凄く温かいよ。トロトロで、うねってて……気持ち良い……っ」
「ふぇりくす、さま……ぁ♡♡」
まだ、少し入ってきただけなのに。
奥へ奥へと進んでくるだけで、気持ち良くて堪らない。あまりの気持ち良さに、私はまたビクンと身体を震わせて、はしたなくイッてしまった。
「……くっ……もう、イッてしまったの?まだ全部入ってないのに」
「だって……気持ち、い……♡」
「私も、気持ち良いよ。……ほら、マリアンヌ。もう少しで、全部……っ」
「あっ♡あっ♡ふぇり、くす……っ♡♡あぁあああっ♡♡♡」
じゅぶっ!!と奥まで挿入されて、フェリクス様の欲望を全て呑み込んだら、動かされてもいないのに、私はそれだけでまたイッてしまった。
この時の私は知らなかった。
まだまだこの先に更なる快楽がある事を。
そして年齢も体型も、ヤデル伯爵なんかとは違って、フェリクス様がまだまだ若く、身体も常に鍛えている青年であったという事を、私はこれから身を持って気付かされるのだった。
* * *
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