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九の四
戦闘
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パチパチ、と小さな拍手とともに、闇の奥から小柄な少年が進み出る。漆黒というよりも、闇、と言った方が相応しい黒髪の少年は、二人の姿に道化じみた動きで頭を下げた。
「ようこそ、魔狩のお二方」
「お招きどうも、と言うべきか?」
「さてさて。我が主が何をお考えなのか、私めにもさっぱりなもので、どうお言葉を返してよいのやら」
やれやれ、と言わんばかりに、少年は大仰に首を振る。
だが、すぐにそれはなりを潜めると歪な笑みをその表情に貼り付け、 ひどく楽しそうな口調で話しかけてきた。
「我が主のためにも、もう少し余興につきあっていただきましょうか」
その言葉が終わらないうちに、少年が突き出した右手の指先から漆黒の糸が北斗めがけて放たれる。断ち切るために陽炎を振るった北斗だが、今まで以上の粘着力を持つ糸の力に刃が絡め取られてしまう。
すぐさま陽炎を手放し、北斗は軽い動作で後ろに下がる。迷いのない判断に、少年は驚いたような表情を見せた。
それに僅かに顔を顰めて、北斗は自分の手の内から離れた愛刀との距離を測る。
現時点で優位に立っているのは少年側だ。下手な博打を打つよりも、ここは確実に息の根を止める方向に持って行かなければ、自分たちが即座に床にばらまかれた昇魔達と同様の結果になるだろう。
それを亜里沙も分かっているのか、周囲の動向を忙しなく探りながら最善の手を打つために僅かに北斗との距離を縮めた。
いつでもカバーに回れることを知ってか知らずか。少年は、あぁそうだ、と他人事のように壁の一部を指さした。
途端に、黒い壁のように覆い被さっていた糸の一部が、ぐにゃりと蠢動しながら横に割れて本来の壁の色を露出させ、そこ十字に貼り付けにされた探し人の姿を二人の前に表した。
ひゅっ、と、亜里沙が鋭く息を飲み込む。
白い糸にがっちりと貼り付けにされ、意識もなくぐったりと青白い顔をしている水鳥の身体が、外気に触れたためなのか僅かであるが身動ぐ。
「どうです。美しいでしょう」
まるで作品を見せつけるかのような少年の言動に、亜里沙が思わず翠刃光鞭をしならせようとする。
だが、それを押しとどめたるかのように、北斗が瞬時に亜里沙の前に腕を差し出した。
「何故!」
悲鳴のような亜里沙の声に応えることなく北斗はゆっくりと腕を下ろすと、少年に向けてつまらなそうに尋ねかけた。
「それで、どうするつもりだ?」
「おや、この人間のことはどうでもよいと?」
「ここはお前らの巣の中だ。俺達がどう動こうが、お前のいう主様とやらにとっては、痛くもかゆくもないってとこだろ」
北斗の言葉に、少年は心底がっかりしたと言いたげに首を横に振る。
「やれやれ、面白みのない」
「てめぇらの娯楽につきあうつもりはねぇよ」
吐き捨てるようそう言い放った北斗に向けて、少年は鋭く尖った指先をまっすぐに指し示す。途端に、束となった黒い糸が北斗に襲いかかった。
鋭い針のような巨大なそれをよけた北斗の足下に穿たがれた後が出来上がり、うち漏らしたと分かるやすぐさま次の攻撃を放つ。
めまぐるしく立ち位置を変える北斗の姿に、少年がケラケラと楽しそうな、それでいて嬲るような色合いの笑い声を立てる。
どうにかして北斗のフォローに入ろうとする亜里沙だが、苛烈な攻撃に隙を見いだすことが出来ず、翠刃光鞭を構えたまま北斗達の動きを眼で追いかけた。
何も出来ないことというのが、これほどまでに歯がゆいの事なのだという事実を突きつけられ、亜里沙は唇をかみしめる。だが、その内にある一つの変化を見つけ、僅かに亜里沙は眼を細めた。
そっと、翠刃光鞭の刃先を鞭上に戻したことに気が付いているのかいないのか。北斗と少年は、狭い室内で火花を散らしながら縦横無尽な動きで互いを攻撃し合う。
いつしか少年の顔にあった余裕は消え失せ、どこか苛立ちと不機嫌さとを含んだ色合いを顔面に押しだし、舌打ちせんばかりの空気で北斗に向き合っている。対して北斗と言えば、余裕をたたえた表情で少年の操る黒い刃上の糸をするりとすり抜けながら、床に転がった陽炎を拾い上げ、隙の空いた場所に的確にその刃を突き立てた。
少年にしてみれば、北斗と亜里沙は玩具同然の存在だったのだろう。遊び気分で二人を追い詰めたと思っていたのだろうが、二人の実力は少年が考えていた以上のものであり、今までの考えを改めて攻めなければ危険だと判断を変えなくてはならないものだった。
とはいえ、ここは、少年達の巣だ。その気になれば、この部屋を覆う糸でどうにでもなるという事実が少年の中で確固たる思いとして存在していた。
「いちいち目障りなんですよ、お前達は!」
そう叫んだ少年が指を一つ鳴らそうとした。
部屋中の糸を二人めがけて刺し貫くように動かそうとしたのに、指先に何かが絡まったように動かない。
驚いた少年が、己の指先に視線を向ける。
そこには、細く、けれども感づかれないようにしなやかな翠の糸が絡まりついていた。
「っ!」
愕然としたように少年が動きを止める。
北斗の背後に視線を移し、初めてそこにいる亜里沙が持つ翠刃光鞭の先が幾重にも別れているのを確認し、その先を追いかける。黒い糸に混じり合いながら、翠刃光鞭の糸は少年の身体へといつの間にか伸びて絡まりついていた。
「さてと、おいたの時間は終わりだ」
言葉と同時に、瞬時に陽炎をしまい込んだ北斗の掌に強大な力が集約されていた。
ざぁ、と、少年の顔中から血の気が引く。
「ま、待て!」
少年の叫びと、北斗から放たれた光が腹を打ち抜くのは同時だった。
ぽっかりと開いた空洞から、幾筋もの黒い糸が垂れ下がる。慌てて北斗から距離をとった少年だが、すぐに何かに気付いたように背後を見つめた。
「動くな!」
背後に貼り付けに水鳥の喉元に太い糸を張り巡らせ、少年は焦りを帯びた亜里沙の瞳を見ると、すぐさまその糸の締め付けを強くする。
ぐっ、と、水鳥の唇から呻き声が上がり、瞬間、亜里沙が僅かにつま先を動かす。
それを眺め、喜悦の笑みを口の端に刻んだ少年が、亜里沙に向かって突進をかけたのはその直後だ。
「亜里沙!」
落ち着いた北斗の声音に、亜里沙の意識がすぐさま目の前の少年に戻され、小さく舌を打ち付けながらも何事かを呟き、少年の着地点となる場所に視線を固定させた。
その行動に疑問を浮かべた少年だが、すぐにその答えに気が付く。
床の上に現れた青白い燐光が、何かを描いている。
それがなんなのか分かった瞬間、青白い光は爆発するように少年にまとわりついた。
「がっ!」
『退魔陣』。それが光の正体だ。
昇魔達の力を著しく弱める効果を持つそれは、刹那にして少年の魔力を消費したのだろう。苦しそうに喉元を押さえて床の上で転げ回る姿に、亜里沙はほっとしたようにと息をついた。
ここまでの短い時間でどれだけの魔力を削れるかは分からなかったが、なんとか少年の動きを止めることは出来たようだ。北斗にちらりと目線を向けるが、彼は黙ったまま床の上の少年を見つめていた。
異臭と異音を立てる少年の身体を眺めている北斗が、ゆっくりと陽炎の切っ先を少年に向けながら歩き出す。
ちきり、とした鈍い音に反応し、少年は顔を上げて二人を見つめる。
考えていた以上の力量を持つ二人に、少年はまるで許しを請うような瞳を向けるが、それを切って捨てるように北斗は少年の傍らに佇んだ。
「鬼ごっこは仕舞いだ」
「ヨ……せ……オで……を、こロせ……バ」
「少なくとも、お前が危惧していることにはならねぇよ」
見透かしたかのような北斗の言葉に、少年の顔が驚愕に引きつる。それを冷ややかに眺めながら、北斗は無造作に陽炎を横に振り払った。
大きく目を見開き、断末魔の声すら上げることも出来ずに少年の首と胴とが離れる。その様に一瞬眉を潜めた亜里沙だが、慌てたように周囲を見回した。
周囲を覆っていた黒い糸がパラパラとほぐれ、床の上へと氷のように溶けてあたりに広がっていく。
漆黒に覆われていたはずの空間に光が差したのは、その直後だ。
室内の中心に巨大な純白の塊が出現する。形状は繭玉のようではあるが、歪な横に長い球状のそれは、人一人が十分に入る大きさのものだ。
水鳥の身体を縛る糸は、そこから緩やかな流れのように伸びている。
慌てて翠刃光鞭でその糸を断ち切り、亜里沙は水鳥の身体が解放されると、安堵したように水鳥に走り出そうとした。
だが、すぐにそれは阻まれる結果となった。
大きな揺れが時計塔を全体を襲う。立っていることすらままならぬほどをその揺れに、思わず北斗も亜里沙も床に膝をついた。
何とか立ち上がろうとする亜里沙を制し、この事態をすでに予測していたらしい北斗は、驚きの色もなくただ黙ったまま真剣な表情で繭玉を睨み据えていた。
「来る」
北斗の呟きに、亜里沙が繭玉に視線を固定させた。
「ようこそ、魔狩のお二方」
「お招きどうも、と言うべきか?」
「さてさて。我が主が何をお考えなのか、私めにもさっぱりなもので、どうお言葉を返してよいのやら」
やれやれ、と言わんばかりに、少年は大仰に首を振る。
だが、すぐにそれはなりを潜めると歪な笑みをその表情に貼り付け、 ひどく楽しそうな口調で話しかけてきた。
「我が主のためにも、もう少し余興につきあっていただきましょうか」
その言葉が終わらないうちに、少年が突き出した右手の指先から漆黒の糸が北斗めがけて放たれる。断ち切るために陽炎を振るった北斗だが、今まで以上の粘着力を持つ糸の力に刃が絡め取られてしまう。
すぐさま陽炎を手放し、北斗は軽い動作で後ろに下がる。迷いのない判断に、少年は驚いたような表情を見せた。
それに僅かに顔を顰めて、北斗は自分の手の内から離れた愛刀との距離を測る。
現時点で優位に立っているのは少年側だ。下手な博打を打つよりも、ここは確実に息の根を止める方向に持って行かなければ、自分たちが即座に床にばらまかれた昇魔達と同様の結果になるだろう。
それを亜里沙も分かっているのか、周囲の動向を忙しなく探りながら最善の手を打つために僅かに北斗との距離を縮めた。
いつでもカバーに回れることを知ってか知らずか。少年は、あぁそうだ、と他人事のように壁の一部を指さした。
途端に、黒い壁のように覆い被さっていた糸の一部が、ぐにゃりと蠢動しながら横に割れて本来の壁の色を露出させ、そこ十字に貼り付けにされた探し人の姿を二人の前に表した。
ひゅっ、と、亜里沙が鋭く息を飲み込む。
白い糸にがっちりと貼り付けにされ、意識もなくぐったりと青白い顔をしている水鳥の身体が、外気に触れたためなのか僅かであるが身動ぐ。
「どうです。美しいでしょう」
まるで作品を見せつけるかのような少年の言動に、亜里沙が思わず翠刃光鞭をしならせようとする。
だが、それを押しとどめたるかのように、北斗が瞬時に亜里沙の前に腕を差し出した。
「何故!」
悲鳴のような亜里沙の声に応えることなく北斗はゆっくりと腕を下ろすと、少年に向けてつまらなそうに尋ねかけた。
「それで、どうするつもりだ?」
「おや、この人間のことはどうでもよいと?」
「ここはお前らの巣の中だ。俺達がどう動こうが、お前のいう主様とやらにとっては、痛くもかゆくもないってとこだろ」
北斗の言葉に、少年は心底がっかりしたと言いたげに首を横に振る。
「やれやれ、面白みのない」
「てめぇらの娯楽につきあうつもりはねぇよ」
吐き捨てるようそう言い放った北斗に向けて、少年は鋭く尖った指先をまっすぐに指し示す。途端に、束となった黒い糸が北斗に襲いかかった。
鋭い針のような巨大なそれをよけた北斗の足下に穿たがれた後が出来上がり、うち漏らしたと分かるやすぐさま次の攻撃を放つ。
めまぐるしく立ち位置を変える北斗の姿に、少年がケラケラと楽しそうな、それでいて嬲るような色合いの笑い声を立てる。
どうにかして北斗のフォローに入ろうとする亜里沙だが、苛烈な攻撃に隙を見いだすことが出来ず、翠刃光鞭を構えたまま北斗達の動きを眼で追いかけた。
何も出来ないことというのが、これほどまでに歯がゆいの事なのだという事実を突きつけられ、亜里沙は唇をかみしめる。だが、その内にある一つの変化を見つけ、僅かに亜里沙は眼を細めた。
そっと、翠刃光鞭の刃先を鞭上に戻したことに気が付いているのかいないのか。北斗と少年は、狭い室内で火花を散らしながら縦横無尽な動きで互いを攻撃し合う。
いつしか少年の顔にあった余裕は消え失せ、どこか苛立ちと不機嫌さとを含んだ色合いを顔面に押しだし、舌打ちせんばかりの空気で北斗に向き合っている。対して北斗と言えば、余裕をたたえた表情で少年の操る黒い刃上の糸をするりとすり抜けながら、床に転がった陽炎を拾い上げ、隙の空いた場所に的確にその刃を突き立てた。
少年にしてみれば、北斗と亜里沙は玩具同然の存在だったのだろう。遊び気分で二人を追い詰めたと思っていたのだろうが、二人の実力は少年が考えていた以上のものであり、今までの考えを改めて攻めなければ危険だと判断を変えなくてはならないものだった。
とはいえ、ここは、少年達の巣だ。その気になれば、この部屋を覆う糸でどうにでもなるという事実が少年の中で確固たる思いとして存在していた。
「いちいち目障りなんですよ、お前達は!」
そう叫んだ少年が指を一つ鳴らそうとした。
部屋中の糸を二人めがけて刺し貫くように動かそうとしたのに、指先に何かが絡まったように動かない。
驚いた少年が、己の指先に視線を向ける。
そこには、細く、けれども感づかれないようにしなやかな翠の糸が絡まりついていた。
「っ!」
愕然としたように少年が動きを止める。
北斗の背後に視線を移し、初めてそこにいる亜里沙が持つ翠刃光鞭の先が幾重にも別れているのを確認し、その先を追いかける。黒い糸に混じり合いながら、翠刃光鞭の糸は少年の身体へといつの間にか伸びて絡まりついていた。
「さてと、おいたの時間は終わりだ」
言葉と同時に、瞬時に陽炎をしまい込んだ北斗の掌に強大な力が集約されていた。
ざぁ、と、少年の顔中から血の気が引く。
「ま、待て!」
少年の叫びと、北斗から放たれた光が腹を打ち抜くのは同時だった。
ぽっかりと開いた空洞から、幾筋もの黒い糸が垂れ下がる。慌てて北斗から距離をとった少年だが、すぐに何かに気付いたように背後を見つめた。
「動くな!」
背後に貼り付けに水鳥の喉元に太い糸を張り巡らせ、少年は焦りを帯びた亜里沙の瞳を見ると、すぐさまその糸の締め付けを強くする。
ぐっ、と、水鳥の唇から呻き声が上がり、瞬間、亜里沙が僅かにつま先を動かす。
それを眺め、喜悦の笑みを口の端に刻んだ少年が、亜里沙に向かって突進をかけたのはその直後だ。
「亜里沙!」
落ち着いた北斗の声音に、亜里沙の意識がすぐさま目の前の少年に戻され、小さく舌を打ち付けながらも何事かを呟き、少年の着地点となる場所に視線を固定させた。
その行動に疑問を浮かべた少年だが、すぐにその答えに気が付く。
床の上に現れた青白い燐光が、何かを描いている。
それがなんなのか分かった瞬間、青白い光は爆発するように少年にまとわりついた。
「がっ!」
『退魔陣』。それが光の正体だ。
昇魔達の力を著しく弱める効果を持つそれは、刹那にして少年の魔力を消費したのだろう。苦しそうに喉元を押さえて床の上で転げ回る姿に、亜里沙はほっとしたようにと息をついた。
ここまでの短い時間でどれだけの魔力を削れるかは分からなかったが、なんとか少年の動きを止めることは出来たようだ。北斗にちらりと目線を向けるが、彼は黙ったまま床の上の少年を見つめていた。
異臭と異音を立てる少年の身体を眺めている北斗が、ゆっくりと陽炎の切っ先を少年に向けながら歩き出す。
ちきり、とした鈍い音に反応し、少年は顔を上げて二人を見つめる。
考えていた以上の力量を持つ二人に、少年はまるで許しを請うような瞳を向けるが、それを切って捨てるように北斗は少年の傍らに佇んだ。
「鬼ごっこは仕舞いだ」
「ヨ……せ……オで……を、こロせ……バ」
「少なくとも、お前が危惧していることにはならねぇよ」
見透かしたかのような北斗の言葉に、少年の顔が驚愕に引きつる。それを冷ややかに眺めながら、北斗は無造作に陽炎を横に振り払った。
大きく目を見開き、断末魔の声すら上げることも出来ずに少年の首と胴とが離れる。その様に一瞬眉を潜めた亜里沙だが、慌てたように周囲を見回した。
周囲を覆っていた黒い糸がパラパラとほぐれ、床の上へと氷のように溶けてあたりに広がっていく。
漆黒に覆われていたはずの空間に光が差したのは、その直後だ。
室内の中心に巨大な純白の塊が出現する。形状は繭玉のようではあるが、歪な横に長い球状のそれは、人一人が十分に入る大きさのものだ。
水鳥の身体を縛る糸は、そこから緩やかな流れのように伸びている。
慌てて翠刃光鞭でその糸を断ち切り、亜里沙は水鳥の身体が解放されると、安堵したように水鳥に走り出そうとした。
だが、すぐにそれは阻まれる結果となった。
大きな揺れが時計塔を全体を襲う。立っていることすらままならぬほどをその揺れに、思わず北斗も亜里沙も床に膝をついた。
何とか立ち上がろうとする亜里沙を制し、この事態をすでに予測していたらしい北斗は、驚きの色もなくただ黙ったまま真剣な表情で繭玉を睨み据えていた。
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