異常と生活している私の方が『異常』かもしれない。

ヨロ航

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ー『異常』の初日ー

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「めんどくさい……」

今日も今日とて、起き上がるだけで体力を使う。
でも起きないと会社に遅刻して、業績と印象が死ぬ。……だから起きます。

……意を決して、上半身を起こします。



『…………………………………………………』



(…………は?)

部屋の隅。目の向こう側に、黒いローブを纏った“何か”が立っています。

誰ですか。痴漢ですか。不法侵入ですか。ていうか、動かないんですけど。

目が離せない。なのに足だけは勝手に動いて、私は玄関へ後ずさる。


そしてドアに触れた瞬間――

ダッシュ!!!

寝巻き・髪ボサボサのまま近くのコンビニに駆け込み、事情を説明して警察を呼んでもらった。スマホ? 部屋です。最悪。

十分後、警察官が二人来た。私は部屋の前で待機。

数分後、戻ってきた二人が言う。

「異常ありません」


……おい、マジですか。


「入った形跡も出て行って形跡も見当たりませんでした。念の為、他の場所も調べましたが、特には…」

…いなくなった…少し気分はホッとしました。

警官お二方は「もしもまだ不安があるようなら定時巡回もできますが…」

……このあたりで妥協しておかないと「私が変な奴」と思われそうなんで「分かりました。よろしくお願いします。」と伝えて警官2名は帰りました。



「………」
部屋の前で立ちすくみます。はぁ…中入ろ…
まあ居ないならとりあえずはーーー





朝と同じ場所。同じ位置。同じ格好。
『………………………………』

部屋の隅に当たり前のように。


「……めっちゃいるじゃねえですか…」


いる。ただいる。当たり前のように。
まるで【当然】のように。



「……な、何なんですか?…ここには何もありませんよ?…お、お金だって…いえホント…マジで…」



『…………………………』
一切微動だにしない。


い  っ  さ  い  微  動  だ  に  し  な  い


声も発さない。


あれ?これ…
人間じゃなくない?


「……あの…ひょっとして幽霊的な方ですか?」
私は確認します。
でもこの人(?)の反応は変わりません。


『………………』
無言・無造作・無表情
……無視です。
(殴ってみようかな?)

てか頭にローブを被っているので表情は分かりません。

でも何故でしょう。「敵意」とか「殺意」的なものは感じないように思います。朝はびっくりしましたが
あまり「恐怖感」がないのです。不思議です。

「………………………」

『………………………』

まーじで微動だにしません。

このままでは埒が明かないので私から提案します。

「...ここ...私の部屋なんで...(家賃が安いから)住んでても良いですよね?」

『………………………………』

無言・無造作・無表情
また無視です。
(塩ぶっかけてみようかな。)

私は勝手に
「ど、同意したと受け取りますからね!」

ここから私達2人の奇妙な生活が始まりました。
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