異常と生活している私の方が『異常』かもしれない。

ヨロ航

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ーー『異常』からの1ヶ月目ーー

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おはようございます。もう自己紹介は不要でしょう。

早速、平日の朝から非常事態が発生です。

いません。

あの黒衣の『人外』が。

あのいつも堂々と部屋の隅にいる方が。

スミスさんがいません。



「…かくれんぼ?」

私は探しました。クローゼット。ベッドの下。
浴室。トイレ。
でもいません。

いつもスミスさんが立っている場所。
何もありません。
そこには何の『痕跡』もないんです。

「………………………………」
これは私ですよ。

「………………会社。」

よく分かりません。
何で今日朝起きたらいないのか。
昨日は普通だったのに。
いつも通り会社から帰宅したら綺麗になったグラスがテーブルに置いてあったのに。

「遅刻しちゃう」

私は会社に向かいます。自分でもビックリするくらい冷静に。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

会社から帰宅

今日は良い意味でも悪い意味でも、会社では『いつも通り』の私でした。
理由は当たり前ですが、『スミスさん』です。


今はもう居ません。
帰宅したらいつも通りに無愛想で、無反応で、無言で、でも『存在感』はある存在が…


なんだか…今までの…この1ヶ月間が夢みたい。


「……っ」
やだ、なんか寂しい。

一言くらい「さよなら」って言ってくれても良いじゃないですか。
あ、喋んないだった。
せめて一筆でも、何か合図でも…

気が付くと『スミスさんが居た』横のスペースで体育座りでうずくまっていました。

バカ……散々人に干渉しておいて…

せっかく…せっかく…慣れ始めてたのに…

「もう…これだから人は」
信用できない。


「………」
あ、ヤバい、泣きそう。
泣かなくても良いはずなのに。
この現状が普通なのに。
普通が一番なのに。

「……ん…」
あー……やっぱ私って…男運悪いなぁ…



すると




『…………………………………………………』




居る。
朝にはいなかったくせに。



『…………………………………………………』



私が帰った時もいなかったくせに。
『当然』のように居る。


「……何ですか…こっち向いて…気持ち悪い。」


スミスさんが立った状態でこちらを見下ろしている。
そんなに凝視するなら手の1つでも差しやがれってもんですよ。

『……………………………………………………』

カラン

何か落としました。

『白い短剣』です。
「Amuletum」と刻まれています。
だから読めねえんだっつーの。

スミスさんの腕が動きます。またどうせ洗面所でも指さして「洗え」って言うんでしょ。



…………………違ったみたいです。
私を指さしてます。
あー…あれですか?「次はお前だ」的な?

指さして動きません。
こえーよやっぱ。

「スミスさん…ジャスチャーだけだと限界がですね」

すると

床に落ちていた『短剣』が私の膝元にポトッと落とされました。よく見ると鞘(?)みたいなのがついています。

「……えっと…」
少しだけ混乱しました。

「…これ…くれるんですか?」

『………………………………………………』
スミスさんは手を戻し、再び『いつも通り』前を見据えています。

「…スミスさん…」
なんだが複雑な気持ちです。

ですが
誰かから物をもらったのは久しぶりです。
なので一応確認します。




「これ…持ってたら…寿命減るとか…ないですよね?」

『……………………………………………』
無論ー反応なしー

まったく…

本当によく分からない

けれど

スミスさんは今日もいつも通り勝手です。




あ、忘れてた

「スミスさん、次居なくなる時は『剣』刺しておいてください。」
思い切って提案。

『……………………………』

無(以下略


「心配するんです。」
正直に。
素直に。
伝えます。

『……………………………』
スミスさんのローブの下から『大量の短剣』が落とされました…

「うわ、多…」

……………
まあでもこれだけあれば1個くらい大丈夫でしょう。

さて…

飲みますか。

私はグラスを2つ用意します。



とりあえず一日お疲れ様です。
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