異常と生活している私の方が『異常』かもしれない。

ヨロ航

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ーー『異常』からの9ヶ月目ーー

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ーー『異常』からの9ヶ月目ーー

どうもお久しぶりです。響です。
なんと今月、私と恋人の春夏が

同棲することが決まりましたー!

『……………………………………………』

でしょうね。最初から期待していません。

既に物件は決まっているので、引越しの準備やいらない物の整理をしなくては。
しかし部屋は広くはなるので、今日はこれから春夏とふたり用の家具を見てきます。

「スミスさん、いってきます。」

……『対等な主従関係』か…

――――――――――――――――――――

春夏とは街中の噴水広場で待ち合わせです。

あ、、

「……………」
待ってる春夏。私にはまだ気付いていない。

ふむ…

笑ってはいないけど穏やかな表情。
私をキョロキョロ探してる。
そうですよね。私は基本10分前には着くようにしてますから。

ふむ…ふむ…

なんか、た ま ら ん な。

「……💡ピコン」

あ、見つかった。

「もうー来てるから声かけてよー」
本気の愚痴ではありません。多分、観察されてた事に照れてます。

「私を探してくれてる春夏、という良きものが見れました。感謝。」

「……今度は私が響の寝言、録音して聴かせてやる。」

なぜ?寝言?

……ん?

何やら聞いた事がある声が近くに。

「しつけえなぁ。あと10回同じこと言ったらぶっ飛ばすぞ。」

「意外と猶予ありますね。」
小さな女の子がツッコんでますね。

「煙草ダメ煙草ダメ煙草ダメ煙草ダメ煙草ダメ」

「舐めてんのかぁ?ああ?」

なんと…これは……私は夢でも見てるんでしょうか…

あの男の方は『霊さん』。最初は印象最悪でしたが、今はなんだかんだで『スミスさん関連』でぼちぼち交流があります。

いや!しかし!そんなことより!
あの霊さんが「女性」といる!しかも小柄で可愛い!これ異常ですよ!

「あ~、あの2人ねー」
春夏が何やら知ってる様子です。

「隣にいる子、私の店舗のスタッフなの。」

なるほど。

「で、かくかくしかじか。」

なんと!そんな面白そうな…失礼。そんな大変な事があったんですね。

「なんかね。それからなの。あの菜月ちゃんが霊さんと自分から関わろうとするようになったのは。」

なるほど。罪な男(?)ですね。

「霊さーん!菜月ちゃーん!」

え!?

「げ!?」
あ、霊さんと被った。

「あ、春夏さん。こんにちわ。」
大人しそうな声です。

「こんちゃあ。なになに?今日はデート?」
春夏、直球!

「はい。」
即答!

「違ぇだろ!お前が頼み事あるって連絡すっから!」
反撃!…に全くなってない!

「連絡??」
おっと、春夏ここは聞き逃しません。

「はい。あの日送ってもらった後に連絡先を交換しまして。」

え!私も春夏も知らないのに!?

「てんめえ!余計なこと言ってんじゃねえ!」

いやアンタが自爆したんじゃん。

「いや霊さん勝手に自爆しただけじゃん。」
あ、春夏と被った。

「だァァ!うるせぇ!頼み事っつーから何かと思えば遊びましょうだぁ?こちとら暇じゃねえんだよ!」

え?帰んの?マジですか?女の子置いて?

「えー?霊さん、それは酷くなーい?」
春夏が咎めます。しかし

「……あのなぁ?こちとら『石の精製』ほっぽって来てんだよぉ。石は多ければ多い程良いんだ。」

あ、そっか…霊さんはいざって時のために。

「待ってください。霊さん。」
菜月さん?でしたっけ。彼女が呼び止めます。

「待たねえよ。」
歩き始める霊さん。

「実はちゃんと理由があるんです。」

ピタ   あ、止めた。

「…ほう?どんな理由だぁ」

「……私…『0か100』しかないから…」

「……」

黙って聞く霊さん。この人黙れるんですね。

「だから…そんな極端な生き方じゃなくて、ちゃんと人と向き合って行きたいんです。やろうとしてる時点で「勝ち」なんですよね?私の「戦ってる姿」を見てほしいんです。」

……なんか話が急に重く…いやでも分かるような分からんような…

「…なるほど。悪くねえ。」

え!?

「いいぜ。そこまでの覚悟があって見届けほしいなら見届けてやらぁ。」

いいの!?

「あ、でも見届けてるだけじゃダメですよ?私がジュースを頼む時とか、店員さんにご飯を頼む時とか、霊さんもきちんと同じように行動しないと。」

え、ちゃっかり誘導?

「なるほどなぁ確かに。お前と同じ『立ち位置』になることで見られる点もあるってことか。上等だぜ。」

ええ!?

「……そうですよ。だから歩く時もちゃんとー」

「横並び、すりゃいいんだろ?やるなら徹底的ってなぁ。」

「You a Win」
春夏が小さく菜月ちゃんの勝利宣言。

菜月さん、恐ろしい子です!

「あ。」ピコン💡
春夏が何か閃きました。

「ねえねえ私達ね?同棲するから家具とか見るついでにブラブラしようって思ってたんだー。良かったらタブルデ……2人にも色々見ながらアドバイス欲しいんだけどー…」

春夏が菜月さんの顔を見合わせています。
菜月さん「フンス」って感じで小さく頷きました。

おおー……さすが私の嫁…

「いやそりゃワリーだろ。」

なんなんこの人ぉ!常識人ですか!?

「俺らはコイツの訓練みたいなもんだぜぇ?逆に邪魔だろうが。貴重な2人の時間に割って入る程、野暮じゃねえよ。」

うん、気遣いをドブに捨てる野暮なことしやがりました。

しかし春夏が即座に反応します。
「…チッチッチ。分かってないねえ。霊ちゃん」

霊ちゃん!?

「ああ?なんでだぁ?春夏ちゃんよぉ」

『霊ちゃん』呼びをスルーだとぅ?
こ、この2人いつの間に距離感を…ウウ

「まさにこれは菜月ちゃんのための集団行動!ここにはまず響がいます!そして私と霊さん!このアンバランスさが、日常を生き抜くためのコミュニケーションツールとして機能するんだよ!」

「!?」
なにそのリアクション‥

「俺様としたことが‥盲点だった。一杯喰わされたぜぇ‥」

何杯でも喰わされてください。

「よっし!決まり!じゃあしゅっぱーつ!」

わー‥

「あ、あの‥」
菜月さん?急にかしこまってます。、

「んだぁ?さっさと行くぜぇ」

「い、いや!ですからぁ!」

「??」


春夏も少し心配してます。
菜月さん心細くなったんでしょうか?

「あの…春夏さんの恋人って『女性』の方だったんですね…」

……

……

そこから(かよ)!?

最初で最後の被りでしょう。
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