休息

Nick Robertson

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喧騒が大きくなって来たので、なんだなんだと出ていってみると、大きな馬が人を踏み潰しながらこっちに向かって来ているのだった
早く荷物をまとめて逃げなさい
消防隊員の人は言う
馬はあんまり勢いの強い水は嫌いだから、消防車が威張って突撃していくと、わずかにひるむ
みんなは逃げる
モネの絵画とか、そういうのを持って逃げる
カバンは真っ黒
あいつ、あんな所に現金を隠してやがったんだな
そんな強盗の声も聞こえる
馬が鳴いた
ビルが壊れた
警察はパトカーを使って我先にと逃げ出す
自衛隊員はミサイルを放って馬を攻撃する
馬はそのミサイルを飲み込んでミサイル馬になった
ミサイル馬が飛んでくる
ズドーン
地面にミサイル馬が突き刺さる
ミサイル馬の大きな跡ができた
煙が収まると、またミサイル馬が地面に突っ込む
今度は私のすぐ横だった
家がなくなる吹き飛ばされる
でも、ミサイル馬は私のことなんか御構い無しで頭上たかくん飛んでどこかにいってしまった
パラパラパラパラとヘリの音
そのヘリコプターの扉は開いていて、そこからテレビ局のアナウンサーが体を半分出しながら大声で実況している
ミサイル馬です!ミサイル馬はいませ飛んでいます!
それで、私が立っているのを知ると、ヘリコプターは近づいて来た
話を聞いても良いですか?
降り立ってすぐ、アナウンサーは私にそんなことを聞いた
でも、生放送でこの問答を映されているんだから、拒否できるわけないじゃないか
地元番組も必死なんだな
私は、良いですよ、と答えた
アナウンサーは心底ホッとしたような顔をして、私の首は守られました、と言う
私は、それは良かった、と言った
ところで、とアナウンサーは前置きする
私は、何でしょう、と応える
ミサイル馬はどんな感じでしたか
アナウンサーはマイクを私の口の前に突き出す
私は笑いながら、
何って、あなたさっきからずっと見てるじゃありませんか、と言う
でも、私は上から、空の上から見ただけなのです、実際に下から見るとどうでしたか
アナウンサーは冷や汗をぼたぼた垂らしながら言う
私は少し考えて、馬でした、と答えた
するとアナウンサーは、そうですか、馬ですか、そりゃあ良いことを聞いた、と言って喜ぶ
馬ミサイルは山に突っ込んで炎上した
馬はいななき、海を時化にした
アナウンサーは私にまだ何か聞きたそうにしていたが、饅頭をあげると喜んで食べた
私は歯磨きをしなければいけないことを思い出してアナウンサーにそう言う
アナウンサーは、でも、ミサイル馬のことについてもっと、などと言っている
だから、饅頭をもう一個追加すると、大人しくなった
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