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「ここは幽霊が出るんだ」
と、ツトムは言った。
私も真剣にそれを聞いた。
「僕はね、実際に見た事はない。それにね、本当の所を言うと、幽霊なんかじゃなくて、ただなんかゾッとするっていうだけらしいんだ。何故かは知んないんだけど」
私はもう一度刻々とうなづいた。
分かる、分かるよ、私。
大きく車が揺れて、私は前のめりになった。
「うわ、危ない!ちょっと母さん!」
「シートベルトしてないあんたが悪いのよ。私のせいにしないでよね」
母さんは前を向いたまま少し怒ったように言う。
今日からいとこの家に泊まる。
毎年のことだが、ワクワクする。
三日、三日だ。
そのうちに、思い出の作成機になろう。
私はまた揺れた車に悪態をつきながら到着するのを待った。
「いらっしゃい」
叔母さんが出迎えてくれた。
私は挨拶もそこそこに家に駆け込む。
「ツトムー!来ーたよー!」
と、ツトムは言った。
私も真剣にそれを聞いた。
「僕はね、実際に見た事はない。それにね、本当の所を言うと、幽霊なんかじゃなくて、ただなんかゾッとするっていうだけらしいんだ。何故かは知んないんだけど」
私はもう一度刻々とうなづいた。
分かる、分かるよ、私。
大きく車が揺れて、私は前のめりになった。
「うわ、危ない!ちょっと母さん!」
「シートベルトしてないあんたが悪いのよ。私のせいにしないでよね」
母さんは前を向いたまま少し怒ったように言う。
今日からいとこの家に泊まる。
毎年のことだが、ワクワクする。
三日、三日だ。
そのうちに、思い出の作成機になろう。
私はまた揺れた車に悪態をつきながら到着するのを待った。
「いらっしゃい」
叔母さんが出迎えてくれた。
私は挨拶もそこそこに家に駆け込む。
「ツトムー!来ーたよー!」
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