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おばあさんは感心した後すり鉢に棒を持ってきた。
おじいさんはずっとそれ(俺の吐いたもの)に見とれてしまっていたが、おばあさんが近づいてきたので急いで桃をまな板に乗せて切った。

うまいものだ、と俺は思ってしまう。
まな板を傷つけることなくザックリ切っていくおじいさんは、やっぱりタダモノじゃないのだ。
まあまな板の上で刀を使うこと自体どうかと思うが。
おばあさんはそれをゴリゴリこすって液状にした。
それを俺に飲まそうとする。

私は目をつぶってそれを飲んだ。
俺の吐いたものが入ってるんだぞ…

びっくりした。
おいしいじゃないか。
うわー、甘い。
これは、あれかな?俺のご飯用の桃だったのかな?
だって俺の入れ物なんて段ボール箱でも良かったのだ。いや、刀をおじいさんが平然と使っているところからして段ボールはあり得ないのか。
まずどうしてこんな所へ来たんだろう。

そんな事を考えるのは無駄なんじゃないかと思った。分かりっこないもの。
俺は残りの汁をすすった。
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