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俺は本当に桃だけを飲まされた。
おかしいことに、飽きないものだ。
すっきりした味で、何度でも飲める。
体調はというと、良好だ。
おじいさんは勇んでしまって、おばあさんが止めるのも聞かないで、権兵衛という人のところへ駆けて行った。
権兵衛とおじいさんはすぐ戻ってきた。
権兵衛は俺を観察する。
「いやはや、こんな事があるもんかい?わしは茄子の色を濃くしようと努めたり、かぼちゃを甘くしようとはしているがね、桃をそんな、大きくしようなんて考えたこともないよ。こりゃあ、わしのせいでねえな。神様のお恵みと思えばええんとちゃうか?」
そうですよ、とおばあさんも相づちを打つ。
おじいさんは腕組みをしたまま唸っている。
俺はそのうーんうーんという声が面白くてつい笑ってしまった。
みんなの顔がさあっと明るくなる。
権兵衛は俺を「高いたかーい」と持ち上げた後帰っていった。
おじいさんとおばあさんは興奮して耳まで赤くなっている。
俺、可愛がられてんだなあ。
おかしいことに、飽きないものだ。
すっきりした味で、何度でも飲める。
体調はというと、良好だ。
おじいさんは勇んでしまって、おばあさんが止めるのも聞かないで、権兵衛という人のところへ駆けて行った。
権兵衛とおじいさんはすぐ戻ってきた。
権兵衛は俺を観察する。
「いやはや、こんな事があるもんかい?わしは茄子の色を濃くしようと努めたり、かぼちゃを甘くしようとはしているがね、桃をそんな、大きくしようなんて考えたこともないよ。こりゃあ、わしのせいでねえな。神様のお恵みと思えばええんとちゃうか?」
そうですよ、とおばあさんも相づちを打つ。
おじいさんは腕組みをしたまま唸っている。
俺はそのうーんうーんという声が面白くてつい笑ってしまった。
みんなの顔がさあっと明るくなる。
権兵衛は俺を「高いたかーい」と持ち上げた後帰っていった。
おじいさんとおばあさんは興奮して耳まで赤くなっている。
俺、可愛がられてんだなあ。
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