17 / 45
第1章
勇者、敗れる。
しおりを挟む
俺の父さんは、すっごく格好いい!!
村の自警団の隊長だ。
まあ、小さな村だから、周辺を見回ったり、村に来る行商のおじさんに頼まれて護衛して近隣を回ったりするくらいだけど。
父さんと母さんは王都で出会って、駆け落ち結婚した。
母さんが孤児で父さんは代々騎士の家の長男だったから、反対されたそうだ。
家督は父さんの弟が継いだ。
俺が生まれた頃には許してくれてて、じいちゃんとばあちゃんに、赤ちゃんの頃会ったことがある(みたいだ)。
「母さん、父さんまだかな?」
「そうね、カルムさんも一緒みたいよ」
「叔父さんも!?やった!!馬に乗せてくれるかな?」
「御迷惑かけないようにね」
「うん!!」
父さんの弟のカルム叔父さんは王都の騎士様だ。
強いけど穏やかで優しい人で、家督も継いで忙しいのにたまに様子を見に来てくれる。
王都からは乗合馬車では10日かかるけど、単騎だと休憩も短いので4、5日で着く。
カルムさんの馬は真っ黒で男前なやつだ。
名前はヌワール。
ちょっと気難しいけど、俺を嫌がらずに乗せてくれる。
「母さん、俺、迎えに行ってくる!!」
母さんの返事を待たずに家の外に飛び出すと、父さんとカルム叔父さんが並んで歩いて来るのが見えた。
もちろん、ヌワールもいる。
「父さん!!カルム叔父さん!!」
呼びかけると、二人が手を振ってくれる。
嬉しくなって駆け寄ると、ヌワールが鼻頭を押し付けてきた。
「ヌワール!!元気だった!?
こんにちは、カルム叔父さん!!」
ヌワールを撫なでながら、カルム叔父さんの方を見て挨拶する。
「父さん、お帰りなさい!!」
父さんは強いけど、やっぱり無事な姿を見ると安心する。
「ウィル、大きくなったね」
「ただいま、ウィル。母さんの言うことちゃんと聞いてたか?また、リクみたいに生き物を拾ってないだろうな?」
チビはもう出て行ったし、問題ないよね?
「う、うん」
父さんが不審そうな目を向けてくる。
「危ないこともしてないな?」
してないよ!!チビは危ない魔物じゃなかったし、迷いの森も危険はなかったよ。
安心して父さん!!
と、心の中で言っておく。
口には出さない。俺は空気を読む男だ。
近所のフィーユ姉ちゃんもモテる男は空気を読まないとダメだって言ってたし。
「あなた、お帰りなさい。
カルムさん、いらっしゃいませ。お疲れでしょう、中にお入りください」
さすが母さん、いいところに!!
救世主だ!!
「ウィル、あなたの話は後でゆっくり聞くわね」
母さんがにっこりとこちらを振り返って言った。
お~
魔王(父さん)より強い大魔王(母さん)を救いだと思うなんて、不覚・・・。
フィーユ姉ちゃん、俺まだまだ出来るモテ男にはなれないみたいだ。
「ハハ、男の子は元気が一番だからね。兄さんも俺もウィルくらいの頃はいろいろ悪戯したもんだよ。なあ、兄さん」
勇者カルム様!!
「そうだな、ウィルなんて可愛いもんだぞ!!ハハハハ・・・あ~いや、まあ、なんだ。カルム座って寛いでくれ」
母さんの睨みに父さんが屈した。
頼りは勇者様のみ!!
頑張って、カルム叔父さん!!
どうしてさり気なく目を反らすの!?
お茶が美味い、じゃないよ!!
勇者は呆気なく大魔王に敗れ去った。
俺の命運も尽きたようだ。
ガクリ。
村の自警団の隊長だ。
まあ、小さな村だから、周辺を見回ったり、村に来る行商のおじさんに頼まれて護衛して近隣を回ったりするくらいだけど。
父さんと母さんは王都で出会って、駆け落ち結婚した。
母さんが孤児で父さんは代々騎士の家の長男だったから、反対されたそうだ。
家督は父さんの弟が継いだ。
俺が生まれた頃には許してくれてて、じいちゃんとばあちゃんに、赤ちゃんの頃会ったことがある(みたいだ)。
「母さん、父さんまだかな?」
「そうね、カルムさんも一緒みたいよ」
「叔父さんも!?やった!!馬に乗せてくれるかな?」
「御迷惑かけないようにね」
「うん!!」
父さんの弟のカルム叔父さんは王都の騎士様だ。
強いけど穏やかで優しい人で、家督も継いで忙しいのにたまに様子を見に来てくれる。
王都からは乗合馬車では10日かかるけど、単騎だと休憩も短いので4、5日で着く。
カルムさんの馬は真っ黒で男前なやつだ。
名前はヌワール。
ちょっと気難しいけど、俺を嫌がらずに乗せてくれる。
「母さん、俺、迎えに行ってくる!!」
母さんの返事を待たずに家の外に飛び出すと、父さんとカルム叔父さんが並んで歩いて来るのが見えた。
もちろん、ヌワールもいる。
「父さん!!カルム叔父さん!!」
呼びかけると、二人が手を振ってくれる。
嬉しくなって駆け寄ると、ヌワールが鼻頭を押し付けてきた。
「ヌワール!!元気だった!?
こんにちは、カルム叔父さん!!」
ヌワールを撫なでながら、カルム叔父さんの方を見て挨拶する。
「父さん、お帰りなさい!!」
父さんは強いけど、やっぱり無事な姿を見ると安心する。
「ウィル、大きくなったね」
「ただいま、ウィル。母さんの言うことちゃんと聞いてたか?また、リクみたいに生き物を拾ってないだろうな?」
チビはもう出て行ったし、問題ないよね?
「う、うん」
父さんが不審そうな目を向けてくる。
「危ないこともしてないな?」
してないよ!!チビは危ない魔物じゃなかったし、迷いの森も危険はなかったよ。
安心して父さん!!
と、心の中で言っておく。
口には出さない。俺は空気を読む男だ。
近所のフィーユ姉ちゃんもモテる男は空気を読まないとダメだって言ってたし。
「あなた、お帰りなさい。
カルムさん、いらっしゃいませ。お疲れでしょう、中にお入りください」
さすが母さん、いいところに!!
救世主だ!!
「ウィル、あなたの話は後でゆっくり聞くわね」
母さんがにっこりとこちらを振り返って言った。
お~
魔王(父さん)より強い大魔王(母さん)を救いだと思うなんて、不覚・・・。
フィーユ姉ちゃん、俺まだまだ出来るモテ男にはなれないみたいだ。
「ハハ、男の子は元気が一番だからね。兄さんも俺もウィルくらいの頃はいろいろ悪戯したもんだよ。なあ、兄さん」
勇者カルム様!!
「そうだな、ウィルなんて可愛いもんだぞ!!ハハハハ・・・あ~いや、まあ、なんだ。カルム座って寛いでくれ」
母さんの睨みに父さんが屈した。
頼りは勇者様のみ!!
頑張って、カルム叔父さん!!
どうしてさり気なく目を反らすの!?
お茶が美味い、じゃないよ!!
勇者は呆気なく大魔王に敗れ去った。
俺の命運も尽きたようだ。
ガクリ。
1
あなたにおすすめの小説
過程をすっ飛ばすことにしました
こうやさい
ファンタジー
ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。
どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?
そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。
深く考えないでください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
ざまぁされるための努力とかしたくない
こうやさい
ファンタジー
ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。
けどなんか環境違いすぎるんだけど?
例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。
作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。
中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。
……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
転生者と忘れられた約束
悠十
恋愛
シュゼットは前世の記憶を持って生まれた転生者である。
シュゼットは前世の最後の瞬間に、幼馴染の少年と約束した。
「もし来世があるのなら、お嫁さんにしてね……」
そして、その記憶を持ってシュゼットは転生した。
しかし、約束した筈の少年には、既に恋人が居て……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる