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第0章 エターナル・オリジン
旧き戦争よ永遠なれ
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その日もまた、絶望の淵に堕ちた人間を嗤う。最高傑作だ。全てを捨てて戦う人間もいれば、夢敗れて死にゆく者たちもいる。誇りを捨てきれずに自害する者たちだっている。果てに待つのは死か夢か。ほかの選択肢は一切ない。
あぁ......見ているだけで良いんだ。いや、見ているのが良いんだ......。
人間の惨めな姿を見る時の興奮と疼きをいつまでも噛み締めていたい......!
そんな僕の思いはこの戦争が続く限り叶い続ける。これからも退屈する予定はない。
それにしても人間というのは儚い生き物だね。少しのチャンスと大きなアドバンテージさえあればそれを動力に動くこと自体はできる。だけどやがて、体は欲望についていけなくなる。そして結局、強欲に耐えかねた身体は滅びるんだ。
人間なんて、これの繰り返しだろう?だからせめて生きてるうちに、人間らしい生き方をさせてやろうと思ったのさ。
......粋な計らいに感謝します神様ってくらい崇め奉られても誰も文句言わない働きをしたと思うんだけど。どうかな?
たった数回の願いのために、最後の一人に生き残るため潰しあうさまは、いつの時代も僕を楽しませてくれる。
だけど君たちの中には争いの火種は僕にあると言うけれど、結局奪い合おうと考えたのは君たち自身じゃないかい?自業自得って言うんだぞ。そういうのは。それに、これを僕のせいにされても僕にはどうしようもない。仮に僕に責任があったとしても、僕はその責任を背負う気なんてないんだけど。
なんてったって僕には、千の顔がある。責任を逃れるのは朝飯前さ。そりゃあ少女に化けては魔術師を騙したり、自分の化身を世に誕生させるためのアーティファクトに細工して戦争の火種を作ったり、はたまたその戦争を見て楽しんでる。なんてこともあった。それは認めよう。
でも今は、ただ外から見てるだけなんだからいいじゃないか。
人間たちには僕たち神の理解を超えた感情がいくつも備わっている。ならその"感情"をフルに使ってから死んで欲しいんだ。精魂尽き果てる感じで。
なんでって?だってそっちの方が、ただ死なれるより死に際が面白いからね。
あぁでも勘違いしないでくれよ。僕は神々の魂たる存在さ。その僕が望んでいるこの戦争はすなわち、神々も本能的に望んでいた戦争さ。
君たち人間は神を信仰するだろう。困った時に助けてもらうために。その神が望んで行ったことを間違いだと、本当に言い切れるのかい?
つまり、人間が神を信じている限り、戦争が起きるのは神々の決定事項にすぎなかった。それをいつ始めようが、我々神の勝手だろう?
故に人間たちよ、僕が成すことは全て神の恵みなのだよ。
人間ごときがこの恵みに感謝して信仰するどころか、拒絶するだなんて信じられない。
──信じない。
人間ごときが僕の生み出す芸術を穢すような横暴をはたらき、冒涜することなど許されない。
──許さない。
そのはずだった。人間たちは僕ら神々の御心のままに奉仕する下等な種族のはずだった。
わざわざそんな下等種族を模倣し、演じて、今に至るまで人間の欲望が生み出す争いを観察してきた。そして戦争の火種を継ぎ足しながら醜く争わせ続けた。
でも、始まったものにはいつか終わりが来るものだろう?だから僕は、最初に戦争の火種を落とす時に、地球が滅ぶまでこの星から無くならないものを戦争の火種にして仕舞えばいいと考えた。
──それが「欲望」。
最近では世界的な戦争は無くなってしまった。でも、ある水面下ではまだ戦争が続いていた。まるで戦争することが伝統のような種族がちょうどよくいたみたい。
──それが召喚士。
でも僕は、どんな形であってもこの戦争さえ続けば、それで良かった。どんなに小さくなっても、僕が作ったものを奪い合って争ってくれるならそれでよかった。
なのにその召喚士の一人が、戦争を終わらせようとしてるせいで、どうやら見ているだけではいけなくなった。
──また、唆さなきゃ。
欲望まみれのくせに、欲望が支配する戦争を終わらせようとする召喚士を僕は哀れんだ。僕はその愚かな召喚士と遊んでやることにした。生涯をかけて僕のおもちゃになってくれる彼には感謝しているよ。
永遠に終わらないこの戦争で、人間の終わりを見るのが僕の楽しみ。だからせめて、狂気に染まり、足掻いて死んでくれ。そして永遠に終わらない戦争を見せてくれ。
期待してるよ......。疾くん。
......と言った流れなんだよ、理解できた?この0章の語り部は全部僕だったのさ。どう?疾くんの演技、上手かったでしょ?
本物の疾くんが見れるのは本編からってね。え、本編ってなんのことかって?やだなぁ、わかってるくせに。
これから巻き起こるであろう戦争の全貌さ。主催者の僕と一緒にこの永遠なるエンターテイメントを楽しもうじゃないか!
あぁ......見ているだけで良いんだ。いや、見ているのが良いんだ......。
人間の惨めな姿を見る時の興奮と疼きをいつまでも噛み締めていたい......!
そんな僕の思いはこの戦争が続く限り叶い続ける。これからも退屈する予定はない。
それにしても人間というのは儚い生き物だね。少しのチャンスと大きなアドバンテージさえあればそれを動力に動くこと自体はできる。だけどやがて、体は欲望についていけなくなる。そして結局、強欲に耐えかねた身体は滅びるんだ。
人間なんて、これの繰り返しだろう?だからせめて生きてるうちに、人間らしい生き方をさせてやろうと思ったのさ。
......粋な計らいに感謝します神様ってくらい崇め奉られても誰も文句言わない働きをしたと思うんだけど。どうかな?
たった数回の願いのために、最後の一人に生き残るため潰しあうさまは、いつの時代も僕を楽しませてくれる。
だけど君たちの中には争いの火種は僕にあると言うけれど、結局奪い合おうと考えたのは君たち自身じゃないかい?自業自得って言うんだぞ。そういうのは。それに、これを僕のせいにされても僕にはどうしようもない。仮に僕に責任があったとしても、僕はその責任を背負う気なんてないんだけど。
なんてったって僕には、千の顔がある。責任を逃れるのは朝飯前さ。そりゃあ少女に化けては魔術師を騙したり、自分の化身を世に誕生させるためのアーティファクトに細工して戦争の火種を作ったり、はたまたその戦争を見て楽しんでる。なんてこともあった。それは認めよう。
でも今は、ただ外から見てるだけなんだからいいじゃないか。
人間たちには僕たち神の理解を超えた感情がいくつも備わっている。ならその"感情"をフルに使ってから死んで欲しいんだ。精魂尽き果てる感じで。
なんでって?だってそっちの方が、ただ死なれるより死に際が面白いからね。
あぁでも勘違いしないでくれよ。僕は神々の魂たる存在さ。その僕が望んでいるこの戦争はすなわち、神々も本能的に望んでいた戦争さ。
君たち人間は神を信仰するだろう。困った時に助けてもらうために。その神が望んで行ったことを間違いだと、本当に言い切れるのかい?
つまり、人間が神を信じている限り、戦争が起きるのは神々の決定事項にすぎなかった。それをいつ始めようが、我々神の勝手だろう?
故に人間たちよ、僕が成すことは全て神の恵みなのだよ。
人間ごときがこの恵みに感謝して信仰するどころか、拒絶するだなんて信じられない。
──信じない。
人間ごときが僕の生み出す芸術を穢すような横暴をはたらき、冒涜することなど許されない。
──許さない。
そのはずだった。人間たちは僕ら神々の御心のままに奉仕する下等な種族のはずだった。
わざわざそんな下等種族を模倣し、演じて、今に至るまで人間の欲望が生み出す争いを観察してきた。そして戦争の火種を継ぎ足しながら醜く争わせ続けた。
でも、始まったものにはいつか終わりが来るものだろう?だから僕は、最初に戦争の火種を落とす時に、地球が滅ぶまでこの星から無くならないものを戦争の火種にして仕舞えばいいと考えた。
──それが「欲望」。
最近では世界的な戦争は無くなってしまった。でも、ある水面下ではまだ戦争が続いていた。まるで戦争することが伝統のような種族がちょうどよくいたみたい。
──それが召喚士。
でも僕は、どんな形であってもこの戦争さえ続けば、それで良かった。どんなに小さくなっても、僕が作ったものを奪い合って争ってくれるならそれでよかった。
なのにその召喚士の一人が、戦争を終わらせようとしてるせいで、どうやら見ているだけではいけなくなった。
──また、唆さなきゃ。
欲望まみれのくせに、欲望が支配する戦争を終わらせようとする召喚士を僕は哀れんだ。僕はその愚かな召喚士と遊んでやることにした。生涯をかけて僕のおもちゃになってくれる彼には感謝しているよ。
永遠に終わらないこの戦争で、人間の終わりを見るのが僕の楽しみ。だからせめて、狂気に染まり、足掻いて死んでくれ。そして永遠に終わらない戦争を見せてくれ。
期待してるよ......。疾くん。
......と言った流れなんだよ、理解できた?この0章の語り部は全部僕だったのさ。どう?疾くんの演技、上手かったでしょ?
本物の疾くんが見れるのは本編からってね。え、本編ってなんのことかって?やだなぁ、わかってるくせに。
これから巻き起こるであろう戦争の全貌さ。主催者の僕と一緒にこの永遠なるエンターテイメントを楽しもうじゃないか!
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