転生先がハードモードで笑ってます。

夏里黒絵

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ハードモードすぎて辛い。

よし。俺は引きこもる。

「大体のことは、把握した、」

まだ頭が混乱しているが大体状況を飲み込めた気がする。
それにしても貴族社会ってのは面倒くさそうだし、俺は家族と上手くやってけてない。前世は取り柄がなかったが、さらに地に落ち無能なカスになった訳だ。

「カスはカスらしく、引きニー生活…」

俺の精神はもうボロボロだった。外に出る気力も人と会う気力も無い。と言うかこんな醜態を晒すなんて死んだ方がマシだ。いわゆる鬱状態なのかもしれない。
今までよくリンシャが部屋の外に出れていたなと思った。

「幸いな事にトイレと風呂は部屋に完備、食事は使用人に持ってきてもらおう…流石に公爵家の息子だし、食事くらいは運ぶはず、外に行かなければあのクソ義母にも合わなくて済むだろうし。」

そんなことを考えているとドアがノックされる。今までの使用人に向けられてきた視線を思い出しビクッとする。

「カーナです。失礼します。」

カーナと名乗る使用人の女はドアを開けた。

「リンシャ様!?お目覚めに!?心配しましたよ!!」

どうやらまる二日目を開けない俺を心配していたようだった。

「…心配してた?」

信じられなかった。リンシャは今まで使用人に酷く当り、そんな彼に表向きは普通に接していたが裏では陰口が耐えなかった。リンシャの耳にも入っていてもっと精神が不安になっていた記憶がある。

「リンシャ様!?機嫌がよろしいのですが、?私の言葉に耳を傾けて下さるなんて!」

俺が心配されていた事に驚いていると同様に、このメイドも俺が返事をした事に驚いている様子だった。無理も無いかもしれない。いつもなら出ていけなど怒鳴り散らかしているだろうから。

「……もうこの部屋から出たくない、人にも会いたくない、」

口が勝手に動いていた。唐突な引きニー宣言。
このメイドなら自分の話を聞いてくれる気がした。
料理くらいなら運んでくれる気がした。上手く言葉が出ずカタコトだったが伝わっただろうか。
そんな心配をしているとメイドはその場で泣き崩れた。

「すみませんリンシャ様、私の力が及ばないばかりに、リンシャ様は何も悪くないのに、色々我慢されて、大丈夫です、これからはリンシャ様が人に会わなくても大丈夫なよう、このカーナ、全力をつくさせていただきます。」

「わ、わかったから、もう泣くの、やめてよ。」

「し、失礼しました。」


カーナは自分が生まれた時からの世話係だったという。
メアリーが来てから使用人が変わり自分は残れたものの俺との接触が難しく、接触できるようになった時には俺が手に負えない状況だったそうだ。

「そうですね、あまりこの部屋に出入りするとメアリー様になにか言われてしまうかもしれません。何か欲しいものがあったら朝食、昼食、夜食を運ぶ時にお申し付けください。」

と言う話でまとまった。普通なら転生したら前世の知識など活用して強くなって、とかするのだろうが今の俺にそんな気力はどこにも無い。
無能でデブな引きニート公爵息子の出来上がりという訳だ。
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