転生先がハードモードで笑ってます。

夏里黒絵

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ハードモードすぎて辛い。

奇天烈兄さん

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「そういえば、今回のことを心配し、リンシャ様にお会いしたいと言う方がいますがお会いしますか?ちなみに私はオススメしませんね。」

「え、誰。」

俺引きこもってたから、心配してくれる友達なんて居ない気がするが。

「ジオルド様です。」

まさかの兄。
でもなぜだろうか。
ジオルドは引きこもっていた俺に、6年間何も言ってこなかったし、引きこもる前もジオルドは学園に行っていてあまり会話をする機会がなかった。
そう考えると兄とあまり交流がない。

「……え、何、怖い、怪しいんだけど。」

「怖いとはなんですか!我が愛しの弟よ!って……リンシャ、随分と…見違えったね☆」

ダンっ、と大きな音がしたかと思えば、主役の登場だと言わんばかりの扉の開方で兄が登場。
なんだコイツ。語尾に☆がついている時点で危険な香りがする。
全然関わってなかったから知らなかったが、登場3秒の時点でめちゃくちゃキャラが濃いのは分かった。
てかノックくらいして欲しいものだ。
しかもカーナサラッと逃げたし。
変人と2人…

「ちょっと!今失礼なこと考えてるね!?」

なにか喚いている。
でも、ここで痛感するんだ。この世界みんな顔がいいのである。
こんな、いかにも頭悪そうな奴でも顔がいいのだ。流石ジスの子供と言ったところ。いやまぁ、俺もジスの子だが、うん。世の中例外もある。

「頭悪そうは失礼だな!まぁ、イケメンは、フフッ照れちゃうな。それにしてもリンシャ、自己肯定感の欠片も無いね。」

何この人、色々突っ込みたいけど俺の心読んでるみたいですげーきもい。
てか前からこんな性格だったか、?

「さすがに、父の前でこの調子のおしゃべりするのは、気が引けるからね。」

まぁそうか。貴族だしな。家族と言えど親にフランクに接するのは難しいよな。
ってかまたサラッと!

「安心して?私の契約している悪魔は精神魔法専門じゃないからね、その人の隠したい事や個人情報など、読まれて欲しくないものは流石に読み取れません。」

へ~、精神魔法じゃない悪魔も居るのか。
……って、違うだろ注目するとこ!
ジオルドが悪魔と契約?
って言うとこだろ!

「ゲフン…兄さん、悪魔と契約しているんですか?」

「プププッ、リンシャ、もう手遅れだからッwww口調楽なので喋ってw大丈夫だよwww」

「ッ!!!うっせーな!引きこもりのクソ弟に、舐めた口効かれてたら兄としての面が立たねぇと思って、気を利かせてやったんだよ!」

「わかったwわかったから気を落ち着かせてwくれwww」

と、ひたすらツボる兄。もうどうとにでもなれ。貴族とか知らねーから。

「それにしても、リンシャその見た目で自分の事、オレって呼ぶんだね。性格も普通の男の子って感じで、少し意外だ。」

「悪かったな、ブサメンで。それに俺は、別に金でハーレム作ったりするほど落ちぶれてる訳じゃないんでな。」

「いや、そうゆうわけじゃないんだけどな?リンシャはめちゃくちゃ可愛いから、今すぐ連れ回して、俺の弟ですって、叫びながら王都を回りたいくらいだ。」

絶対にやめていただきたい。
このイケメンと並んで兄弟と叫ばれたら、惨めな気持ちになるのは俺の方だ。
と言うか、話をめちゃくちゃそらされたが俺は悪魔の話を聞かねばならん!

「えー、どうしようかな。可愛いくおねだりしてみてくれたら、教えてあげようかな?一応この話、国家機密だしね。いやまぁ、悪魔と契約してるって秘密言っちゃった時点で、もう手遅れかなぁwま、そゆことだから、可愛いくおねだり。ね!」

本当になんなんだこいつは。
俺が可愛くねだるなんて誰得なんだ。
と言うか、国家機密?は?国家機密?
こんなおちゃらけが国家機密を握っているとは……
でも、これからの為にも知っておかないといけない気がする…

「ほんとにやるからな?気持ち悪いとか言って吐いたら、ただじゃ済ませないからな。」

「別の意味で倒れちゃうかもな…」

ジオルドが何か呟いた気がするが知らん!えぇい!どうとでもなりやがれ!
俺は、ジオルドの服を両手で掴み、背の高いジオルドを見上げ、上目遣いをしてみる。
くらえ!俺が前世で妹にされて逃れた試しがないこの必殺技を!

「お、お兄ぃの秘密、リンシャも知りたいなぁ?2人で秘密を分け合えたら、リンシャとお兄ぃの距離、もっと近くなるでしょ?リンシャはお兄ぃともっと仲良くなりたい…にゃ、にゃん。」

吐いたら許さないって言ったが、前言撤回。俺が吐きそうだ。何を言おう、あの白豚野郎がこんなセリフを…考えただけで悪寒がするぞ。しかもオマケに上目遣いなど、特殊な訓練を受けていても厳しいぞ。
そんな事を考えながら恐る恐るジオルドを見る。

「ッ!?、かわいぃ…」

何かをボソボソ呟きながら放心状態の様だった。なんか、申し訳ない。鼻血まで出ている。正気が戻ったら謝ろうと思った。
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