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ハードモードすぎて辛い。
懐かしいぞこの味
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「ふふ~ん。綺麗でしょ?」
得意気な顔をしたリュンイの後ろには湖が広がっていた。
「学園の近くに森があるのは知っていたけれど、まさかその森の中に湖まであったなんて……」
久しぶりに触れた自然に圧倒される。
こちらに来てからはずっと引きこもっていたから、前世以来の自然な気がする。
「綺麗でしょ!ここ実技試験に使われる事もあるんだけど、普段はあんまり人来ないんだ~。さ!リンシャ君!こっち座って!一緒に食べよ!」
リュンイは木陰に敷物を敷いて座っていた。
さっきから思っていたのだが、この子人との距離を縮めるのがすごく上手い。
そんな事を考えながらリュンイの横に腰を下ろす。
「はい!サンドイッチ!あ、貴族のしきたりとかで庶民の物は口にしないみたいなのがあったりする?大丈夫?」
「いや、有難くいただくよ。」
差し出されたサンドイッチを口に運ぶ。
美味しい。懐かしい味がする。この味どこかで……
「美味しいね……」
「そうでしょ!?母のお手製スペシャルサンドイッチですから!」
あぁ、思い出した。前世であったじゃないか。
俺が小さい頃、怖い夢を見たとか何かで母に泣きついた時、深夜だからみんなには内緒よっていいながらサンドイッチ作ってくれて、庭のガーデニングテーブルでホットミルクと一緒に食べたっけ……懐かしい。
「リンシャ君!?大丈夫?涙が……」
「あぁ、昔の事を思い出しちゃってつい…」
こっちに来てからもうだいぶ経つはずなのに、前世思い出して涙が出るなんて。やっぱり俺前世帰りたいんだな。
「リンシャ君って泣くんですねぇ~。なんかリンシャ君の周りだけ童話の世界みたいになってますよ。」
「え?」
「ほら、周りに蝶とか鹿とか森の生き物が集まってますよ?」
「うぁぁぁ!?」
なんだこれ、転生ボーナスが?いや、いらねーよそんな動物に好かれるお♡みたいな意味わかんねーボーナスッ!!
他にもっとなんかあっただろーがよ!
「俺動物とか虫とか何考えてるかわかんねーから嫌いなんだよ!!!こっち来んじゃねーよバカがッ!!!!」
急いでその場から離れる。
「り、リンシャ君今俺っていった!?しかも言葉使いめちゃくちゃ荒かったよね?」
「あ。…ヴヴッン。僕虫とか動物とか少し苦手なんだよね。」
「いや無理無理!今言い直してもめちゃくちゃ無理あるよ?!なんならあ。って声出てたから!出ちゃってたから!」
なんとキレのあるツッコミだ。
っと感心してる場合では無い。
「大丈夫だよリンシャ君!他の人には言わないよ!リンシャ君が実は虫が嫌いな女の子♡みたいな性格してるけど、口調は荒くれ者のガキ大将だなんて言う大スクープ、誰にも言わないよ!」
「なんか多いぞ!最後の方の文絶対いらないね?それ?!」
「あはっ!リンシャ君ノリツッコミも出来ちゃうんだね!流石!」
「いや~それほどでも~、って違うだろっ!!!」
どうやらリュンイは相手を自分の会話ペースに乗せるのも上手いようだ。
得意気な顔をしたリュンイの後ろには湖が広がっていた。
「学園の近くに森があるのは知っていたけれど、まさかその森の中に湖まであったなんて……」
久しぶりに触れた自然に圧倒される。
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そんな事を考えながらリュンイの横に腰を下ろす。
「はい!サンドイッチ!あ、貴族のしきたりとかで庶民の物は口にしないみたいなのがあったりする?大丈夫?」
「いや、有難くいただくよ。」
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美味しい。懐かしい味がする。この味どこかで……
「美味しいね……」
「そうでしょ!?母のお手製スペシャルサンドイッチですから!」
あぁ、思い出した。前世であったじゃないか。
俺が小さい頃、怖い夢を見たとか何かで母に泣きついた時、深夜だからみんなには内緒よっていいながらサンドイッチ作ってくれて、庭のガーデニングテーブルでホットミルクと一緒に食べたっけ……懐かしい。
「リンシャ君!?大丈夫?涙が……」
「あぁ、昔の事を思い出しちゃってつい…」
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「え?」
「ほら、周りに蝶とか鹿とか森の生き物が集まってますよ?」
「うぁぁぁ!?」
なんだこれ、転生ボーナスが?いや、いらねーよそんな動物に好かれるお♡みたいな意味わかんねーボーナスッ!!
他にもっとなんかあっただろーがよ!
「俺動物とか虫とか何考えてるかわかんねーから嫌いなんだよ!!!こっち来んじゃねーよバカがッ!!!!」
急いでその場から離れる。
「り、リンシャ君今俺っていった!?しかも言葉使いめちゃくちゃ荒かったよね?」
「あ。…ヴヴッン。僕虫とか動物とか少し苦手なんだよね。」
「いや無理無理!今言い直してもめちゃくちゃ無理あるよ?!なんならあ。って声出てたから!出ちゃってたから!」
なんとキレのあるツッコミだ。
っと感心してる場合では無い。
「大丈夫だよリンシャ君!他の人には言わないよ!リンシャ君が実は虫が嫌いな女の子♡みたいな性格してるけど、口調は荒くれ者のガキ大将だなんて言う大スクープ、誰にも言わないよ!」
「なんか多いぞ!最後の方の文絶対いらないね?それ?!」
「あはっ!リンシャ君ノリツッコミも出来ちゃうんだね!流石!」
「いや~それほどでも~、って違うだろっ!!!」
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