20 / 21
ハードモードすぎて辛い。
なんて良い子なのか
しおりを挟む
俺が自己紹介を終え席に着くと、今までびくともしなかった中年の先生が、のそのそと顔のタオルをたたみ喋り出した。
「どーやら終わったみたいだな~。にしても、今年は随分とハズレくじを引かされた気分だよ。第三王子様に、嫌な噂が耐えない謎の引きこもり公爵息子。それから今日は来てないが、あの問題児くんもこのクラスに居るようだし?不安要素しかなくて先生は心配だよ。はぁ~あ、まぁ厄介事だけは起こすなよ~。」
先生それ言って大丈夫なの!?俺はまだしも、第三王子不安要素扱いして首飛ばないのか……ま、まぁここ学園だし関係ない……のか?
先生の言動によってなのか、なにか締まらない空気が流れている教室に、凛とした声が響く。
「イリナ先生。いくら知った顔ばかりだからといっても、あまりそう言う本音を生徒の前で漏らすものじゃありませんよ。それに、今年は見慣れない顔もいますので、しっかりガイダンスして頂きたいです。」
「ほいほい。わかりましたよ王子様ー。だからそのキラキラ爽やかスマイルをしまってくれー。」
どうやら中年先生はイリナというらしい。
パッと見はだらしない酒飲み中年だが、流石はゲームに登場するキャラだ。顔が良い。
身なりをきちんとしたら死ぬほどモテそうだ。
イリナ……イリナ……うーん、ゲームにいたか?思い出せない。
ヴィクトル王子と同じクラスならこの先生も少なからず、ストーリーに出ているはずなんだが。それによく良く考えればヴィクトル王子のいるクラスには、主人公も居るはずなのだ。誰だ。全くそれっぽい人物が見当たらない。というかそれっぽい見た目の人物が多すぎて誰かわからないというべきか?たしか主人公は、男爵家の息子だったはずだ。
「じゃ、一応ガイダンスでもするか~。」
そう言って喋り出すイリナ先生。
どうやら今日はこの話を聞いたら解散らしい。明日実技や筆記などの基礎力を測定して授業に入るそうだ。1年前の成長を図るための最初の測定らしい。
「それから前期には~」
と1年の予定を軽く説明してくれた。本当に軽くだが。聞いてる限りでは前世で通っていた学校とあまり変わらなさそうだ。テストがあり、季節ごとに行事があり。という感じだ。
「まぁ、俺は楽しむ暇なんてないだろうけどね。」
「って感じだー。じゃ、今日伝える事伝えたから、明日に向けて帰って早く寝ろ~。解散!」
そうイリナ先生は言い放ち教室を出ていく。
その後を追うように生徒たちもまばらに教室を出ていった。
チラチラ色んな人が俺を見ていたが、誰一人として俺に声をかける者はいなかった。
「ま、変な噂ばっかだし、喋りかけるも何も無いよな。俺ってば見世物~……。はぁ、もう昼か、どっかで適当に飯でも食うか。ここ食堂あるって言ってたよな。今日もやってるだろうか。」
「ね、ねぇ!良かったら一緒にサンドイッチ食べない?!貴族様の口に合うかはわからないけど…母さんがいっぱい作ってくれたんだ!」
急だったのでびっくりした。自分に話しかける人なんていないと思って油断していた。
後ろを振り向くと、そこにはリュンイが居た。
「ダメ、かな……?」
「だ、ダメじゃ無いけれど……」
少し寂しそうな顔をするリュンイを見て思わず言ってしまったが、リュンイをこれからの事に巻き込む訳にはいかないとさっき決めたじゃないか!
「でもリュンイ君。僕は見ての通り嫌われ者だから。僕と一緒にいたら君まで変な噂が流れちゃうかも知れないよ?」
「ん?リンシャ君が嫌われ者だとは思わないけど…俺貴族様の事情とか知らないしね。まぁそんなの関係ないって!俺がリンシャ君と仲良くしたいと思ったんだ!他の人は関係ないよ!」
この子は聖人なのだろうか。そんな真っ直ぐな瞳で見つめられたら俺も断りずらいじゃないか……
「せ、せめて人目の無いような所とかで食べようか…」
「一緒に食べてくれるんだね!?やった!!場所ならいい所があるから任せてよ!」
「どーやら終わったみたいだな~。にしても、今年は随分とハズレくじを引かされた気分だよ。第三王子様に、嫌な噂が耐えない謎の引きこもり公爵息子。それから今日は来てないが、あの問題児くんもこのクラスに居るようだし?不安要素しかなくて先生は心配だよ。はぁ~あ、まぁ厄介事だけは起こすなよ~。」
先生それ言って大丈夫なの!?俺はまだしも、第三王子不安要素扱いして首飛ばないのか……ま、まぁここ学園だし関係ない……のか?
先生の言動によってなのか、なにか締まらない空気が流れている教室に、凛とした声が響く。
「イリナ先生。いくら知った顔ばかりだからといっても、あまりそう言う本音を生徒の前で漏らすものじゃありませんよ。それに、今年は見慣れない顔もいますので、しっかりガイダンスして頂きたいです。」
「ほいほい。わかりましたよ王子様ー。だからそのキラキラ爽やかスマイルをしまってくれー。」
どうやら中年先生はイリナというらしい。
パッと見はだらしない酒飲み中年だが、流石はゲームに登場するキャラだ。顔が良い。
身なりをきちんとしたら死ぬほどモテそうだ。
イリナ……イリナ……うーん、ゲームにいたか?思い出せない。
ヴィクトル王子と同じクラスならこの先生も少なからず、ストーリーに出ているはずなんだが。それによく良く考えればヴィクトル王子のいるクラスには、主人公も居るはずなのだ。誰だ。全くそれっぽい人物が見当たらない。というかそれっぽい見た目の人物が多すぎて誰かわからないというべきか?たしか主人公は、男爵家の息子だったはずだ。
「じゃ、一応ガイダンスでもするか~。」
そう言って喋り出すイリナ先生。
どうやら今日はこの話を聞いたら解散らしい。明日実技や筆記などの基礎力を測定して授業に入るそうだ。1年前の成長を図るための最初の測定らしい。
「それから前期には~」
と1年の予定を軽く説明してくれた。本当に軽くだが。聞いてる限りでは前世で通っていた学校とあまり変わらなさそうだ。テストがあり、季節ごとに行事があり。という感じだ。
「まぁ、俺は楽しむ暇なんてないだろうけどね。」
「って感じだー。じゃ、今日伝える事伝えたから、明日に向けて帰って早く寝ろ~。解散!」
そうイリナ先生は言い放ち教室を出ていく。
その後を追うように生徒たちもまばらに教室を出ていった。
チラチラ色んな人が俺を見ていたが、誰一人として俺に声をかける者はいなかった。
「ま、変な噂ばっかだし、喋りかけるも何も無いよな。俺ってば見世物~……。はぁ、もう昼か、どっかで適当に飯でも食うか。ここ食堂あるって言ってたよな。今日もやってるだろうか。」
「ね、ねぇ!良かったら一緒にサンドイッチ食べない?!貴族様の口に合うかはわからないけど…母さんがいっぱい作ってくれたんだ!」
急だったのでびっくりした。自分に話しかける人なんていないと思って油断していた。
後ろを振り向くと、そこにはリュンイが居た。
「ダメ、かな……?」
「だ、ダメじゃ無いけれど……」
少し寂しそうな顔をするリュンイを見て思わず言ってしまったが、リュンイをこれからの事に巻き込む訳にはいかないとさっき決めたじゃないか!
「でもリュンイ君。僕は見ての通り嫌われ者だから。僕と一緒にいたら君まで変な噂が流れちゃうかも知れないよ?」
「ん?リンシャ君が嫌われ者だとは思わないけど…俺貴族様の事情とか知らないしね。まぁそんなの関係ないって!俺がリンシャ君と仲良くしたいと思ったんだ!他の人は関係ないよ!」
この子は聖人なのだろうか。そんな真っ直ぐな瞳で見つめられたら俺も断りずらいじゃないか……
「せ、せめて人目の無いような所とかで食べようか…」
「一緒に食べてくれるんだね!?やった!!場所ならいい所があるから任せてよ!」
38
あなたにおすすめの小説
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
* ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
透夜×ロロァのお話です。
本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけを更新するかもです。
『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も
『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑)
大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑)
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました
無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。
前世持ちだが結局役に立たなかった。
そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。
そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。
目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。
…あれ?
僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる