31 / 65
第2部 第1章「迫りくる戦火」
第31話「開戦前夜」
第31話「開戦前夜」
グロスマンが去った翌日。
王都から緊急の使者が来た。
王国騎士団の騎士が、血相を変えて馬を走らせてきた。
「アレン男爵! グレン男爵! 緊急の報告です!」
僕と父は、急いで使者を迎える。
「何があったんですか?」
「王都で…また暗殺です。昨夜、二名の王族派貴族が殺されました。さらに、今朝、もう一名が…」
使者が息を切らせながら報告する。
「合計、六名の貴族が殺されました。全員、国王陛下の改革を強く支持していた方々です」
父が厳しい表情になる。
「闇ギルドの仕業か…」
「はい。そして…」
使者が震える声で続ける。
「国境近くの貴族たちが、兵を集め始めました。公然と、反乱の準備をしています」
「証拠もなく、公然と…?」
「もう、隠す必要がないと判断したのでしょう。ヴェルデン王国の軍が、国境まで来ています。いつでも侵攻できる態勢です」
使者が国王からの親書を差し出す。
僕は受け取り、封を開ける。
「アレン男爵、グレン男爵
事態は、最悪の方向に進んでいる。
反乱貴族たちが、公然と兵を集めている。
ヴェルデン王国も、国境で待機している。
戦争は、もはや避けられない。
貴殿らの領地は、魔の森に隣接し、戦略的に重要である。
反乱貴族たちも、そこを狙うだろう。
十分に警戒し、防衛を固めてほしい。
王国騎士団の一部を、貴殿らの領地に派遣する。
共に、王国を守ってほしい。
国王 アルブレヒト三世」
僕は手紙を読み終えて、父に渡す。
「父さん、ついに…」
「ああ。もう、時間がない」
その日の午後、町の大広場に全町民を集めた。
八百人以上。
みんな、不安そうな表情だ。
僕が前に出る。
「みなさん、重要なお知らせがあります」
町民たちが、静かになる。
「王国に、戦争が迫っています。隣国ヴェルデン王国と、王国内部の反乱貴族たちが、手を組んでいます」
たちがざわつく。
「戦争…?」
「本当に…?」
僕は続ける。
「僕たちの領地も、標的になる可能性があります。魔の森に隣接していて、戦略的に重要な場所だからです」
不安が広がる。
でも、僕は力強く言う。
「でも、安心してください。僕たちには、二百人の精鋭騎士団がいます。そして、王国騎士団も来てくれます。みなさんを、必ず守ります」
ゲオルグさんが前に出る。
「アレン代表、俺たちにできることはありますか?」
「はい。町の防衛を強化します。城壁を補強し、食料を備蓄し、避難経路を確保します。みなさんの協力が必要です」
町民たちが、決意の表情を浮かべる。
「わかった!」
「俺たちも、町を守る!」
「子供たちを、守らなきゃ!」
エーリッヒの後継者、オスカーが言う。
「建築ギルドで、城壁の補強をします」
ゲルハルト先生が言う。
「学校を、避難所として使えるようにします」
冒険者たちも言う。
「俺たちも戦います!」
町全体が、一つになる。
その夜、騎士団の幹部を集めて会議を開いた。
ディートリヒ、ヴォルフガング、そして四人の小隊長。
カール、エーリヒ、ハインツ、オットー。
父が地図を広げる。
「敵は、二方向から来る可能性がある。一つは、国境からのヴェルデン王国軍。もう一つは、反乱貴族の軍だ」
ディートリヒが言う。
「反乱貴族の軍は、どのくらいの規模ですか?」
「情報では、少なくとも五千以上。複数の貴族が連合しているからな」
ヴォルフガングが冷静に分析する。
「対して、我々は二百人。王国騎士団が来ても、せいぜい五百人程度でしょう」
「数では、圧倒的に不利だ」
父が頷く。
「だが、質では勝っている。お前たちは、七ヶ月の訓練で、人族を超える力を手に入れた。一人一人が、普通の兵士の十倍以上の戦力だ」
僕も言う。
「それに、僕たち家族もいます。全員で戦えば、勝機はあります」
カールが雷を纏った拳を握る。
「任せてください。俺たちは、グレン男爵のために戦います」
ハインツも炎を纏う。
「家族を守るために、全力で戦います」
エーリッヒが土の魔法で床を叩く。
「この町を、絶対に守ります」
オットーが水の球を作る。
「俺たちの力、見せてやりましょう」
翌日、王国騎士団が到着した。
三百人。
予想より多い。
先頭の騎士が、馬から降りる。
「アレン・フォン・ノイシュテルン男爵、グレン・フォン・ヴァルトハイム男爵。王国騎士団第三部隊、隊長ラインハルトです」
四十代くらいの、厳つい顔の騎士だ。
「ようこそ。ありがとうございます」
僕と父が出迎える。
「国王陛下の命により、この領地の防衛に協力します」
ラインハルトが真剣に言う。
そして、僕たちの騎士団を見る。
「こちらが、噂の騎士団ですか」
「はい」
ディートリヒとヴォルフガングが前に出る。
ラインハルトが、二人を見て驚く。
「この気配…まさか…」
「どうかしましたか?」
「いや…失礼。あまりにも強力な魔力を感じたので」
ラインハルトが驚愕している。
僕は神眼でラインハルトを確認する。
悪意はない。
国王に忠実で、正義感の強い騎士だ。
「ラインハルトさん、信頼できます」
僕が小声で父に言う。
父が頷く。
その夜、家族だけで食卓を囲んだ。
久しぶりの、家族だけの時間。
母さんが作った温かい料理。
でも、みんな少し緊張している。
「明日か、明後日には…戦争が始まるかもしれないね」
ソフィア姉さんが言う。
「ああ。でも、俺たちは準備ができている」
父が力強く言う。
マルク兄さんが言う。
「僕、怖くないって言ったら嘘になる。でも、家族を守りたい」
ノエルが頷く。
「私も。みんなを守りたい」
双子が元気よく言う。
「僕たちも戦う!」
「お兄ちゃんを守る!」
僕は双子を見る。
「レオ、リナ。二人は、まだ六歳だ。無理はしないでね」
「でも、お兄ちゃん!」
「大丈夫。二人の力も、ちゃんと当てにしてる。でも、危険な時は、すぐに逃げること。約束して」
双子が渋々頷く。
「…わかった」
母さんが、みんなを見回す。
「みんな…無事に、この戦いを乗り越えましょう。そして、また、こうして家族で食卓を囲みましょう」
全員が頷く。
「うん」
「必ず」
エルヴィンが優しく微笑む。
「お前たちなら、大丈夫だ。わしが保証する。お前たちは、強い。力だけでなく、心も」
食事の後、僕は一人で教会を訪れた。
祭壇の前で、祈る。
「セレスティア様…明日、戦争が始まるかもしれません。家族を、仲間を、町を…どうか守ってください」
微かな光が、祭壇から溢れる。
セレスティアが、姿を現す。
でも、やはり姿が薄い。
「アレン…」
「セレスティア様」
「ごめんなさい。今も、神界での制約は続いているわ。大っぴらには、力を貸せない」
セレスティアが悲しそうに言う。
「でも、これだけは伝えるわ。あなたは、必ず勝つ。家族も、仲間も、無事に生き残る」
「本当ですか?」
「ええ。未来は、常に流動的だけど…今の流れなら、あなたたちは勝つ。信じて」
セレスティアが優しく微笑む。
「それと…私も、できる限りのことはするわ。制約の範囲内で、あなたたちを守る」
「ありがとうございます」
セレスティアの姿が消えていく。
「頑張って、アレン。あなたなら、できる」
翌朝。
町の見張り台から、緊急の報告が入った。
「アレン代表! グレン男爵! 南から、大軍が近づいています!」
僕と父は、急いで見張り台に駆け上がる。
遠くを見ると――
確かに、大軍が見える。
旗が風になびいている。
反乱貴族連合の旗だ。
「数は…?」
「少なくとも、三千以上です!」
見張りが報告する。
父が厳しい表情になる。
「ついに、来たか」
ラインハルトも駆けつける。
「あれは…反乱貴族連合軍です。予想より早い」
「すぐに、戦闘準備だ」
父が命令する。
「全騎士団、配置につけ! 町民は避難所へ!」
町中に、警鐘が鳴り響く。
カンカンカン。
騎士たちが、素早く配置につく。
町民たちが、避難所に向かう。
冒険者たちも、武器を取る。
家族も、戦闘準備を整える。
ソフィア姉さんが剣を抜く。
マルク兄さんが弓を構える。
ノエルがクラフト魔法で防壁を作る準備をする。
母さんが治癒魔法の準備をする。
双子も、小さな手に魔力を集める。
エルヴィンが杖を構える。
「さあ、来るぞ」
父が全員に言う。
「みんな、覚えているな。俺たちは何のために戦う?」
全員が答える。
「家族を守るため!」
「町を守るため!」
「王国を守るため!」
父が剣を抜く。
「よし。では、戦おう」
反乱軍が、徐々に近づいてくる。
三千の兵。
対して、僕たちは五百。
圧倒的に不利だ。
でも――
僕たちには、力がある。
魔法がある。
そして何より――
家族と仲間がいる。
「全軍、構えろ!」
父の声が響く。
全員が、戦闘態勢に入る。
反乱軍が、さらに近づく。
一キロ、五百メートル、三百メートル…
そして――
反乱軍の指揮官らしき騎士が、前に出る。
大声で叫ぶ。
「アレン・フォン・ノイシュテルン! グレン・フォン・ヴァルトハイム! お前たちに最後通告だ! 降伏せよ! さもなくば、皆殺しにする!」
僕と父は、城壁の上に立つ。
僕が答える。
「断る! 僕たちは、王国に忠誠を誓った貴族だ! 反乱軍に、降伏することはない!」
父も叫ぶ。
「お前たちこそ、今すぐ武器を捨てろ! まだ、引き返せるぞ!」
反乱軍の指揮官が、嘲笑う。
「愚か者め! 我々は三千! お前たちは、たかだか数百! 勝負は見えている!」
そして、剣を振り上げる。
「全軍、攻撃開始!」
反乱軍が、一斉に動き出す。
三千の兵が、町に向かって突撃してくる。
地響きがする。
ついに戦争が………始まった。
次回:第32話「アレン無双」
グロスマンが去った翌日。
王都から緊急の使者が来た。
王国騎士団の騎士が、血相を変えて馬を走らせてきた。
「アレン男爵! グレン男爵! 緊急の報告です!」
僕と父は、急いで使者を迎える。
「何があったんですか?」
「王都で…また暗殺です。昨夜、二名の王族派貴族が殺されました。さらに、今朝、もう一名が…」
使者が息を切らせながら報告する。
「合計、六名の貴族が殺されました。全員、国王陛下の改革を強く支持していた方々です」
父が厳しい表情になる。
「闇ギルドの仕業か…」
「はい。そして…」
使者が震える声で続ける。
「国境近くの貴族たちが、兵を集め始めました。公然と、反乱の準備をしています」
「証拠もなく、公然と…?」
「もう、隠す必要がないと判断したのでしょう。ヴェルデン王国の軍が、国境まで来ています。いつでも侵攻できる態勢です」
使者が国王からの親書を差し出す。
僕は受け取り、封を開ける。
「アレン男爵、グレン男爵
事態は、最悪の方向に進んでいる。
反乱貴族たちが、公然と兵を集めている。
ヴェルデン王国も、国境で待機している。
戦争は、もはや避けられない。
貴殿らの領地は、魔の森に隣接し、戦略的に重要である。
反乱貴族たちも、そこを狙うだろう。
十分に警戒し、防衛を固めてほしい。
王国騎士団の一部を、貴殿らの領地に派遣する。
共に、王国を守ってほしい。
国王 アルブレヒト三世」
僕は手紙を読み終えて、父に渡す。
「父さん、ついに…」
「ああ。もう、時間がない」
その日の午後、町の大広場に全町民を集めた。
八百人以上。
みんな、不安そうな表情だ。
僕が前に出る。
「みなさん、重要なお知らせがあります」
町民たちが、静かになる。
「王国に、戦争が迫っています。隣国ヴェルデン王国と、王国内部の反乱貴族たちが、手を組んでいます」
たちがざわつく。
「戦争…?」
「本当に…?」
僕は続ける。
「僕たちの領地も、標的になる可能性があります。魔の森に隣接していて、戦略的に重要な場所だからです」
不安が広がる。
でも、僕は力強く言う。
「でも、安心してください。僕たちには、二百人の精鋭騎士団がいます。そして、王国騎士団も来てくれます。みなさんを、必ず守ります」
ゲオルグさんが前に出る。
「アレン代表、俺たちにできることはありますか?」
「はい。町の防衛を強化します。城壁を補強し、食料を備蓄し、避難経路を確保します。みなさんの協力が必要です」
町民たちが、決意の表情を浮かべる。
「わかった!」
「俺たちも、町を守る!」
「子供たちを、守らなきゃ!」
エーリッヒの後継者、オスカーが言う。
「建築ギルドで、城壁の補強をします」
ゲルハルト先生が言う。
「学校を、避難所として使えるようにします」
冒険者たちも言う。
「俺たちも戦います!」
町全体が、一つになる。
その夜、騎士団の幹部を集めて会議を開いた。
ディートリヒ、ヴォルフガング、そして四人の小隊長。
カール、エーリヒ、ハインツ、オットー。
父が地図を広げる。
「敵は、二方向から来る可能性がある。一つは、国境からのヴェルデン王国軍。もう一つは、反乱貴族の軍だ」
ディートリヒが言う。
「反乱貴族の軍は、どのくらいの規模ですか?」
「情報では、少なくとも五千以上。複数の貴族が連合しているからな」
ヴォルフガングが冷静に分析する。
「対して、我々は二百人。王国騎士団が来ても、せいぜい五百人程度でしょう」
「数では、圧倒的に不利だ」
父が頷く。
「だが、質では勝っている。お前たちは、七ヶ月の訓練で、人族を超える力を手に入れた。一人一人が、普通の兵士の十倍以上の戦力だ」
僕も言う。
「それに、僕たち家族もいます。全員で戦えば、勝機はあります」
カールが雷を纏った拳を握る。
「任せてください。俺たちは、グレン男爵のために戦います」
ハインツも炎を纏う。
「家族を守るために、全力で戦います」
エーリッヒが土の魔法で床を叩く。
「この町を、絶対に守ります」
オットーが水の球を作る。
「俺たちの力、見せてやりましょう」
翌日、王国騎士団が到着した。
三百人。
予想より多い。
先頭の騎士が、馬から降りる。
「アレン・フォン・ノイシュテルン男爵、グレン・フォン・ヴァルトハイム男爵。王国騎士団第三部隊、隊長ラインハルトです」
四十代くらいの、厳つい顔の騎士だ。
「ようこそ。ありがとうございます」
僕と父が出迎える。
「国王陛下の命により、この領地の防衛に協力します」
ラインハルトが真剣に言う。
そして、僕たちの騎士団を見る。
「こちらが、噂の騎士団ですか」
「はい」
ディートリヒとヴォルフガングが前に出る。
ラインハルトが、二人を見て驚く。
「この気配…まさか…」
「どうかしましたか?」
「いや…失礼。あまりにも強力な魔力を感じたので」
ラインハルトが驚愕している。
僕は神眼でラインハルトを確認する。
悪意はない。
国王に忠実で、正義感の強い騎士だ。
「ラインハルトさん、信頼できます」
僕が小声で父に言う。
父が頷く。
その夜、家族だけで食卓を囲んだ。
久しぶりの、家族だけの時間。
母さんが作った温かい料理。
でも、みんな少し緊張している。
「明日か、明後日には…戦争が始まるかもしれないね」
ソフィア姉さんが言う。
「ああ。でも、俺たちは準備ができている」
父が力強く言う。
マルク兄さんが言う。
「僕、怖くないって言ったら嘘になる。でも、家族を守りたい」
ノエルが頷く。
「私も。みんなを守りたい」
双子が元気よく言う。
「僕たちも戦う!」
「お兄ちゃんを守る!」
僕は双子を見る。
「レオ、リナ。二人は、まだ六歳だ。無理はしないでね」
「でも、お兄ちゃん!」
「大丈夫。二人の力も、ちゃんと当てにしてる。でも、危険な時は、すぐに逃げること。約束して」
双子が渋々頷く。
「…わかった」
母さんが、みんなを見回す。
「みんな…無事に、この戦いを乗り越えましょう。そして、また、こうして家族で食卓を囲みましょう」
全員が頷く。
「うん」
「必ず」
エルヴィンが優しく微笑む。
「お前たちなら、大丈夫だ。わしが保証する。お前たちは、強い。力だけでなく、心も」
食事の後、僕は一人で教会を訪れた。
祭壇の前で、祈る。
「セレスティア様…明日、戦争が始まるかもしれません。家族を、仲間を、町を…どうか守ってください」
微かな光が、祭壇から溢れる。
セレスティアが、姿を現す。
でも、やはり姿が薄い。
「アレン…」
「セレスティア様」
「ごめんなさい。今も、神界での制約は続いているわ。大っぴらには、力を貸せない」
セレスティアが悲しそうに言う。
「でも、これだけは伝えるわ。あなたは、必ず勝つ。家族も、仲間も、無事に生き残る」
「本当ですか?」
「ええ。未来は、常に流動的だけど…今の流れなら、あなたたちは勝つ。信じて」
セレスティアが優しく微笑む。
「それと…私も、できる限りのことはするわ。制約の範囲内で、あなたたちを守る」
「ありがとうございます」
セレスティアの姿が消えていく。
「頑張って、アレン。あなたなら、できる」
翌朝。
町の見張り台から、緊急の報告が入った。
「アレン代表! グレン男爵! 南から、大軍が近づいています!」
僕と父は、急いで見張り台に駆け上がる。
遠くを見ると――
確かに、大軍が見える。
旗が風になびいている。
反乱貴族連合の旗だ。
「数は…?」
「少なくとも、三千以上です!」
見張りが報告する。
父が厳しい表情になる。
「ついに、来たか」
ラインハルトも駆けつける。
「あれは…反乱貴族連合軍です。予想より早い」
「すぐに、戦闘準備だ」
父が命令する。
「全騎士団、配置につけ! 町民は避難所へ!」
町中に、警鐘が鳴り響く。
カンカンカン。
騎士たちが、素早く配置につく。
町民たちが、避難所に向かう。
冒険者たちも、武器を取る。
家族も、戦闘準備を整える。
ソフィア姉さんが剣を抜く。
マルク兄さんが弓を構える。
ノエルがクラフト魔法で防壁を作る準備をする。
母さんが治癒魔法の準備をする。
双子も、小さな手に魔力を集める。
エルヴィンが杖を構える。
「さあ、来るぞ」
父が全員に言う。
「みんな、覚えているな。俺たちは何のために戦う?」
全員が答える。
「家族を守るため!」
「町を守るため!」
「王国を守るため!」
父が剣を抜く。
「よし。では、戦おう」
反乱軍が、徐々に近づいてくる。
三千の兵。
対して、僕たちは五百。
圧倒的に不利だ。
でも――
僕たちには、力がある。
魔法がある。
そして何より――
家族と仲間がいる。
「全軍、構えろ!」
父の声が響く。
全員が、戦闘態勢に入る。
反乱軍が、さらに近づく。
一キロ、五百メートル、三百メートル…
そして――
反乱軍の指揮官らしき騎士が、前に出る。
大声で叫ぶ。
「アレン・フォン・ノイシュテルン! グレン・フォン・ヴァルトハイム! お前たちに最後通告だ! 降伏せよ! さもなくば、皆殺しにする!」
僕と父は、城壁の上に立つ。
僕が答える。
「断る! 僕たちは、王国に忠誠を誓った貴族だ! 反乱軍に、降伏することはない!」
父も叫ぶ。
「お前たちこそ、今すぐ武器を捨てろ! まだ、引き返せるぞ!」
反乱軍の指揮官が、嘲笑う。
「愚か者め! 我々は三千! お前たちは、たかだか数百! 勝負は見えている!」
そして、剣を振り上げる。
「全軍、攻撃開始!」
反乱軍が、一斉に動き出す。
三千の兵が、町に向かって突撃してくる。
地響きがする。
ついに戦争が………始まった。
次回:第32話「アレン無双」
あなたにおすすめの小説
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。