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第2部 第3章「魔の森の封印」
第50話「分体の儀式、執事長誕生」
第50話「分体の儀式、執事長誕生」
儀式の日。
朝から、屋敷は慌ただしかった。
双子が、新しい仲間を迎える準備を手伝っている。
「お兄ちゃん、部屋はこれで良い?」
「うん、ありがとう、レオ」
彼の部屋を用意した。
屋敷の二階、僕の部屋の隣だ。
清潔で、広い部屋。
ノエルが、魔導具を設置している。
「これで、念話もしやすくなるはず」
「ありがとう、ノエル」
母エレナが、新しいリネンを持ってくる。
「新しい方が来るなら、ちゃんとしたものを用意しないと」
「母さん、ありがとう」
父グレンも来ている。
「アレン、本当に大丈夫なのか? 神界に行くというのは…」
「大丈夫です。セレスティア様が守ってくれます」
「そうか…」
父が、僕の肩に手を置く。
「気をつけろよ」
「はい」
昼過ぎ、僕は神殿に向かった。
モーモーたち六頭も、一緒だ。
街の人々が、珍しそうに見ている。
「聖牛様たちが、神殿に…」
「何かあるのかしら」
神殿に着くと、祭壇の前に立つ。
モーモーたち六頭も、周囲に並ぶ。
「セレスティア様」
すぐに、返事が来た。
「アレン、準備はできましたか?」
「はい」
「モーモーたちも、来てくれましたね」
「はい。六頭全員です」
「良かった。では、神界に案内します」
女神の声が、続ける。
「目を閉じてください。そして、私の声に従ってください」
「はい」
僕は、目を閉じる。
モーモーたちも、同じようにする。
女神が、呪文を唱え始める。
古代の言葉だ。
意味はわからないが、美しい響きがある。
光が、体を包む。
温かい光。
そして――
浮遊する感覚。
体が、軽くなる。
地面から、離れていく。
次の瞬間――
景色が、一変した。
目を開けると、そこは神殿ではなかった。
広大な、白い空間。
床も、壁も、天井も、全てが白く輝いている。
でも、眩しくはない。
柔らかい、優しい光。
空気が、澄んでいる。
魔素が、全くない。
むしろ、神気に満ちている。
「ここが…神界…」
モーモーが、周囲を見回す。
「美しい…」
アルフォンスたち五頭も、感動している。
「これが、神々の住む場所…」
その時――
前方から、光が近づいてくる。
人の形をした、光。
それが、徐々にはっきりしてくる。
美しい女性の姿。
長い金色の髪。
白い衣装。
そして、優しい微笑み。
「セレスティア様…!」
女神セレスティアが、実体として目の前に立っている。
「アレン、よく来てくれました」
女神が、僕に近づく。
その姿は、像で見たものと同じだ。
でも、実際に見ると、圧倒的な存在感がある。
「そして、神牛たちも。ようこそ、神界へ」
モーモーたち六頭が、深く頭を下げる。
「女神様、お招きいただき、光栄です」
「いえ、こちらこそ感謝します。あなたたちの力が必要なのです」
女神が、僕を見る。
「アレン、準備はできていますか?」
「はい」
「では、まず混沌の獣に連絡を取りましょう。彼の意思を確認しなければなりません」
女神が、手を掲げる。
空間に、魔法陣が浮かび上がる。
複雑な、古代の魔法陣。
それが、光り始める。
そして――
魔法陣の中央に、映像が映し出される。
封印の場所だ。
青白い光の中に、混沌の獣がいる。
横たわって、眠っているように見える。
女神が、呼びかける。
「混沌の獣よ、目を覚ましてください」
獣が、ゆっくりと目を開ける。
金色の目が、こちらを見る。
「…女神か。久しぶりだな」
「千年ぶりですね」
女神が、優しく言う。
「今日は、あなたに提案があります」
「提案…?」
獣が、不思議そうに首を傾げる。
女神が、続ける。
「勇者の転生、アレンがあなたを救いたいと言っています」
「救う…? 俺を?」
獣が、驚く。
「何を言っている。俺を封印したのではないか」
「封印は、世界を守るために必要でした。でも」
女神が、僕を見る。
「アレンは、それだけでは満足していません。あなたの孤独を、終わらせたいと思っています」
獣の目が、僕を見る。
「勇者よ…お前が、そんなことを…」
「はい」
僕は、真剣に言う。
「あなたを、孤独から救いたい。千年の孤独を、終わらせたい」
「でも、どうやって? 俺は、封印されなければならない。世界のバランスのために」
「方法があります」
女神が、説明を始める。
「分体を作るのです」
「分体…?」
「あなたの本体は、封印の中に残します。でも、意識の一部を分離して、別の体に宿らせます」
女神が続ける。
「その体は、人間の姿を取ります。そして、アレンと共に、人間として生活します」
獣が、しばらく黙る。
信じられない、という表情だ。
「人間として…生活する…?」
「はい。本体は封印の中で眠り続けます。でも、分体は外で生活できます」
女神が、優しく言う。
「分体の経験は、本体とも共有されます。分体が見たもの、聞いたもの、感じたもの、全てがあなたにも伝わります」
「つまり…俺も、外の世界を経験できる…?」
「そうです」
獣の目から、涙が溢れる。
「そんなこと…可能なのか…」
「神界の許可が出ました」
女神が、続ける。
「神々も、あなたの千年の孤独を憐れんでいます。少しでも、その苦しみを和らげたいと」
獣が、震える。
「千年…千年間、誰も…誰も俺を救おうとしなかった…」
獣の声が、かすれる。
「封印するしかない、と。それが唯一の解決策だ、と」
「そうですね」
女神が、静かに言う。
「でも、アレンは違いました。あなたを救いたいと、心から思っています」
獣が、僕を見る。
「勇者よ…なぜだ…なぜ、そこまで…」
「あなたは、悪ではないからです」
僕は、真剣に言う。
「役割を与えられただけ。世界が生み出しただけ。それは、あなたの選択ではない」
「…」
「だから、救いたい。孤独から、解放したい」
僕は、続ける。
「千年の孤独は、もう十分です。これから先、あなたにも温かい時間を過ごしてほしい」
獣が、声を上げて泣く。
巨大な体が、震える。
「ありがとう…ありがとう…」
獣の声が、何度も繰り返す。
「千年で初めて…誰かが、俺を救おうとしてくれた…」
モーモーが、前に出る。
「私も、嬉しいです」
獣が、モーモーを見る。
「お前…神牛…」
「はい。五百年前、私はあなたに言いました。『あなたは一人ではない』と」
「覚えている…」
「今度こそ、本当に一人ではなくなります」
モーモーが、優しく言う。
「主様と共に、私たちと共に、生きてください」
獣が、涙を流しながら頷く。
「ありがとう…本当に、ありがとう…」
女神が、続ける。
「では、条件を説明します」
「条件…?」
「分体に宿る意識は、あなたのごく一部です。力も、ごくわずかしか持てません」
女神が、慎重に言う。
「そして、分体はアレンが責任を持って管理します。もし何か問題を起こせば、アレンにも責任が及びます」
「わかった」
獣が、真剣に言う。
「俺は、絶対に問題は起こさない。アレンに迷惑をかけない」
「それと、もう一つ」
女神が、強調する。
「これは強制ではありません。あなたの自由意志です。もし拒否すれば、儀式は行われません」
獣が、即座に答える。
「拒否などしない。俺は、望む。心から、望む」
獣の声が、震える。
「人として生きたい。外の世界を見たい。温かさを感じたい」
「わかりました」
女神が、微笑む。
「では、儀式を始めましょう」
女神が、手を掲げる。
白い光が、集まり始める。
神界中の神気が、この場所に集まってくる。
「モーモーたち、お願いします。神気を放出してください」
「はい」
モーモーたち六頭が、円を作る。
そして、一斉に神気を放出する。
白い光が、中央に集まる。
女神も、魔力を注ぐ。
光が、形を成し始める。
人の形。
最初は、ぼんやりとしている。
でも、徐々にはっきりしてくる。
背が高い。
180センチはあるだろう。
体格は、引き締まっている。
顔立ちは、整っている。
30代後半から40代前半に見える。
髪は、黒い。
短く整えられている。
そして――
目が開く。
金色の目。
混沌の獣と、同じ色の目。
体が、完全に実体化する。
神気を纏った、白い衣装を着ている。
執事服のような、上品な衣装。
その人物が、ゆっくりと立ち上がる。
女神が、言う。
「体の創造、完了しました」
次の段階。
女神が、再び魔法陣に向かって呼びかける。
「混沌の獣よ、意識の一部を分離してください」
「わかった」
封印の中の獣が、目を閉じる。
集中している。
その体から、黒い光が少し分離する。
ほんのわずかな、黒い光。
それが、魔法陣を通じて、神界に送られてくる。
女神が、その光を受け取る。
「では、宿します」
女神が、黒い光を、新しく作られた体に注ぎ込む。
体が、少し震える。
そして――
その人物が、目を開ける。
金色の目が、周囲を見回す。
最初は、戸惑っている。
でも、すぐに理解する。
自分の手を見る。
自分の体を見る。
そして――
涙を流す。
「これが…俺の体…」
声が、出る。
若い男性の、落ち着いた声。
「人間の体…」
その人物が、一歩、足を踏み出す。
よろける。
でも、すぐにバランスを取る。
「歩ける…立てる…」
その人物が、僕を見る。
「お前が…勇者…アレン…」
「はい」
僕は、近づく。
「初めまして。いえ、また会いましたね」
その人物が、深く頭を下げる。
「ありがとう…ほ…本当に………ありがとうございます………」
声が、震えている。
「千年間…千年間、誰も…こんなことをしてくれなかった…」
「もう、孤独ではありません」
僕は、手を差し出す。
「一緒に、生きましょう」
混沌の獣が、僕の手を握る。
温かい手だ。
人間の手だ。
「はい…一緒に…」
女神が、優しく言う。
「アレン名前を、決めましょう」
「名前…」
混沌の獣が、驚く。
「俺に、名前を…?」
「ええ。人として生きるなら、名前が必要です」
女神が、僕を見る。
「アレン、あなたが決めてあげてください」
「僕が…?」
僕は、少し考える。
そして――
「エレボス」
「エレボス…?」
「はい。古代の言葉で『闇』を意味します。でも、あなたは闇そのものではない。闇を纏いながらも、光に向かって歩く存在です」
僕は、続ける。
「エレボス。この名前で、良いですか?」
その人物――エレボスが、涙を流しながら頷く。
「はい…良い名前です…ありがとうございます…」
女神が、確認する。
「本体との繋がりは、どうですか?」
エレボスが、目を閉じる。
しばらく集中する。
そして、目を開ける。
「繋がっています。本体と、意識が共有されています」
「良かった」
女神が、続ける。
「本体は、封印の中で眠り続けます。でも、あなたの経験は全て本体に伝わります」
「わかりました」
エレボスが、自分の体を確認する。
「この体…とても軽いです。そして…」
エレボスが、手を掲げる。
神気が、手に集まる。
「神気を、使えます」
「ええ。その体は、神気を纏っています」
女神が、説明する。
「混沌の獣としての力は、ほとんど使えません。でも、神気を纏った体自体が、半神級の性能を持っています」
「半神級…」
「戦闘力も高く、悪意に対しても敏感に感じ取れます」
女神が、続ける。
「そして、最も重要なことを言います」
「何ですか?」
「あなたの存在は、混沌の浄化にも役立ちます」
「浄化…?」
「封印の場所には、世界中の負の感情が蓄積され続けています。でも、あなたが神気を纏った体で活動すれば、本体との繋がりを通じて、その混沌を少しずつ浄化できます」
エレボスが、驚く。
「俺が…浄化を…?」
「はい。あなたが外で活動すればするほど、神気が混沌を浄化します。そして、ある一定のバランスを保てるようになります」
女神が、微笑む。
「つまり、あなたの存在は、世界のためにもなるのです」
エレボスが、しばらく考える。
そして――
「アレン様」
エレボスが、僕に向き直る。
「はい」
「俺は…あなたに、恩を感じています」
「恩…?」
「千年の孤独から、救ってくれた。人として生きる機会を、与えてくれた」
エレボスが、深く頭を下げる。
「だから、お願いがあります」
「何ですか?」
「あなたのために、働かせてください」
エレボスが、真剣な目で言う。
「あなたの側で仕えさせてください」
「………それなら執事何てどうですか?」
「はい?執事?すいません。俺は、何もわかりません。人間の世界のことも、生活のことも………」
エレボスが、続ける。
「でも、学びます。あなたのために、役に立ちたい。それが、俺の願いです」
そして、微笑む。
「あ!そうですよね。すいません。わかりました。では、僕の執事……いえ、執事長として、一緒に働いてください。細かいことは今後教えていきますので」
エレボスが頷く。
「ありがとうございます! 必ず、お役に立ちます!」
「では、これで儀式は完了です」
「ありがとうございます、セレスティア様」
「いえ、こちらこそ。アレン、あなたの優しさが、新しい道を開きました」
女神が、エレボスを見る。
「エレボス、人間として生きてください。そして、幸せを見つけてください」
「はい、女神様。ありがとうございます」
女神が、手を掲げる。
「では、ノイブルクに送りましょう」
光が、再び僕たちを包む。
そして――
景色が、変わる。
気がつくと、神殿の中にいた。
祭壇の前。
モーモーたち六頭も、一緒だ。
そして――
エレボスも、隣に立っている。
執事服を着た、黒髪の男性。
金色の目を持つ、穏やかな表情。
「成功しました…」
僕は、安堵する。
エレボスが、周囲を見回す。
「ここが…ノイブルク…」
「はい。僕の領地です」
「美しい…」
エレボスが、感動している。
神殿の外から、街の音が聞こえる。
人々の話し声。
子供たちの笑い声。
馬車の音。
エレボスが、涙を流す。
「生きている音…人々の音…」
「これから、毎日聞けますよ」
「ありがとうございます…アレン様…」
神殿を出ると、街の人々が驚いた顔をする。
「あれは…誰だ?」
「アレン様の隣にいる、あの方は…」
エレボスが、少し緊張している。
「大丈夫ですか、エレボス?」
「はい…少し、緊張していますが」
「ゆっくり慣れていけば良いです」
屋敷に向かう。
途中、リトヴァル族の人々とすれ違う。
彼らが、エレボスを見て、少し驚く。
でも、すぐに穏やかな表情になる。
「この方…優しい気配がします」
「神気を纏っている…」
リトアが、近づいてくる。
「アレン様、この方は…?」
「新しい仲間です。エレボス、これから執事長として働いてもらいます」
「執事長…」
リトアが、エレボスに挨拶する。
「初めまして。リトヴァル族の代表、リトアと申します」
「初めまして…エレボスです」
エレボスが、丁寧に頭を下げる。
その仕草が、自然で優雅だ。
リトアが、微笑む。
「良い気配をお持ちです。よろしくお願いします」
「こちらこそ」
屋敷に着くと、家族全員が待っていた。
双子が、駆け寄ってくる。
「お兄ちゃん、帰ってきた!」
「新しい人も!」
エレボスが、双子を見て、優しく微笑む。
「可愛らしい…」
父グレンが、前に出る。
「アレン、この方が…?」
「はい。エレボスです。これから、執事長として働いてもらいます」
エレボスが、深々と頭を下げる。
「初めまして。エレボスと申します。未熟者ですが、精一杯務めさせていただきます」
その礼儀正しさに、父が驚く。
「…しっかりした方だな」
母エレナが、優しく微笑む。
「ようこそ、エレボス。これから、よろしくお願いしますね」
「はい、奥様。よろしくお願いいたします」
ノエルが、興味深そうに見ている。
「この方…不思議な気配がします」
「ノエル、エレボスは特別な存在です。後で詳しく説明します」
エレボスを、用意した部屋に案内する。
「ここが、あなたの部屋です」
エレボスが、部屋を見回す。
清潔で、広い部屋。
窓からは、街が見える。
「俺の…部屋…」
エレボスが、ベッドに触れる。
柔らかい。
「千年で初めて…自分の部屋が…」
エレボスが、泣く。
「ありがとうございます…アレン様…」
「これから、ここがあなたの家です」
僕は、優しく言う。
「ゆっくり休んでください。明日から、少しずつ仕事を覚えていきましょう」
「はい…」
夜、書斎でエレボスと二人で話す。
「本体との繋がりは、どうですか?」
「はい。常に繋がっています」
エレボスが、目を閉じる。
「今、本体も、この経験を共有しています」
「良かった」
「本体が…喜んでいます」
エレボスが、微笑む。
「千年で初めて、温かさを感じている、と」
「これから、もっと温かいものを感じられますよ」
「はい…楽しみです」
エレボスが、真剣な目で言う。
「アレン様、俺は必ず、お役に立ちます」
「焦らなくて良いですよ」
「いえ、俺は執事長として、完璧に務めたい」
エレボスが、決意を込めて言う。
「明日から、勉強します。執事の仕事、屋敷の管理、全てを学びます」
「…わかりました。でも、無理はしないでくださいね」
「はい」
その夜、モーモーから念話が来た。
「主様、エレボス様は大丈夫ですか?」
「はい。部屋で休んでいます」
「良かった…彼が、ようやく自由になれて、嬉しいです」
「モーモーも、協力してくれてありがとう」
「いえ、これは私の喜びです」
モーモーが、続ける。
「五百年前、私は彼に『あなたは一人ではない』と言いました。今度こそ、本当に一人ではなくなりました」
「そうですね」
「主様、ありがとうございます」
「僕こそ、ありがとう、モーモー」
ベッドに入る前、窓から外を見る。
ノイブルクの夜景。
街の明かりが、美しく輝いている。
エレボスの部屋にも、明かりが見える。
彼も、同じ景色を見ているのだろうか。
千年の孤独が、終わった。
新しい仲間が、増えた。
これから、どんな日々が待っているのだろう。
楽しみだ。
そして――
封印の場所では、本体が眠っている。
でも、今は孤独ではない。
分体を通じて、外の世界を感じている。
温かさを、感じている。
それだけで、十分だ。
僕は、ベッドに入る。
明日から、新しい日々が始まる。
エレボスと共に。
次回:第51話「ヴェルデン侵攻」
儀式の日。
朝から、屋敷は慌ただしかった。
双子が、新しい仲間を迎える準備を手伝っている。
「お兄ちゃん、部屋はこれで良い?」
「うん、ありがとう、レオ」
彼の部屋を用意した。
屋敷の二階、僕の部屋の隣だ。
清潔で、広い部屋。
ノエルが、魔導具を設置している。
「これで、念話もしやすくなるはず」
「ありがとう、ノエル」
母エレナが、新しいリネンを持ってくる。
「新しい方が来るなら、ちゃんとしたものを用意しないと」
「母さん、ありがとう」
父グレンも来ている。
「アレン、本当に大丈夫なのか? 神界に行くというのは…」
「大丈夫です。セレスティア様が守ってくれます」
「そうか…」
父が、僕の肩に手を置く。
「気をつけろよ」
「はい」
昼過ぎ、僕は神殿に向かった。
モーモーたち六頭も、一緒だ。
街の人々が、珍しそうに見ている。
「聖牛様たちが、神殿に…」
「何かあるのかしら」
神殿に着くと、祭壇の前に立つ。
モーモーたち六頭も、周囲に並ぶ。
「セレスティア様」
すぐに、返事が来た。
「アレン、準備はできましたか?」
「はい」
「モーモーたちも、来てくれましたね」
「はい。六頭全員です」
「良かった。では、神界に案内します」
女神の声が、続ける。
「目を閉じてください。そして、私の声に従ってください」
「はい」
僕は、目を閉じる。
モーモーたちも、同じようにする。
女神が、呪文を唱え始める。
古代の言葉だ。
意味はわからないが、美しい響きがある。
光が、体を包む。
温かい光。
そして――
浮遊する感覚。
体が、軽くなる。
地面から、離れていく。
次の瞬間――
景色が、一変した。
目を開けると、そこは神殿ではなかった。
広大な、白い空間。
床も、壁も、天井も、全てが白く輝いている。
でも、眩しくはない。
柔らかい、優しい光。
空気が、澄んでいる。
魔素が、全くない。
むしろ、神気に満ちている。
「ここが…神界…」
モーモーが、周囲を見回す。
「美しい…」
アルフォンスたち五頭も、感動している。
「これが、神々の住む場所…」
その時――
前方から、光が近づいてくる。
人の形をした、光。
それが、徐々にはっきりしてくる。
美しい女性の姿。
長い金色の髪。
白い衣装。
そして、優しい微笑み。
「セレスティア様…!」
女神セレスティアが、実体として目の前に立っている。
「アレン、よく来てくれました」
女神が、僕に近づく。
その姿は、像で見たものと同じだ。
でも、実際に見ると、圧倒的な存在感がある。
「そして、神牛たちも。ようこそ、神界へ」
モーモーたち六頭が、深く頭を下げる。
「女神様、お招きいただき、光栄です」
「いえ、こちらこそ感謝します。あなたたちの力が必要なのです」
女神が、僕を見る。
「アレン、準備はできていますか?」
「はい」
「では、まず混沌の獣に連絡を取りましょう。彼の意思を確認しなければなりません」
女神が、手を掲げる。
空間に、魔法陣が浮かび上がる。
複雑な、古代の魔法陣。
それが、光り始める。
そして――
魔法陣の中央に、映像が映し出される。
封印の場所だ。
青白い光の中に、混沌の獣がいる。
横たわって、眠っているように見える。
女神が、呼びかける。
「混沌の獣よ、目を覚ましてください」
獣が、ゆっくりと目を開ける。
金色の目が、こちらを見る。
「…女神か。久しぶりだな」
「千年ぶりですね」
女神が、優しく言う。
「今日は、あなたに提案があります」
「提案…?」
獣が、不思議そうに首を傾げる。
女神が、続ける。
「勇者の転生、アレンがあなたを救いたいと言っています」
「救う…? 俺を?」
獣が、驚く。
「何を言っている。俺を封印したのではないか」
「封印は、世界を守るために必要でした。でも」
女神が、僕を見る。
「アレンは、それだけでは満足していません。あなたの孤独を、終わらせたいと思っています」
獣の目が、僕を見る。
「勇者よ…お前が、そんなことを…」
「はい」
僕は、真剣に言う。
「あなたを、孤独から救いたい。千年の孤独を、終わらせたい」
「でも、どうやって? 俺は、封印されなければならない。世界のバランスのために」
「方法があります」
女神が、説明を始める。
「分体を作るのです」
「分体…?」
「あなたの本体は、封印の中に残します。でも、意識の一部を分離して、別の体に宿らせます」
女神が続ける。
「その体は、人間の姿を取ります。そして、アレンと共に、人間として生活します」
獣が、しばらく黙る。
信じられない、という表情だ。
「人間として…生活する…?」
「はい。本体は封印の中で眠り続けます。でも、分体は外で生活できます」
女神が、優しく言う。
「分体の経験は、本体とも共有されます。分体が見たもの、聞いたもの、感じたもの、全てがあなたにも伝わります」
「つまり…俺も、外の世界を経験できる…?」
「そうです」
獣の目から、涙が溢れる。
「そんなこと…可能なのか…」
「神界の許可が出ました」
女神が、続ける。
「神々も、あなたの千年の孤独を憐れんでいます。少しでも、その苦しみを和らげたいと」
獣が、震える。
「千年…千年間、誰も…誰も俺を救おうとしなかった…」
獣の声が、かすれる。
「封印するしかない、と。それが唯一の解決策だ、と」
「そうですね」
女神が、静かに言う。
「でも、アレンは違いました。あなたを救いたいと、心から思っています」
獣が、僕を見る。
「勇者よ…なぜだ…なぜ、そこまで…」
「あなたは、悪ではないからです」
僕は、真剣に言う。
「役割を与えられただけ。世界が生み出しただけ。それは、あなたの選択ではない」
「…」
「だから、救いたい。孤独から、解放したい」
僕は、続ける。
「千年の孤独は、もう十分です。これから先、あなたにも温かい時間を過ごしてほしい」
獣が、声を上げて泣く。
巨大な体が、震える。
「ありがとう…ありがとう…」
獣の声が、何度も繰り返す。
「千年で初めて…誰かが、俺を救おうとしてくれた…」
モーモーが、前に出る。
「私も、嬉しいです」
獣が、モーモーを見る。
「お前…神牛…」
「はい。五百年前、私はあなたに言いました。『あなたは一人ではない』と」
「覚えている…」
「今度こそ、本当に一人ではなくなります」
モーモーが、優しく言う。
「主様と共に、私たちと共に、生きてください」
獣が、涙を流しながら頷く。
「ありがとう…本当に、ありがとう…」
女神が、続ける。
「では、条件を説明します」
「条件…?」
「分体に宿る意識は、あなたのごく一部です。力も、ごくわずかしか持てません」
女神が、慎重に言う。
「そして、分体はアレンが責任を持って管理します。もし何か問題を起こせば、アレンにも責任が及びます」
「わかった」
獣が、真剣に言う。
「俺は、絶対に問題は起こさない。アレンに迷惑をかけない」
「それと、もう一つ」
女神が、強調する。
「これは強制ではありません。あなたの自由意志です。もし拒否すれば、儀式は行われません」
獣が、即座に答える。
「拒否などしない。俺は、望む。心から、望む」
獣の声が、震える。
「人として生きたい。外の世界を見たい。温かさを感じたい」
「わかりました」
女神が、微笑む。
「では、儀式を始めましょう」
女神が、手を掲げる。
白い光が、集まり始める。
神界中の神気が、この場所に集まってくる。
「モーモーたち、お願いします。神気を放出してください」
「はい」
モーモーたち六頭が、円を作る。
そして、一斉に神気を放出する。
白い光が、中央に集まる。
女神も、魔力を注ぐ。
光が、形を成し始める。
人の形。
最初は、ぼんやりとしている。
でも、徐々にはっきりしてくる。
背が高い。
180センチはあるだろう。
体格は、引き締まっている。
顔立ちは、整っている。
30代後半から40代前半に見える。
髪は、黒い。
短く整えられている。
そして――
目が開く。
金色の目。
混沌の獣と、同じ色の目。
体が、完全に実体化する。
神気を纏った、白い衣装を着ている。
執事服のような、上品な衣装。
その人物が、ゆっくりと立ち上がる。
女神が、言う。
「体の創造、完了しました」
次の段階。
女神が、再び魔法陣に向かって呼びかける。
「混沌の獣よ、意識の一部を分離してください」
「わかった」
封印の中の獣が、目を閉じる。
集中している。
その体から、黒い光が少し分離する。
ほんのわずかな、黒い光。
それが、魔法陣を通じて、神界に送られてくる。
女神が、その光を受け取る。
「では、宿します」
女神が、黒い光を、新しく作られた体に注ぎ込む。
体が、少し震える。
そして――
その人物が、目を開ける。
金色の目が、周囲を見回す。
最初は、戸惑っている。
でも、すぐに理解する。
自分の手を見る。
自分の体を見る。
そして――
涙を流す。
「これが…俺の体…」
声が、出る。
若い男性の、落ち着いた声。
「人間の体…」
その人物が、一歩、足を踏み出す。
よろける。
でも、すぐにバランスを取る。
「歩ける…立てる…」
その人物が、僕を見る。
「お前が…勇者…アレン…」
「はい」
僕は、近づく。
「初めまして。いえ、また会いましたね」
その人物が、深く頭を下げる。
「ありがとう…ほ…本当に………ありがとうございます………」
声が、震えている。
「千年間…千年間、誰も…こんなことをしてくれなかった…」
「もう、孤独ではありません」
僕は、手を差し出す。
「一緒に、生きましょう」
混沌の獣が、僕の手を握る。
温かい手だ。
人間の手だ。
「はい…一緒に…」
女神が、優しく言う。
「アレン名前を、決めましょう」
「名前…」
混沌の獣が、驚く。
「俺に、名前を…?」
「ええ。人として生きるなら、名前が必要です」
女神が、僕を見る。
「アレン、あなたが決めてあげてください」
「僕が…?」
僕は、少し考える。
そして――
「エレボス」
「エレボス…?」
「はい。古代の言葉で『闇』を意味します。でも、あなたは闇そのものではない。闇を纏いながらも、光に向かって歩く存在です」
僕は、続ける。
「エレボス。この名前で、良いですか?」
その人物――エレボスが、涙を流しながら頷く。
「はい…良い名前です…ありがとうございます…」
女神が、確認する。
「本体との繋がりは、どうですか?」
エレボスが、目を閉じる。
しばらく集中する。
そして、目を開ける。
「繋がっています。本体と、意識が共有されています」
「良かった」
女神が、続ける。
「本体は、封印の中で眠り続けます。でも、あなたの経験は全て本体に伝わります」
「わかりました」
エレボスが、自分の体を確認する。
「この体…とても軽いです。そして…」
エレボスが、手を掲げる。
神気が、手に集まる。
「神気を、使えます」
「ええ。その体は、神気を纏っています」
女神が、説明する。
「混沌の獣としての力は、ほとんど使えません。でも、神気を纏った体自体が、半神級の性能を持っています」
「半神級…」
「戦闘力も高く、悪意に対しても敏感に感じ取れます」
女神が、続ける。
「そして、最も重要なことを言います」
「何ですか?」
「あなたの存在は、混沌の浄化にも役立ちます」
「浄化…?」
「封印の場所には、世界中の負の感情が蓄積され続けています。でも、あなたが神気を纏った体で活動すれば、本体との繋がりを通じて、その混沌を少しずつ浄化できます」
エレボスが、驚く。
「俺が…浄化を…?」
「はい。あなたが外で活動すればするほど、神気が混沌を浄化します。そして、ある一定のバランスを保てるようになります」
女神が、微笑む。
「つまり、あなたの存在は、世界のためにもなるのです」
エレボスが、しばらく考える。
そして――
「アレン様」
エレボスが、僕に向き直る。
「はい」
「俺は…あなたに、恩を感じています」
「恩…?」
「千年の孤独から、救ってくれた。人として生きる機会を、与えてくれた」
エレボスが、深く頭を下げる。
「だから、お願いがあります」
「何ですか?」
「あなたのために、働かせてください」
エレボスが、真剣な目で言う。
「あなたの側で仕えさせてください」
「………それなら執事何てどうですか?」
「はい?執事?すいません。俺は、何もわかりません。人間の世界のことも、生活のことも………」
エレボスが、続ける。
「でも、学びます。あなたのために、役に立ちたい。それが、俺の願いです」
そして、微笑む。
「あ!そうですよね。すいません。わかりました。では、僕の執事……いえ、執事長として、一緒に働いてください。細かいことは今後教えていきますので」
エレボスが頷く。
「ありがとうございます! 必ず、お役に立ちます!」
「では、これで儀式は完了です」
「ありがとうございます、セレスティア様」
「いえ、こちらこそ。アレン、あなたの優しさが、新しい道を開きました」
女神が、エレボスを見る。
「エレボス、人間として生きてください。そして、幸せを見つけてください」
「はい、女神様。ありがとうございます」
女神が、手を掲げる。
「では、ノイブルクに送りましょう」
光が、再び僕たちを包む。
そして――
景色が、変わる。
気がつくと、神殿の中にいた。
祭壇の前。
モーモーたち六頭も、一緒だ。
そして――
エレボスも、隣に立っている。
執事服を着た、黒髪の男性。
金色の目を持つ、穏やかな表情。
「成功しました…」
僕は、安堵する。
エレボスが、周囲を見回す。
「ここが…ノイブルク…」
「はい。僕の領地です」
「美しい…」
エレボスが、感動している。
神殿の外から、街の音が聞こえる。
人々の話し声。
子供たちの笑い声。
馬車の音。
エレボスが、涙を流す。
「生きている音…人々の音…」
「これから、毎日聞けますよ」
「ありがとうございます…アレン様…」
神殿を出ると、街の人々が驚いた顔をする。
「あれは…誰だ?」
「アレン様の隣にいる、あの方は…」
エレボスが、少し緊張している。
「大丈夫ですか、エレボス?」
「はい…少し、緊張していますが」
「ゆっくり慣れていけば良いです」
屋敷に向かう。
途中、リトヴァル族の人々とすれ違う。
彼らが、エレボスを見て、少し驚く。
でも、すぐに穏やかな表情になる。
「この方…優しい気配がします」
「神気を纏っている…」
リトアが、近づいてくる。
「アレン様、この方は…?」
「新しい仲間です。エレボス、これから執事長として働いてもらいます」
「執事長…」
リトアが、エレボスに挨拶する。
「初めまして。リトヴァル族の代表、リトアと申します」
「初めまして…エレボスです」
エレボスが、丁寧に頭を下げる。
その仕草が、自然で優雅だ。
リトアが、微笑む。
「良い気配をお持ちです。よろしくお願いします」
「こちらこそ」
屋敷に着くと、家族全員が待っていた。
双子が、駆け寄ってくる。
「お兄ちゃん、帰ってきた!」
「新しい人も!」
エレボスが、双子を見て、優しく微笑む。
「可愛らしい…」
父グレンが、前に出る。
「アレン、この方が…?」
「はい。エレボスです。これから、執事長として働いてもらいます」
エレボスが、深々と頭を下げる。
「初めまして。エレボスと申します。未熟者ですが、精一杯務めさせていただきます」
その礼儀正しさに、父が驚く。
「…しっかりした方だな」
母エレナが、優しく微笑む。
「ようこそ、エレボス。これから、よろしくお願いしますね」
「はい、奥様。よろしくお願いいたします」
ノエルが、興味深そうに見ている。
「この方…不思議な気配がします」
「ノエル、エレボスは特別な存在です。後で詳しく説明します」
エレボスを、用意した部屋に案内する。
「ここが、あなたの部屋です」
エレボスが、部屋を見回す。
清潔で、広い部屋。
窓からは、街が見える。
「俺の…部屋…」
エレボスが、ベッドに触れる。
柔らかい。
「千年で初めて…自分の部屋が…」
エレボスが、泣く。
「ありがとうございます…アレン様…」
「これから、ここがあなたの家です」
僕は、優しく言う。
「ゆっくり休んでください。明日から、少しずつ仕事を覚えていきましょう」
「はい…」
夜、書斎でエレボスと二人で話す。
「本体との繋がりは、どうですか?」
「はい。常に繋がっています」
エレボスが、目を閉じる。
「今、本体も、この経験を共有しています」
「良かった」
「本体が…喜んでいます」
エレボスが、微笑む。
「千年で初めて、温かさを感じている、と」
「これから、もっと温かいものを感じられますよ」
「はい…楽しみです」
エレボスが、真剣な目で言う。
「アレン様、俺は必ず、お役に立ちます」
「焦らなくて良いですよ」
「いえ、俺は執事長として、完璧に務めたい」
エレボスが、決意を込めて言う。
「明日から、勉強します。執事の仕事、屋敷の管理、全てを学びます」
「…わかりました。でも、無理はしないでくださいね」
「はい」
その夜、モーモーから念話が来た。
「主様、エレボス様は大丈夫ですか?」
「はい。部屋で休んでいます」
「良かった…彼が、ようやく自由になれて、嬉しいです」
「モーモーも、協力してくれてありがとう」
「いえ、これは私の喜びです」
モーモーが、続ける。
「五百年前、私は彼に『あなたは一人ではない』と言いました。今度こそ、本当に一人ではなくなりました」
「そうですね」
「主様、ありがとうございます」
「僕こそ、ありがとう、モーモー」
ベッドに入る前、窓から外を見る。
ノイブルクの夜景。
街の明かりが、美しく輝いている。
エレボスの部屋にも、明かりが見える。
彼も、同じ景色を見ているのだろうか。
千年の孤独が、終わった。
新しい仲間が、増えた。
これから、どんな日々が待っているのだろう。
楽しみだ。
そして――
封印の場所では、本体が眠っている。
でも、今は孤独ではない。
分体を通じて、外の世界を感じている。
温かさを、感じている。
それだけで、十分だ。
僕は、ベッドに入る。
明日から、新しい日々が始まる。
エレボスと共に。
次回:第51話「ヴェルデン侵攻」
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