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第5章:「子爵になって、神の使徒になって、婚約もして。あ、魔の森の開拓もありました。貴族って、こんなに忙しいものなんですか?」
第57話「開拓の進行と城壁建設の苦戦」
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第57話「開拓の進行と城壁建設の苦戦」
41日目の朝。
レンの屋敷。
執務室。
レンが、地図を広げている。
開拓の進捗を、確認している。
(40日で、60.5km²を開拓した……)
レンが、考える。
(残りは、約239.5km²……)
(1日2.25km²のペースなら……約106日……約3ヶ月半……)
(順調に進めば、開拓開始から約5ヶ月で完成する)
レンが、微笑む。
(それと……城壁の建設も、そろそろ始めなければ)
レンが、城壁の設計図を見る。
(領地の形は……台形……)
レンが、地図を確認する。
(辺境伯領側の幅:約5km)
(奥側の幅:約25km)
(奥行き:約25km)
(外周は……約90km……)
レンが、計算する。
(巨大な工事だ……)
(開拓と並行して、進めよう)
レンが、立ち上がる。
「今日も、頑張ろう」
開拓の継続
41日目の開拓
レンが、魔の森へ。
転移魔法で、開拓地の端へ。
「今日も、2.25km²……」
レンが、呟く。
(「俺」……また出てしまった……)
レンが、苦笑する。
(まあ、少しずつだな)
500m四方×9回
レンが、開拓を始める。
1回目。
「クラフト:魔石」
魔素を抜く。
木を整理する。
完了。
2回目、3回目、4回目、5回目、6回目、7回目、8回目、9回目。
夕方。
「ふう……」
レンが、息をつく。
「今日も、2.25km²完了だ」
42日目~50日目
レンは、毎日2.25km²ずつ開拓を続けた。
42日目、完了。
43日目、完了。
44日目、完了。
45日目、完了。
46日目、完了。
47日目、完了。
48日目、完了。
49日目、完了。
50日目、完了。
開拓開始から、50日。
計算すると――
開拓20日で20km²。
21-30日で22.5km²(10日×2.25km²)。
31日で湖建設(カウントなし)。
32日でダンジョン調査(カウントなし)。
33-50日で40.5km²(18日×2.25km²)。
合計83km²。
既存の9km²と合わせて、92km²。
順調だった。
魔獣との戦闘(46日目)
開拓作業中。
Sランク魔獣「ヒドラ」が出現。
三つ首の大蛇。
体長20メートル。
緑色の鱗。
猛毒を持つ。
「シャアアアア!」
三つの頭が、同時に叫ぶ。
「Sランク……」
レンが、警戒する。
レンが、戦う。
半神の力、全開。
「バインド×30」
「ホーリーランス×5」
激しい戦闘。
15分以上。
ヒドラの首を、一つずつ倒す。
ついに――
ヒドラが、倒れる。
「ふう……」
レンが、息をつく。
「Sランク……強かった……」
レンが、ヒドラの体から魔石を取り出す。
クラフト魔法で。
Sランク魔石。
3個。
三つの頭から、それぞれ。
深い緑色に輝く魔石。
毒属性。
「Sランク魔石が3個……貴重だ……」
レンが、驚く。
「収納」
ヒドラの死体と魔石を、空間収納に。
51日目~59日目
開拓を、続ける。
51日目、完了。
52日目、完了。
53日目、完了。
54日目、完了。
55日目、完了。
56日目、完了。
57日目、完了。
58日目、完了。
59日目、完了。
順調だった。
60日目
開拓開始から、60日。
計算すると――
開拓20日で20km²。
21-30日で22.5km²(10日×2.25km²)。
33-60日で63km²(28日×2.25km²)。
合計105.5km²。
既存の9km²と合わせて、114.5km²。
順調だった。
城壁建設の開始
60日目の会議
レンの屋敷。
会議室。
レン、エドガー、グンター、ドワーフ4人、シンリ(測量チーム長)。
「60日で、105.5km²を開拓しました」
レンが、報告する。
「残りは、約194.5km²です」
「順調ですね」
エドガーが、微笑む。
「そして……」
レンが、城壁の設計図を広げる。
「今日から、城壁の建設を開始します」
「!」
全員が、緊張する。
「まず、領地の形状を説明します」
レンが、地図を指す。
「私たちの領地は、台形です」
「辺境伯領側の幅:約5km」
「奥側の幅:約25km」
「奥行き:約25km」
「総面積:約314km²」
「外周は……約90kmです」
「90km……!」
グンターが、驚く。
「それは……」
「はい。巨大な工事です」
レンが、頷く。
「城壁の高さ:10メートル」
「厚さ:5メートル」
「頂上に、幅2メートルの通路と胸壁」
「これを、クラフト魔法で建設します」
レンが、宣言する。
「!」
「クラフト魔法で……」
ボルンが、驚く。
「はい。手作業では、何十年もかかります。魔の森での作業は危険です。そんなのんびりしたことはできません」
レンが、説明する。
「私が、直接魔法で建設します。1日に数km単位で建設できるでしょう」
「凄い……」
エドガーが、感嘆する。
「ボルン、ドワーフの皆さんには、設計の監督と品質チェックをお願いします」
レンが、言う。
「了解しました!」
ボルンが、力強く頷く。
「私たちドワーフが、しっかりチェックします!」
城壁建設の計画
「城壁は、領地の外周に沿って建設します」
シンリが、地図を指す。
「まずは、辺境伯領側から始めます。幅約5kmの区間です」
「工期は……」
シンリが、計算する。
「レン様の魔法なら……約1ヶ月で完成できるでしょう」
「1ヶ月……」
グンターが、驚く。
「手作業なら何年もかかる工事を……」
「はい。半神の力を、有効に使います」
レンが、微笑む。
「頑張りましょう」
全員が、頷く。
61日目・城壁建設開始
レンが、領地の辺境伯領側の境界線に立つ。
シンリ、ボルン、ドワーフ3人が、同行している。
「ここから、城壁を建設します」
レンが、言う。
レンが、集中する。
半神の力を、解放する。
「クラフト:城壁」
レンが、魔法を発動する。
光が、爆発する。
金色と銀色の光。
眩しい。
地面が、隆起する。
巨大な城壁が、出現する。
高さ10メートル。
厚さ5メートル。
石造りの堅固な城壁。
頂上に、幅2メートルの通路。
外側に、胸壁。
長さ……3km。
一瞬で、3kmの城壁が完成する。
「!」
全員が、驚愕する。
「凄い……」
ボルンが、呆然とする。
「一瞬で……3km……」
「品質を、確認してください」
レンが、言う。
ボルンとドワーフたちが、城壁を調べる。
石の積み方。
接合部。
強度。
「……完璧です……」
ボルンが、感嘆する。
「この品質……私たちが何ヶ月もかけて作ったものと同等……いや、それ以上です……」
「良かった」
レンが、安堵する。
「では、続けます」
レンが、再び魔法を発動する。
「クラフト:城壁」
光が、爆発する。
さらに3kmの城壁が、出現する。
62日目~64日目
レンは、毎日3kmずつ城壁を建設した。
62日目、3km完了。
63日目、3km完了。
64日目、3km完了。
合計15km。
順調だった。
予定外のトラブル
65日目・地盤の問題
城壁建設、5日目。
レンが、西側の区間で城壁を建設しようとする。
その時――
《レン、注意してくれ》
シルの声が、頭の中に響く。
『シル、何が?』
《この先の地盤が弱い。地下5メートルに、粘土質の軟弱層がある》
シルが、警告する。
《このまま城壁を建設すると、傾く可能性がある》
「!」
レンが、立ち止まる。
「地盤が弱い……」
レンが、呟く。
レンが、地面に手を置く。
魔力を、流す。
地下を、探る。
「……」
レンが、集中する。
「これは……地下5メートルに、粘土質の軟弱層がある……」
レンが、確認する。
「幅約2km、深さ約3メートルの層だ……」
「レン様、どうされますか?」
ボルンが、聞く。
「地盤を補強します」
レンが、答える。
粘土の取り出し
「まず、粘土を取り出してみます」
レンが、言う。
「転移」
レンが、転移魔法を発動する。
地下5メートルから、粘土が出現する。
大量の粘土。
数トン。
「これが……粘土質の軟弱層……」
レンが、粘土を見る。
「!」
ボルンが、粘土に駆け寄る。
手に取る。
触る。
こねる。
「これは……!」
ボルンが、驚く。
「レン様!これは、素晴らしく良質な粘土です!」
ボルンが、興奮する。
「良質な……粘土……?」
レンが、聞く。
「はい!この粘土なら、最高級の陶器が作れます!耐火レンガも作れます!」
ボルンが、目を輝かせる。
他のドワーフたちも、粘土を調べる。
「本当だ……この質感……」
「粘り気が完璧だ……」
「こんな良質な粘土、初めて見た……」
ドワーフたちが、興奮している。
「そうですか……それなら……」
レンが、考える。
「この粘土は、皆さんに差し上げます」
レンが、言う。
「!」
「本当ですか!?」
ボルンが、驚く。
「はい。私は地盤を固めたいだけです。粘土は必要ありません」
レンが、微笑む。
「ありがとうございます、レン様!」
ドワーフたちが、喜ぶ。
地盤の補強
「では、地盤を補強します」
レンが、言う。
「空間収納に、大量の岩と土があります。開拓で取り除いたものや、湖を作った時に出たものです」
レンが、説明する。
「これを、粘土と入れ替えます」
「転移」
レンが、魔法を発動する。
地下5メートルの粘土が、次々と地上に出現する。
同時に、空間収納の岩と土が、地下に転移する。
大規模な、土の入れ替え。
数十分後。
「完了だ」
レンが、言う。
レンが、再び地下を探る。
「地盤が固まった……これなら、大丈夫だ」
地上には、大量の粘土が積まれている。
「この粘土……全部で約500トンあります」
レンが、計算する。
「500トン……!」
ボルンが、驚愕する。
「それだけあれば……何年も使えます……!」
「アイテムバッグに入れてください」
レンが、言う。
レンが、クラフト魔法でアイテムバッグを作る。
大容量のアイテムバッグ。
「クラフト:アイテムバッグ×10」
10個のアイテムバッグが、出現する。
粘土を、バッグに入れる。
50トンずつ。
「これを、皆さんで使ってください」
レンが、ドワーフたちに渡す。
「ありがとうございます!!」
ドワーフたちが、大喜びする。
「これで、最高級の陶器が作れます!」
「耐火レンガも大量に作れます!」
「鍛冶炉の修理もできます!」
ドワーフたちが、興奮している。
「良かった」
レンが、微笑む。
(問題が、資源に変わった……)
レンが、思う。
(これも、シルのおかげだな)
《……》
シルが、静かに聞いている。
《良い判断だ、レン》
シルが、言う。
《粘土を有効活用できた》
『ありがとう、シル』
全区間の地盤調査
「他にも軟弱な箇所があるかもしれません」
レンが、言う。
「城壁建設予定の全区間を、事前に調査します」
レンが、領地の外周を調査する。
転移魔法で、移動しながら。
北側……問題なし。
東側……問題なし。
南側……問題なし。
西側……軟弱層3ヶ所(既に補強済み1ヶ所)。
追加で2ヶ所、補強。
同様に、粘土を取り出す。
岩と土を、転移で入れ替える。
取り出した粘土も、ドワーフたちに渡す。
「これで、全区間の地盤が確保されました」
レンが、報告する。
「事前に調査して良かったですね……」
ボルンが、安堵する。
合計で、粘土約1000トンを取り出した。
全て、ドワーフたちに渡した。
「こんなに粘土をもらって……本当にいいんですか……?」
ボルンが、恐縮する。
「はい。皆さんが有効活用してくれるなら、それが一番です」
レンが、微笑む。
「むしろ、感謝します。問題を指摘してくれて」
「レン様……」
ドワーフたちが、感動する。
城壁建設の継続
66日目~80日目
地盤の問題を解決後。
レンは、城壁建設を再開した。
毎日、3kmずつ建設する。
66日目、3km完了。
67日目、3km完了。
68日目、3km完了。
順調に、進む。
時々、魔獣の襲撃があった。
魔獣の襲撃(70日目)
城壁建設中。
魔獣の群れが、襲来する。
オーク×20体。
トロール×10体。
ダイアウルフ×30体。
合計60体。
警備チーム50名と辺境伯の騎士団20名が、迎撃する。
「グオオオ!」
「ガアアア!」
激しい戦闘。
レンも、参戦する。
「バインド×60」
全ての魔獣が、止まる。
「ライトニングストーム」
雷の嵐が、降り注ぐ。
「ギャアアアア!」
魔獣が、次々と倒れる。
戦闘終了。
「お疲れ様でした」
レンが、警備チームに言う。
「ありがとうございます、レン様!」
警備隊長が、感謝する。
魔石を、回収する。
80日目
城壁建設開始から、20日。
計算すると――
15km(61-64日)+45km(66-80日、15日×3km)。
合計60km。
残り、約30km。
「60km完成……」
レンが、呟く。
「残り30km……あと10日だ」
開拓も、続けていた。
計算すると――
105.5km²(60日時点)+45km²(61-80日、20日×2.25km²)。
合計150.5km²。
既存の9km²と合わせて、159.5km²。
「80日で、約150.5km²を開拓した……」
レンが、確認する。
「残りは、約149.5km²……折り返し地点を過ぎた」
80日目の会議
レンの屋敷。
会議室。
レン、エドガー、グンター、ボルン、シンリ。
「80日間の進捗を報告します」
レンが、言う。
「開拓は、150.5km²完了しました。残りは、約149.5km²です」
「!」
「半分を超えましたね!」
エドガーが、喜ぶ。
「城壁は……」
レンが、続ける。
「60km完成しています。残り約30kmです」
「あと10日で、城壁が完成しますね」
シンリが、計算する。
「はい。順調です」
レンが、頷く。
「地盤の問題も、シルのおかげで解決できました」
レンが、言う。
「粘土を大量にもらえて……本当に感謝しています」
ボルンが、頭を下げる。
「あの粘土で、もう耐火レンガを100個作りました」
「それは良かったです」
レンが、微笑む。
「魔獣の襲撃も、全て撃退しました」
グンターが、報告する。
「警備体制は、万全です」
「ありがとうございます」
レンが、感謝する。
「これからも、頑張りましょう」
全員が、頷く。
城壁完成と90日目
81日目~90日目
レンは、城壁建設と開拓を並行して続けた。
城壁建設。
81日目、3km完了。
82日目、3km完了。
83日目、3km完了。
84日目、3km完了。
85日目、3km完了。
86日目、3km完了。
87日目、3km完了。
88日目、3km完了。
89日目、3km完了。
90日目、3km完了。
合計30km。
開拓も、続けた。
81日目~90日目で、22.5km²(10日×2.25km²)。
90日目・城壁完成
90日目の夕方。
レンが、最後の3kmの城壁を建設する。
「クラフト:城壁」
光が、爆発する。
金色と銀色の光。
最後の3kmの城壁が、出現する。
「……完成だ」
レンが、呟く。
「城壁……完成した……」
レンが、城壁に手を触れる。
硬い。
冷たい。
確かな、存在感。
「90kmの城壁……」
レンが、感慨深く思う。
「30日で、完成した……」
ボルンが、駆け寄る。
「レン様!城壁、完成しましたね!」
ボルンが、喜ぶ。
「はい。ボルン、皆さんのおかげです」
レンが、微笑む。
「設計と品質チェック、本当にありがとうございました」
「いえ……レン様の魔法が凄すぎて……私たちは見ているだけでした……」
ボルンが、照れる。
「そんなことはありません。皆さんの監督のおかげで、完璧な城壁ができました」
レンが、言う。
城壁の上を歩く
レンが、城壁の上に登る。
石造りの階段を、上る。
頂上に、出る。
幅2メートルの通路。
レンが、通路を歩く。
右を見る。
領地の内側。
美しい林が、広がっている。
中央に、大きな湖。
左を見る。
領地の外側。
まだ開拓されていない、魔の森。
「ここから……全てを守れる」
レンが、呟く。
胸壁に、手を置く。
「この城壁が、領民を守る……」
レンが、決意する。
90日目の会議
レンの屋敷。
会議室。
レン、エドガー、グンター、ボルン、シンリ、ライカ。
「90日間の進捗を報告します」
レンが、言う。
「開拓は、173km²完了しました。残りは、約127km²です」
計算:
150.5km²(80日時点)+22.5km²(10日×2.25km²)。
合計173km²。
既存の9km²と合わせて、182km²。
「城壁は……完成しました」
レンが、宣言する。
「周囲約90km、高さ10メートル、厚さ5メートル、頂上通路2メートル+胸壁」
「!」
全員が、拍手する。
「城壁完成、おめでとうございます!」
エドガーが、賞賛する。
「ありがとうございます」
レンが、微笑む。
「皆さんのおかげです」
「トラブルもありましたが……」
ボルンが、振り返る。
「地盤の問題……でも、粘土という素晴らしい資源を得られました」
「魔獣の襲撃も、全て撃退しました」
グンターが、言う。
「本当に、素晴らしいチームワークでしたね」
シンリが、感心する。
「これからも、よろしくお願いします」
レンが、全員に頭を下げる。
「こちらこそ!」
全員が、声を揃える。
「開拓は、あと約56日で完成します」
シンリが、計算する。
「約2ヶ月以内ですね」
「はい。頑張ります」
レンが、決意する。
その夜・レンの執務室
レンの執務室。
レンが、椅子に座っている。
机の上に、地図。
開拓の進捗。
完成した城壁。
(90日で、ここまで来た……)
レンが、考える。
(開拓は、173km²完了……)
(城壁も、完成した……)
(トラブルもあった……地盤の問題……でも、粘土という資源を得られた……)
(仲間と協力して……シルの助けも借りて……)
レンが、微笑む。
(これが、領主の仕事なんだな……)
(一人では、できない……みんなで、協力する……)
(俺は、まだ未熟だ……でも、少しずつ成長している……)
(貴族として……領主として……)
《レン》
シルの声が、頭の中に響く。
『シル』
《90日間、よく頑張った》
シルが、言う。
《城壁90kmを30日で完成させた。普通なら何十年もかかる工事だ》
『ありがとう、シル……』
レンが、感謝する。
『地盤の問題も、シルが教えてくれなければ気づかなかった』
《粘土の発見も、良い結果だった》
シルが、言う。
《ドワーフたちが喜んでいた》
『はい。問題が、資源に変わりました』
《これからも、サポートする。何かあれば、いつでも呼んでくれ》
『はい。頼りにしています』
携帯電話を、手に取る。
「004」を入力。
アリシア。
通話ボタン。
『もしもし、アリシアです』
アリシアの声。
「私です、レンです」
レンが、言う。
(「私」……自然に言えた)
レンが、心の中で思う。
『レン様!どうされましたか?』
「90日間の進捗を報告したくて。173km²を開拓しました。そして、城壁が完成しました」
レンが、報告する。
『!』
『城壁が、完成したんですか!?』
アリシアが、驚く。
「はい。周囲90km、高さ10メートル、厚さ5メートルです」
レンが、言う。
『凄いです!本当に、凄いです、レン様!』
アリシアが、喜ぶ。
「トラブルもありました。地盤の問題……でも、良質な粘土を大量に発見して、ドワーフたちに渡しました」
レンが、説明する。
『素晴らしい判断ですね……』
アリシアが、感心する。
「開拓も、あと2ヶ月以内に完成します」
レンが、言う。
『はい!応援しています!おやすみなさい、レン様!』
アリシアが、励ます。
「おやすみなさい、アリシア」
通話を切る。
レンが、ベッドに横になる。
アラクネが、胸の上に乗る。
「キュルル~」
「おやすみ、アラクネ」
「キュルル……」
その時――
念話が、響く。
『レン様!!』
エリシアの声。
『エリシア様』
レンが、答える。
『城壁完成、おめでとうございます!!90kmの城壁を30日で!凄いです!!』
エリシアが、賞賛する。
『ありがとうございます』
レンが、照れる。
『地盤の問題も、見事に解決しましたね。粘土を資源に変えるとは……素晴らしい判断です』
エリシアが、言う。
『シルのおかげです』
レンが、答える。
『シルも、良い仕事をしていますね。でも、それを活かしたのはレン様です』
エリシアが、優しく言う。
『それと……レン様、もう「私」が完全に定着しましたね』
エリシアが、笑う。
『はい……気づいたら、自然になっていました』
レンが、照れる。
『素晴らしいです。本当に、立派な貴族になられましたね』
エリシアが、優しく言う。
『まだまだ、未熟ですが……これからも、頑張ります』
レンが、決意する。
『はい!あと2ヶ月で開拓完了です!頑張ってください!』
エリシアが、励ます。
『はい。必ず、完成させます』
『では、おやすみなさい!』
エリシアが、言う。
『おやすみなさい、エリシア様』
念話が、切れる。
レンが、目を閉じる。
静かに、眠りにつく。
(あと2ヶ月……必ず、完成させる……)
(そして、この領地を……最高の領地にする……)
(一人ではなく……仲間と協力して……)
レンが、決意する。
明日への、期待を胸に。
第57話 完
次回予告:
第58話「開拓完了と領地の完成」
91日目から、レンは最後の開拓を続ける。
1日2.25km²のペース。
順調に、進む。
魔獣の襲撃も、全て撃退。
100日目、110日目、120日目……
着実に、進む。
そして――
開拓開始から約4ヶ月半。
146日目。
ついに――
300km²以上の開拓、完了。
最終測量の結果。
正確な面積:305km²。
既存の9km²と合わせて、314km²。
予想を超える、大領地。
完成の、喜び。
全員で、祝う。
そして――
王都への報告準備が始まる。
41日目の朝。
レンの屋敷。
執務室。
レンが、地図を広げている。
開拓の進捗を、確認している。
(40日で、60.5km²を開拓した……)
レンが、考える。
(残りは、約239.5km²……)
(1日2.25km²のペースなら……約106日……約3ヶ月半……)
(順調に進めば、開拓開始から約5ヶ月で完成する)
レンが、微笑む。
(それと……城壁の建設も、そろそろ始めなければ)
レンが、城壁の設計図を見る。
(領地の形は……台形……)
レンが、地図を確認する。
(辺境伯領側の幅:約5km)
(奥側の幅:約25km)
(奥行き:約25km)
(外周は……約90km……)
レンが、計算する。
(巨大な工事だ……)
(開拓と並行して、進めよう)
レンが、立ち上がる。
「今日も、頑張ろう」
開拓の継続
41日目の開拓
レンが、魔の森へ。
転移魔法で、開拓地の端へ。
「今日も、2.25km²……」
レンが、呟く。
(「俺」……また出てしまった……)
レンが、苦笑する。
(まあ、少しずつだな)
500m四方×9回
レンが、開拓を始める。
1回目。
「クラフト:魔石」
魔素を抜く。
木を整理する。
完了。
2回目、3回目、4回目、5回目、6回目、7回目、8回目、9回目。
夕方。
「ふう……」
レンが、息をつく。
「今日も、2.25km²完了だ」
42日目~50日目
レンは、毎日2.25km²ずつ開拓を続けた。
42日目、完了。
43日目、完了。
44日目、完了。
45日目、完了。
46日目、完了。
47日目、完了。
48日目、完了。
49日目、完了。
50日目、完了。
開拓開始から、50日。
計算すると――
開拓20日で20km²。
21-30日で22.5km²(10日×2.25km²)。
31日で湖建設(カウントなし)。
32日でダンジョン調査(カウントなし)。
33-50日で40.5km²(18日×2.25km²)。
合計83km²。
既存の9km²と合わせて、92km²。
順調だった。
魔獣との戦闘(46日目)
開拓作業中。
Sランク魔獣「ヒドラ」が出現。
三つ首の大蛇。
体長20メートル。
緑色の鱗。
猛毒を持つ。
「シャアアアア!」
三つの頭が、同時に叫ぶ。
「Sランク……」
レンが、警戒する。
レンが、戦う。
半神の力、全開。
「バインド×30」
「ホーリーランス×5」
激しい戦闘。
15分以上。
ヒドラの首を、一つずつ倒す。
ついに――
ヒドラが、倒れる。
「ふう……」
レンが、息をつく。
「Sランク……強かった……」
レンが、ヒドラの体から魔石を取り出す。
クラフト魔法で。
Sランク魔石。
3個。
三つの頭から、それぞれ。
深い緑色に輝く魔石。
毒属性。
「Sランク魔石が3個……貴重だ……」
レンが、驚く。
「収納」
ヒドラの死体と魔石を、空間収納に。
51日目~59日目
開拓を、続ける。
51日目、完了。
52日目、完了。
53日目、完了。
54日目、完了。
55日目、完了。
56日目、完了。
57日目、完了。
58日目、完了。
59日目、完了。
順調だった。
60日目
開拓開始から、60日。
計算すると――
開拓20日で20km²。
21-30日で22.5km²(10日×2.25km²)。
33-60日で63km²(28日×2.25km²)。
合計105.5km²。
既存の9km²と合わせて、114.5km²。
順調だった。
城壁建設の開始
60日目の会議
レンの屋敷。
会議室。
レン、エドガー、グンター、ドワーフ4人、シンリ(測量チーム長)。
「60日で、105.5km²を開拓しました」
レンが、報告する。
「残りは、約194.5km²です」
「順調ですね」
エドガーが、微笑む。
「そして……」
レンが、城壁の設計図を広げる。
「今日から、城壁の建設を開始します」
「!」
全員が、緊張する。
「まず、領地の形状を説明します」
レンが、地図を指す。
「私たちの領地は、台形です」
「辺境伯領側の幅:約5km」
「奥側の幅:約25km」
「奥行き:約25km」
「総面積:約314km²」
「外周は……約90kmです」
「90km……!」
グンターが、驚く。
「それは……」
「はい。巨大な工事です」
レンが、頷く。
「城壁の高さ:10メートル」
「厚さ:5メートル」
「頂上に、幅2メートルの通路と胸壁」
「これを、クラフト魔法で建設します」
レンが、宣言する。
「!」
「クラフト魔法で……」
ボルンが、驚く。
「はい。手作業では、何十年もかかります。魔の森での作業は危険です。そんなのんびりしたことはできません」
レンが、説明する。
「私が、直接魔法で建設します。1日に数km単位で建設できるでしょう」
「凄い……」
エドガーが、感嘆する。
「ボルン、ドワーフの皆さんには、設計の監督と品質チェックをお願いします」
レンが、言う。
「了解しました!」
ボルンが、力強く頷く。
「私たちドワーフが、しっかりチェックします!」
城壁建設の計画
「城壁は、領地の外周に沿って建設します」
シンリが、地図を指す。
「まずは、辺境伯領側から始めます。幅約5kmの区間です」
「工期は……」
シンリが、計算する。
「レン様の魔法なら……約1ヶ月で完成できるでしょう」
「1ヶ月……」
グンターが、驚く。
「手作業なら何年もかかる工事を……」
「はい。半神の力を、有効に使います」
レンが、微笑む。
「頑張りましょう」
全員が、頷く。
61日目・城壁建設開始
レンが、領地の辺境伯領側の境界線に立つ。
シンリ、ボルン、ドワーフ3人が、同行している。
「ここから、城壁を建設します」
レンが、言う。
レンが、集中する。
半神の力を、解放する。
「クラフト:城壁」
レンが、魔法を発動する。
光が、爆発する。
金色と銀色の光。
眩しい。
地面が、隆起する。
巨大な城壁が、出現する。
高さ10メートル。
厚さ5メートル。
石造りの堅固な城壁。
頂上に、幅2メートルの通路。
外側に、胸壁。
長さ……3km。
一瞬で、3kmの城壁が完成する。
「!」
全員が、驚愕する。
「凄い……」
ボルンが、呆然とする。
「一瞬で……3km……」
「品質を、確認してください」
レンが、言う。
ボルンとドワーフたちが、城壁を調べる。
石の積み方。
接合部。
強度。
「……完璧です……」
ボルンが、感嘆する。
「この品質……私たちが何ヶ月もかけて作ったものと同等……いや、それ以上です……」
「良かった」
レンが、安堵する。
「では、続けます」
レンが、再び魔法を発動する。
「クラフト:城壁」
光が、爆発する。
さらに3kmの城壁が、出現する。
62日目~64日目
レンは、毎日3kmずつ城壁を建設した。
62日目、3km完了。
63日目、3km完了。
64日目、3km完了。
合計15km。
順調だった。
予定外のトラブル
65日目・地盤の問題
城壁建設、5日目。
レンが、西側の区間で城壁を建設しようとする。
その時――
《レン、注意してくれ》
シルの声が、頭の中に響く。
『シル、何が?』
《この先の地盤が弱い。地下5メートルに、粘土質の軟弱層がある》
シルが、警告する。
《このまま城壁を建設すると、傾く可能性がある》
「!」
レンが、立ち止まる。
「地盤が弱い……」
レンが、呟く。
レンが、地面に手を置く。
魔力を、流す。
地下を、探る。
「……」
レンが、集中する。
「これは……地下5メートルに、粘土質の軟弱層がある……」
レンが、確認する。
「幅約2km、深さ約3メートルの層だ……」
「レン様、どうされますか?」
ボルンが、聞く。
「地盤を補強します」
レンが、答える。
粘土の取り出し
「まず、粘土を取り出してみます」
レンが、言う。
「転移」
レンが、転移魔法を発動する。
地下5メートルから、粘土が出現する。
大量の粘土。
数トン。
「これが……粘土質の軟弱層……」
レンが、粘土を見る。
「!」
ボルンが、粘土に駆け寄る。
手に取る。
触る。
こねる。
「これは……!」
ボルンが、驚く。
「レン様!これは、素晴らしく良質な粘土です!」
ボルンが、興奮する。
「良質な……粘土……?」
レンが、聞く。
「はい!この粘土なら、最高級の陶器が作れます!耐火レンガも作れます!」
ボルンが、目を輝かせる。
他のドワーフたちも、粘土を調べる。
「本当だ……この質感……」
「粘り気が完璧だ……」
「こんな良質な粘土、初めて見た……」
ドワーフたちが、興奮している。
「そうですか……それなら……」
レンが、考える。
「この粘土は、皆さんに差し上げます」
レンが、言う。
「!」
「本当ですか!?」
ボルンが、驚く。
「はい。私は地盤を固めたいだけです。粘土は必要ありません」
レンが、微笑む。
「ありがとうございます、レン様!」
ドワーフたちが、喜ぶ。
地盤の補強
「では、地盤を補強します」
レンが、言う。
「空間収納に、大量の岩と土があります。開拓で取り除いたものや、湖を作った時に出たものです」
レンが、説明する。
「これを、粘土と入れ替えます」
「転移」
レンが、魔法を発動する。
地下5メートルの粘土が、次々と地上に出現する。
同時に、空間収納の岩と土が、地下に転移する。
大規模な、土の入れ替え。
数十分後。
「完了だ」
レンが、言う。
レンが、再び地下を探る。
「地盤が固まった……これなら、大丈夫だ」
地上には、大量の粘土が積まれている。
「この粘土……全部で約500トンあります」
レンが、計算する。
「500トン……!」
ボルンが、驚愕する。
「それだけあれば……何年も使えます……!」
「アイテムバッグに入れてください」
レンが、言う。
レンが、クラフト魔法でアイテムバッグを作る。
大容量のアイテムバッグ。
「クラフト:アイテムバッグ×10」
10個のアイテムバッグが、出現する。
粘土を、バッグに入れる。
50トンずつ。
「これを、皆さんで使ってください」
レンが、ドワーフたちに渡す。
「ありがとうございます!!」
ドワーフたちが、大喜びする。
「これで、最高級の陶器が作れます!」
「耐火レンガも大量に作れます!」
「鍛冶炉の修理もできます!」
ドワーフたちが、興奮している。
「良かった」
レンが、微笑む。
(問題が、資源に変わった……)
レンが、思う。
(これも、シルのおかげだな)
《……》
シルが、静かに聞いている。
《良い判断だ、レン》
シルが、言う。
《粘土を有効活用できた》
『ありがとう、シル』
全区間の地盤調査
「他にも軟弱な箇所があるかもしれません」
レンが、言う。
「城壁建設予定の全区間を、事前に調査します」
レンが、領地の外周を調査する。
転移魔法で、移動しながら。
北側……問題なし。
東側……問題なし。
南側……問題なし。
西側……軟弱層3ヶ所(既に補強済み1ヶ所)。
追加で2ヶ所、補強。
同様に、粘土を取り出す。
岩と土を、転移で入れ替える。
取り出した粘土も、ドワーフたちに渡す。
「これで、全区間の地盤が確保されました」
レンが、報告する。
「事前に調査して良かったですね……」
ボルンが、安堵する。
合計で、粘土約1000トンを取り出した。
全て、ドワーフたちに渡した。
「こんなに粘土をもらって……本当にいいんですか……?」
ボルンが、恐縮する。
「はい。皆さんが有効活用してくれるなら、それが一番です」
レンが、微笑む。
「むしろ、感謝します。問題を指摘してくれて」
「レン様……」
ドワーフたちが、感動する。
城壁建設の継続
66日目~80日目
地盤の問題を解決後。
レンは、城壁建設を再開した。
毎日、3kmずつ建設する。
66日目、3km完了。
67日目、3km完了。
68日目、3km完了。
順調に、進む。
時々、魔獣の襲撃があった。
魔獣の襲撃(70日目)
城壁建設中。
魔獣の群れが、襲来する。
オーク×20体。
トロール×10体。
ダイアウルフ×30体。
合計60体。
警備チーム50名と辺境伯の騎士団20名が、迎撃する。
「グオオオ!」
「ガアアア!」
激しい戦闘。
レンも、参戦する。
「バインド×60」
全ての魔獣が、止まる。
「ライトニングストーム」
雷の嵐が、降り注ぐ。
「ギャアアアア!」
魔獣が、次々と倒れる。
戦闘終了。
「お疲れ様でした」
レンが、警備チームに言う。
「ありがとうございます、レン様!」
警備隊長が、感謝する。
魔石を、回収する。
80日目
城壁建設開始から、20日。
計算すると――
15km(61-64日)+45km(66-80日、15日×3km)。
合計60km。
残り、約30km。
「60km完成……」
レンが、呟く。
「残り30km……あと10日だ」
開拓も、続けていた。
計算すると――
105.5km²(60日時点)+45km²(61-80日、20日×2.25km²)。
合計150.5km²。
既存の9km²と合わせて、159.5km²。
「80日で、約150.5km²を開拓した……」
レンが、確認する。
「残りは、約149.5km²……折り返し地点を過ぎた」
80日目の会議
レンの屋敷。
会議室。
レン、エドガー、グンター、ボルン、シンリ。
「80日間の進捗を報告します」
レンが、言う。
「開拓は、150.5km²完了しました。残りは、約149.5km²です」
「!」
「半分を超えましたね!」
エドガーが、喜ぶ。
「城壁は……」
レンが、続ける。
「60km完成しています。残り約30kmです」
「あと10日で、城壁が完成しますね」
シンリが、計算する。
「はい。順調です」
レンが、頷く。
「地盤の問題も、シルのおかげで解決できました」
レンが、言う。
「粘土を大量にもらえて……本当に感謝しています」
ボルンが、頭を下げる。
「あの粘土で、もう耐火レンガを100個作りました」
「それは良かったです」
レンが、微笑む。
「魔獣の襲撃も、全て撃退しました」
グンターが、報告する。
「警備体制は、万全です」
「ありがとうございます」
レンが、感謝する。
「これからも、頑張りましょう」
全員が、頷く。
城壁完成と90日目
81日目~90日目
レンは、城壁建設と開拓を並行して続けた。
城壁建設。
81日目、3km完了。
82日目、3km完了。
83日目、3km完了。
84日目、3km完了。
85日目、3km完了。
86日目、3km完了。
87日目、3km完了。
88日目、3km完了。
89日目、3km完了。
90日目、3km完了。
合計30km。
開拓も、続けた。
81日目~90日目で、22.5km²(10日×2.25km²)。
90日目・城壁完成
90日目の夕方。
レンが、最後の3kmの城壁を建設する。
「クラフト:城壁」
光が、爆発する。
金色と銀色の光。
最後の3kmの城壁が、出現する。
「……完成だ」
レンが、呟く。
「城壁……完成した……」
レンが、城壁に手を触れる。
硬い。
冷たい。
確かな、存在感。
「90kmの城壁……」
レンが、感慨深く思う。
「30日で、完成した……」
ボルンが、駆け寄る。
「レン様!城壁、完成しましたね!」
ボルンが、喜ぶ。
「はい。ボルン、皆さんのおかげです」
レンが、微笑む。
「設計と品質チェック、本当にありがとうございました」
「いえ……レン様の魔法が凄すぎて……私たちは見ているだけでした……」
ボルンが、照れる。
「そんなことはありません。皆さんの監督のおかげで、完璧な城壁ができました」
レンが、言う。
城壁の上を歩く
レンが、城壁の上に登る。
石造りの階段を、上る。
頂上に、出る。
幅2メートルの通路。
レンが、通路を歩く。
右を見る。
領地の内側。
美しい林が、広がっている。
中央に、大きな湖。
左を見る。
領地の外側。
まだ開拓されていない、魔の森。
「ここから……全てを守れる」
レンが、呟く。
胸壁に、手を置く。
「この城壁が、領民を守る……」
レンが、決意する。
90日目の会議
レンの屋敷。
会議室。
レン、エドガー、グンター、ボルン、シンリ、ライカ。
「90日間の進捗を報告します」
レンが、言う。
「開拓は、173km²完了しました。残りは、約127km²です」
計算:
150.5km²(80日時点)+22.5km²(10日×2.25km²)。
合計173km²。
既存の9km²と合わせて、182km²。
「城壁は……完成しました」
レンが、宣言する。
「周囲約90km、高さ10メートル、厚さ5メートル、頂上通路2メートル+胸壁」
「!」
全員が、拍手する。
「城壁完成、おめでとうございます!」
エドガーが、賞賛する。
「ありがとうございます」
レンが、微笑む。
「皆さんのおかげです」
「トラブルもありましたが……」
ボルンが、振り返る。
「地盤の問題……でも、粘土という素晴らしい資源を得られました」
「魔獣の襲撃も、全て撃退しました」
グンターが、言う。
「本当に、素晴らしいチームワークでしたね」
シンリが、感心する。
「これからも、よろしくお願いします」
レンが、全員に頭を下げる。
「こちらこそ!」
全員が、声を揃える。
「開拓は、あと約56日で完成します」
シンリが、計算する。
「約2ヶ月以内ですね」
「はい。頑張ります」
レンが、決意する。
その夜・レンの執務室
レンの執務室。
レンが、椅子に座っている。
机の上に、地図。
開拓の進捗。
完成した城壁。
(90日で、ここまで来た……)
レンが、考える。
(開拓は、173km²完了……)
(城壁も、完成した……)
(トラブルもあった……地盤の問題……でも、粘土という資源を得られた……)
(仲間と協力して……シルの助けも借りて……)
レンが、微笑む。
(これが、領主の仕事なんだな……)
(一人では、できない……みんなで、協力する……)
(俺は、まだ未熟だ……でも、少しずつ成長している……)
(貴族として……領主として……)
《レン》
シルの声が、頭の中に響く。
『シル』
《90日間、よく頑張った》
シルが、言う。
《城壁90kmを30日で完成させた。普通なら何十年もかかる工事だ》
『ありがとう、シル……』
レンが、感謝する。
『地盤の問題も、シルが教えてくれなければ気づかなかった』
《粘土の発見も、良い結果だった》
シルが、言う。
《ドワーフたちが喜んでいた》
『はい。問題が、資源に変わりました』
《これからも、サポートする。何かあれば、いつでも呼んでくれ》
『はい。頼りにしています』
携帯電話を、手に取る。
「004」を入力。
アリシア。
通話ボタン。
『もしもし、アリシアです』
アリシアの声。
「私です、レンです」
レンが、言う。
(「私」……自然に言えた)
レンが、心の中で思う。
『レン様!どうされましたか?』
「90日間の進捗を報告したくて。173km²を開拓しました。そして、城壁が完成しました」
レンが、報告する。
『!』
『城壁が、完成したんですか!?』
アリシアが、驚く。
「はい。周囲90km、高さ10メートル、厚さ5メートルです」
レンが、言う。
『凄いです!本当に、凄いです、レン様!』
アリシアが、喜ぶ。
「トラブルもありました。地盤の問題……でも、良質な粘土を大量に発見して、ドワーフたちに渡しました」
レンが、説明する。
『素晴らしい判断ですね……』
アリシアが、感心する。
「開拓も、あと2ヶ月以内に完成します」
レンが、言う。
『はい!応援しています!おやすみなさい、レン様!』
アリシアが、励ます。
「おやすみなさい、アリシア」
通話を切る。
レンが、ベッドに横になる。
アラクネが、胸の上に乗る。
「キュルル~」
「おやすみ、アラクネ」
「キュルル……」
その時――
念話が、響く。
『レン様!!』
エリシアの声。
『エリシア様』
レンが、答える。
『城壁完成、おめでとうございます!!90kmの城壁を30日で!凄いです!!』
エリシアが、賞賛する。
『ありがとうございます』
レンが、照れる。
『地盤の問題も、見事に解決しましたね。粘土を資源に変えるとは……素晴らしい判断です』
エリシアが、言う。
『シルのおかげです』
レンが、答える。
『シルも、良い仕事をしていますね。でも、それを活かしたのはレン様です』
エリシアが、優しく言う。
『それと……レン様、もう「私」が完全に定着しましたね』
エリシアが、笑う。
『はい……気づいたら、自然になっていました』
レンが、照れる。
『素晴らしいです。本当に、立派な貴族になられましたね』
エリシアが、優しく言う。
『まだまだ、未熟ですが……これからも、頑張ります』
レンが、決意する。
『はい!あと2ヶ月で開拓完了です!頑張ってください!』
エリシアが、励ます。
『はい。必ず、完成させます』
『では、おやすみなさい!』
エリシアが、言う。
『おやすみなさい、エリシア様』
念話が、切れる。
レンが、目を閉じる。
静かに、眠りにつく。
(あと2ヶ月……必ず、完成させる……)
(そして、この領地を……最高の領地にする……)
(一人ではなく……仲間と協力して……)
レンが、決意する。
明日への、期待を胸に。
第57話 完
次回予告:
第58話「開拓完了と領地の完成」
91日目から、レンは最後の開拓を続ける。
1日2.25km²のペース。
順調に、進む。
魔獣の襲撃も、全て撃退。
100日目、110日目、120日目……
着実に、進む。
そして――
開拓開始から約4ヶ月半。
146日目。
ついに――
300km²以上の開拓、完了。
最終測量の結果。
正確な面積:305km²。
既存の9km²と合わせて、314km²。
予想を超える、大領地。
完成の、喜び。
全員で、祝う。
そして――
王都への報告準備が始まる。
29
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