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謁見
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馬車に乗って1日経った。宿に泊まりながらだったし、休憩も十分に与えられた。でも僕のお尻は1時間も持たなかった。
馬車の揺れが激しく、お尻が痛くて泣きそうになった。そんな僕を見てリースさんが膝の上に乗せてくれた。
実はリースさんが最初から抱き上げようとしてくれたんだけど、大丈夫といい張って自分で座ったんだ。
こんなことなら、最初からお願いしとくんだった。
ごめんなさい…。
城は中世ヨーロッパのような白い大きなものだった。
近くで見ると、細かい装飾が施されているのがわかる。
馬車はそのまま正門を通り、しばらくして止まった。外から扉が開いたから降りようとしたら、ヒョイっとリースさんに縦抱きにされた。
「わぁっ!…え?リースさん?僕歩けますよ?」
「ダメだ。城の中は俺が抱き上げる」
「えっと…どうしてですか?」
「城の中は広いから迷子になったら困るだろ?それに絨毯に足を取られて転んでしまうかもしれない。この前みたいにフードが脱げる可能性もある。とにかく、城の中は危険なんだ」
僕たちの前後には騎士さんたちが歩いてるから迷子になることはないと思うけど、廊下に敷かれている毛足の長い絨毯は確かに躓くかもしれない。
フードに関しては前科があるから何も言えない。
「わかりました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします」
それから、ながーい廊下を歩いた先に重厚な扉が現れた。
「マオ。約束は覚えているな?」
「はい。僕はお城には住みません」
「よし、それでいい。じゃあ入るぞ」
扉の前にいた、騎士さんが中に向かって
「黒の君、ご到着されました」
って叫んでる。
黒の君?僕のことじゃないよね?さすがにそれは恥ずかしすぎる。
さすがに謁見のときは抱き上げられないからと、リースさんから降ろして貰った僕は恥ずかしさにプルプルしながら開かれた扉の中に入った。
赤い絨毯が引かれており、その先は数段高くなっている。そこに豪華な椅子が置かれ、40代くらいのイケオジ様が座ってらっしゃる。
絨毯の両側には、国の重鎮さんかな?って思う人がたくさん並んでる。
うぅ…凄く視線を感じる。
みなさん!僕は只の日本人ですから!
そんなに見ないでぇーー。
リースさんに手を引かれて俯きながら玉座の前まで進むと、リースさんに倣い膝を折り頭を下げる。
礼儀作法は馬車の中で一通りリースさんに教わった。
「よくぞ参られた黒の君。ギルドマスターリースもご苦労である。表をあげよ」
「お初にお目にかかります。マオと申します」
緊張で声が震える。
「はははっ、そんなに緊張せずともよいぞ?」
「すっすみません。このような場になれてなくて…」
「ふむ。マオと言ったな?フードを外してそなたのもつ黒を見せてくれぬか」
「はい」
僕は恐る恐るフードを外した。
ザワザワザワザワ……
「なんと美しい黒髪」
「夜空のような瞳だ」
「まるでお伽噺の天女だ」
「しかし…まだ子供ではないか」
周りの偉い人たちが僕を見てこそこそ何か言ってる。
うーん居たたまれない。
「…マオ。漆黒の髪と眼というのは真だったのだな。先に報告を受けていたのだが、この目で見るまでは信じられなかった。しかし、今までどうやって生きてきたのだ?黒を持っていればすぐ噂になるだろうに」
「陛下!発言よろしいでしょうか?」
どう答えようかと悩んでいたら、リースさんが声をあげた。
「かまわぬ」
「はっ。マオはこのように人目を引く見た目をしております。それは黒目黒髪というだけではなく、この愛らしさ美しさにもあります。それ故に、辛い目にあってきたのです。ここまで言えば聡明な陛下はお分かりになりますでしょう?私は辛い過去をマオ自ら話させるようなことはさせたくないのですが」
「…そうか。すまなかったなマオ。辛いことを聞いた」
なんだかわからないけど、この話は終わったみたい。
「さて、では本題に入ろう。マオ、そなた王族にならぬか?」
え?なんですと??
おうぞく…オウゾク…王族???
てっきり「この城で保護してやろう」とか言われると思ってたんだけど。
馬車の揺れが激しく、お尻が痛くて泣きそうになった。そんな僕を見てリースさんが膝の上に乗せてくれた。
実はリースさんが最初から抱き上げようとしてくれたんだけど、大丈夫といい張って自分で座ったんだ。
こんなことなら、最初からお願いしとくんだった。
ごめんなさい…。
城は中世ヨーロッパのような白い大きなものだった。
近くで見ると、細かい装飾が施されているのがわかる。
馬車はそのまま正門を通り、しばらくして止まった。外から扉が開いたから降りようとしたら、ヒョイっとリースさんに縦抱きにされた。
「わぁっ!…え?リースさん?僕歩けますよ?」
「ダメだ。城の中は俺が抱き上げる」
「えっと…どうしてですか?」
「城の中は広いから迷子になったら困るだろ?それに絨毯に足を取られて転んでしまうかもしれない。この前みたいにフードが脱げる可能性もある。とにかく、城の中は危険なんだ」
僕たちの前後には騎士さんたちが歩いてるから迷子になることはないと思うけど、廊下に敷かれている毛足の長い絨毯は確かに躓くかもしれない。
フードに関しては前科があるから何も言えない。
「わかりました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします」
それから、ながーい廊下を歩いた先に重厚な扉が現れた。
「マオ。約束は覚えているな?」
「はい。僕はお城には住みません」
「よし、それでいい。じゃあ入るぞ」
扉の前にいた、騎士さんが中に向かって
「黒の君、ご到着されました」
って叫んでる。
黒の君?僕のことじゃないよね?さすがにそれは恥ずかしすぎる。
さすがに謁見のときは抱き上げられないからと、リースさんから降ろして貰った僕は恥ずかしさにプルプルしながら開かれた扉の中に入った。
赤い絨毯が引かれており、その先は数段高くなっている。そこに豪華な椅子が置かれ、40代くらいのイケオジ様が座ってらっしゃる。
絨毯の両側には、国の重鎮さんかな?って思う人がたくさん並んでる。
うぅ…凄く視線を感じる。
みなさん!僕は只の日本人ですから!
そんなに見ないでぇーー。
リースさんに手を引かれて俯きながら玉座の前まで進むと、リースさんに倣い膝を折り頭を下げる。
礼儀作法は馬車の中で一通りリースさんに教わった。
「よくぞ参られた黒の君。ギルドマスターリースもご苦労である。表をあげよ」
「お初にお目にかかります。マオと申します」
緊張で声が震える。
「はははっ、そんなに緊張せずともよいぞ?」
「すっすみません。このような場になれてなくて…」
「ふむ。マオと言ったな?フードを外してそなたのもつ黒を見せてくれぬか」
「はい」
僕は恐る恐るフードを外した。
ザワザワザワザワ……
「なんと美しい黒髪」
「夜空のような瞳だ」
「まるでお伽噺の天女だ」
「しかし…まだ子供ではないか」
周りの偉い人たちが僕を見てこそこそ何か言ってる。
うーん居たたまれない。
「…マオ。漆黒の髪と眼というのは真だったのだな。先に報告を受けていたのだが、この目で見るまでは信じられなかった。しかし、今までどうやって生きてきたのだ?黒を持っていればすぐ噂になるだろうに」
「陛下!発言よろしいでしょうか?」
どう答えようかと悩んでいたら、リースさんが声をあげた。
「かまわぬ」
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「…そうか。すまなかったなマオ。辛いことを聞いた」
なんだかわからないけど、この話は終わったみたい。
「さて、では本題に入ろう。マオ、そなた王族にならぬか?」
え?なんですと??
おうぞく…オウゾク…王族???
てっきり「この城で保護してやろう」とか言われると思ってたんだけど。
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