37 / 62
最強の補佐登場
しおりを挟むいよいよ今日から教会の仕事が始まる。
朝の9時からお昼12時まで。
早めに起きて朝御飯を済ませ、そわそわしながら時間が来るのを待っている。
「マオ、そんなに緊張しなくても大丈夫だ。今日は初日なんだから見学くらいに思えばいい」
落ち着きなく部屋のなかをウロウロしてたらリースさんに抱き上げられてしまった。
「そっそうですよね。僕産まれて初めての仕事だから緊張しちゃって…それに今日からリースさんも騎士団でのお仕事が始まるんですよね?お城に来てからずっと一緒だったから、なんだか不安になってしまって」
「そうだな。俺もマオと離れたくねぇよ。だが同じ敷地内にいるわけだし、何かあったらすぐに駆けつける。それに今日からマオには補佐を付けるつもりだ」
「補佐…ですか?エルマさんではなく?」
「エルマは従者だからな。補佐とはちがう」
補佐って誰だろう。そもそも僕なんかの補佐なんてしたいと思う人いるのかな?
そんなことを考えていると部屋がノックされた。
ドアの外にいる騎士さんから
「マオ様の補佐とおっしゃる方が来られました。お通ししてもよろしいでしょうか?」
と声がかかった。
「おっ!話をすればだな。入れ!」
扉が開き、部屋に入ってきたのは……
「ダンさん!!!」
久しぶりに会うダンさんにビックリしたと同時に嬉しくて、リースさんの膝から降りてダンさんに駆け寄った。
「マオ君!お久しぶりですね。元気そうでなによりです」
身体を屈めて目線を合わせながらニッコリと微笑むダンさんは相変わらず爽やかイケメンさんだ。
会えたことが嬉しすぎてそのままギュッと抱きつくと、軽々抱っこされる。
ダンさんは細身に見えてしっかり筋肉があるんだ。
「会えて嬉しいです!!でも、どうしてお城に?」
ヴェルディからお城までは結構な距離があるのにどうしてダンさんがここにいるんだろう。
僕が不思議に思っていると、突然後から身体をひょいっと持ち上げられて、足ぶらんぶらんの状態に。
「マオ…俺と言う旦那がいるのに他の男に抱き付くとは。お仕置きだな」
後からリースさんの低い声が聞こえ思わずビクッとしちゃった。
「ごっごめんなさい。嬉しくてつい…」
「はぁ~。早く自覚を持たせねぇといけねぇな」
リースさんが呆れた感じで言ってるけど、僕ちゃんと自覚してるよ?
体力がなくてひ弱だし、働いたこともないポンコツだってこと。
だから今日から頑張るんだ!!
そのままくるっと身体の向きを変えられてリースさんに抱っこされながら改めて気合いを入れる。
抱っこされてる状態では説得力がないって?
わかってるよそんなこと!
でも僕が降りようとしたらリースさんが悲しい顔をするんだ。
そっそれに僕も抱っこ…いっ嫌じゃ…ない…し。
「はぁ…。ギルマスは相変わらず心が狭いですね。せっかく久しぶりの再開を喜んでいましたのに。」
「うるせぇ。マオに触れていいのは俺だけなんだ。それに俺はもうギルマスじゃねぇぞ」
「そうでしたね。つい癖でそう呼んでしまいます。それはそうと、私がここに来た理由を早くマオ君にお話しするべきでは?」
いまだに状況を理解できずポケーッとしてる僕を見て二人はソファーに腰かけた。もちろん僕はリースさんの膝の上。
すかさずエルマさんが三人分の紅茶を入れてくれる。
ちなみに僕のコップは左右両方に取っ手が付いている。僕だけの特注品らしい。
以前、僕が普通のカップで紅茶を飲もうとしたとき手元が滑って溢しそうになったのを見て、両手で掴めるコップを用意してくれたんだ。
幼児が使うようなコップで、初めは恥ずかしかったけど、持ちやすさに負けて今では重宝してる。
「さっき言ってた補佐をダンに頼むことにしたんだ。」
「えぇ??ダンさんが僕の補佐に?」
ちびちび紅茶を飲んでいた僕はビックリして、後ろのリースさんを見た。
「そうだ。城に来たばかりでマオも知らず知らずのうちにストレスが貯まってるんじゃねぇかと思ってな。信用できて気楽に話せるヤツが必要だと思ったんだ。それにダンもギルドを辞めたらしいしな。」
「え?ダンさんもギルドを辞めたんですか?」
「えぇ、そうなのです。私は元々ギルマ…リースさんに拾って貰ってギルマス補佐をしていただけですから、リースさんが転職するなら私も付いていきますよ」
「そうですか…。なんだか僕のせいでごめんなさい。」
「マオ君が謝ることはありません。ギルドの仕事に執着していたわけではありませんから。それにマオ君に会えて嬉しいのですよ」
「僕もダンさんに会えて嬉しいです。でもリースさんの補佐じゃなくて僕の補佐でいいのですか?」
「えぇ!今回リースさんの仕事は騎士団の剣術指導ですから、書類仕事が殆どありません。なのでマオ君の補佐に付きたいと思っているのですが、よろしいですか?」
「僕はダンさんが付いていてくれるなら心強いです!ダンさんが良ければ、よろしくお願いします!」
「ありがとうございます。さっそく今日から補佐として頑張りますね。教会での仕事のときはもちろん、その他でも頼ってくださいね。」
ダンさんが居てくれるだけでこんなにも心強いなんて!
よぉーし!頑張るぞ!
64
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
僕に双子の義兄が出来まして
サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。
そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。
ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。
…仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。
え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる