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第42話 生きてる
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「ネ……ゴッ……」
ダメだ、重力魔法が肺を圧迫し続けたせいでうまく声が出せない。とにかくこれはネゴルさんだ。間違いなくネゴルさん……!
ネゴルさんは僕の頭にある重たくなっているはずの物体を軽々と掴んでいるようだ。そしてそれを何処かへ放り投げた。
「おい、生きとるかボン!」
「ネ……ゴッ……ル……さ……」
「あかん、重力魔法で喋られへんのや。……クリアブロー!」
ネゴルさんは先ほどの雷を食らって驚いているゴ・ゴッドゴブリンの肝臓あたりを殴りつけた。
ゴブリンはすごい勢いで吹っ飛び、それと同時に僕を押し潰していた重力魔法が消えた。
おそらく今のは強制的に魔法を解除させる攻撃か何かなんだろう。体は起こせないけど、なんとか喋れそうだ。
「ネゴル……ざんっ……だ、だすげてぐ……だ……さって……ありが……」
「バカニャロ! 今は喋ったらあかんし、お礼もあとでええ! ひっどい傷や。とにかく今はこれを飲め」
ネゴルさんは僕の頭を軽く持ち上げ、虹色に煌く回復薬を口に流し込んでくれた。わかる。僕の傷が全て癒えていくのが。潰れた手も、外れた方も額の傷も全部。
<【特技強化・極】の効果が発動。
能力取得:【被回復力】>
確かこれは魔法や回復薬で回復してもらう際にその効果が上がる能力だった気がする。こんな時にまで能力が手に入るのか。
とにかく、ネゴルさんが飲ませてくれた回復薬のおかげで痛みもダメージも全部消えた。疲労までは消えなかったけど。
ただ、今のその回復薬がとんでもないものだ……。
「それってたしか一本500万ハンスの……」
「ああ、ええで気にせんで。あの阿呆倒して売り捌いたら500万ハンスなんてすぐや、すぐ。てか若いもんが金のことなんて気にすんなや!」
「ご、ごめんなさい」
「ただ、あの獲物は横取りさせてもらうけど……ええな?」
僕はうなずいた。ネゴルさんはにこりと笑うと、僕の頭を撫で、その場に優しく寝かせてくれる。
それと同時に、ゴ・ゴッドゴブリンがいる方から咆哮が轟いてきた。
「ヌガアアアアアッ……フーッ‥…フーッ……」
「まあゴ・ゴッドゴブリンや。雷と腹パン程度じゃ生きとるか。……だとしたら、今の2撃じゃあんなボロボロにならんよな普通。まさか……いや、それもあとでええわ」
バチバチという音共に、ネゴルさんは一瞬でゴ・ゴッドゴブリンの目の前まで移動した。僕がやつに進化してから最初にやられたことを思い出す。
そして、ネゴルさんは両腕に凄まじいほどの雷を纏い、ゴ・ゴッドゴブリンを殴りつけた。
「これがワイのゴールド・サンダーラッシュ・ゼットや! オラァ!」
「ゴ、ゴゴ……」
僕の速度魔法を受けたわけでもないのに、ネゴルさんの速さが凄まじい。岩の雪崩なんかよりも速く多く雷の拳がゴ・ゴッドゴブリンに叩き込まれる。
「にゃんやこいつ!? 全く抵抗せぇへんぞ! てか生きとるのにほとんど動かへん……」
「そ、それは僕が魔法で遅くしましたから……!」
「速度魔法で!? うせやろ!? これじゃあ助けにきたんやなくて、ほんとに横取りしたみたいやんか」
「そ、そんなことないですよ!」
「……待てよ」
ネゴルさんはなぜかゴ・ゴッドゴブリンに攻撃するのをやめ、僕の元まで戻ってきた。そして手をパチンと合わせる。
「なぁ、ボンの速度魔法、ワイに体験させてくれへんか? 無理なら無理で全然構わんのやけど」
「速度制御は……」
「そんなん極めとるにきまっとるやないか! 天下のネゴル様やぞ!」
「で、ですよね。なら」
僕はネゴルさんに向かって、すでに1割5分まで回復している魔力のその1割を使って『シィ・スピアップ』を出来るだけ重ねがけした。
「……これは! すごいにゃ……」
「あ、いや、待ってください」
「なんや?」
<【特技強化・極】の効果が発動。
魔法進化:【ザ・スピアップ・デイ】>
Sランクの冒険者にかけることができたから、これも究極段階まで進化したのだろうか。ありがたい。
僕はもう一度、残すつもりだった残り5分の魔力分、ネゴルさんに補助魔法をかけた。
「は? おい、ボン、どういうこっちゃこれは。なんで魔法が進化しとる!? さっきのはシィ・スピアップ。これはスピアップのデイやろ?」
「わかるんですか? そうです、たった今、進化したみたいなんです」
「にゃははは!! ……ヤバイな。死なせんといて良かったわ」
ネゴルさんは一瞬真顔になってそう言うと、再び即座にゴ・ゴッドゴブリンの元に戻った。そしてゴールド・サンダーラッシュという技を再開する。
僕の補助魔法も相まってもはや訳がわからない速さになっており、ラッシュによる黄色い閃光が溢れたかと思えば、それを視認したらすでにまたネゴルさんは僕の前に戻ってきていた。
つまり、今見えていた閃光は残像なのか。
「……普段の何十倍もの速さで倒せてもうた」
「も、もうですか! 流石……。お力になれたようで良かったです」
「……せやな」
僕があそこまで苦戦したゴ・ゴッドゴーレムを会話時間含めないでものの1分ほどで倒してしまうとは。こんな人もいる。これがSランク。最強への道のりはやっぱり甘くないようだ。
そうでなくっちゃ。簡単にたどり着けたらつまらない。
だって、僕は生きてるんだから。これからたっぷり目指せるんだ! ラッキーなことに。ああ、本当に! 生きてる! またみんなに会えるんだ!
「ほな、ゴタゴタ済ませてから帰るか。疲れとるやろ? 背中かしちゃるからボン、ゆっくり眠りぃや」
「……はい、すいません、そうさせてもらいます」
普段だったら断るような申し出だけど、今はただ、お言葉に甘えさせてもらうことにした。
安堵のせいか、疲れたせいか、頭がパンクしてるからだろうか、気がついた頃にはもう僕の意識は夢の中。
……今回はネゴルさんに任せてしまったけれど、いつか、いつか自分一人でもSランクの魔物に勝てるように……。
=====
(あとがき)
次の投稿は午後6時です。
そして、「神速の大魔導師」はその回が最終話となります。
ダメだ、重力魔法が肺を圧迫し続けたせいでうまく声が出せない。とにかくこれはネゴルさんだ。間違いなくネゴルさん……!
ネゴルさんは僕の頭にある重たくなっているはずの物体を軽々と掴んでいるようだ。そしてそれを何処かへ放り投げた。
「おい、生きとるかボン!」
「ネ……ゴッ……ル……さ……」
「あかん、重力魔法で喋られへんのや。……クリアブロー!」
ネゴルさんは先ほどの雷を食らって驚いているゴ・ゴッドゴブリンの肝臓あたりを殴りつけた。
ゴブリンはすごい勢いで吹っ飛び、それと同時に僕を押し潰していた重力魔法が消えた。
おそらく今のは強制的に魔法を解除させる攻撃か何かなんだろう。体は起こせないけど、なんとか喋れそうだ。
「ネゴル……ざんっ……だ、だすげてぐ……だ……さって……ありが……」
「バカニャロ! 今は喋ったらあかんし、お礼もあとでええ! ひっどい傷や。とにかく今はこれを飲め」
ネゴルさんは僕の頭を軽く持ち上げ、虹色に煌く回復薬を口に流し込んでくれた。わかる。僕の傷が全て癒えていくのが。潰れた手も、外れた方も額の傷も全部。
<【特技強化・極】の効果が発動。
能力取得:【被回復力】>
確かこれは魔法や回復薬で回復してもらう際にその効果が上がる能力だった気がする。こんな時にまで能力が手に入るのか。
とにかく、ネゴルさんが飲ませてくれた回復薬のおかげで痛みもダメージも全部消えた。疲労までは消えなかったけど。
ただ、今のその回復薬がとんでもないものだ……。
「それってたしか一本500万ハンスの……」
「ああ、ええで気にせんで。あの阿呆倒して売り捌いたら500万ハンスなんてすぐや、すぐ。てか若いもんが金のことなんて気にすんなや!」
「ご、ごめんなさい」
「ただ、あの獲物は横取りさせてもらうけど……ええな?」
僕はうなずいた。ネゴルさんはにこりと笑うと、僕の頭を撫で、その場に優しく寝かせてくれる。
それと同時に、ゴ・ゴッドゴブリンがいる方から咆哮が轟いてきた。
「ヌガアアアアアッ……フーッ‥…フーッ……」
「まあゴ・ゴッドゴブリンや。雷と腹パン程度じゃ生きとるか。……だとしたら、今の2撃じゃあんなボロボロにならんよな普通。まさか……いや、それもあとでええわ」
バチバチという音共に、ネゴルさんは一瞬でゴ・ゴッドゴブリンの目の前まで移動した。僕がやつに進化してから最初にやられたことを思い出す。
そして、ネゴルさんは両腕に凄まじいほどの雷を纏い、ゴ・ゴッドゴブリンを殴りつけた。
「これがワイのゴールド・サンダーラッシュ・ゼットや! オラァ!」
「ゴ、ゴゴ……」
僕の速度魔法を受けたわけでもないのに、ネゴルさんの速さが凄まじい。岩の雪崩なんかよりも速く多く雷の拳がゴ・ゴッドゴブリンに叩き込まれる。
「にゃんやこいつ!? 全く抵抗せぇへんぞ! てか生きとるのにほとんど動かへん……」
「そ、それは僕が魔法で遅くしましたから……!」
「速度魔法で!? うせやろ!? これじゃあ助けにきたんやなくて、ほんとに横取りしたみたいやんか」
「そ、そんなことないですよ!」
「……待てよ」
ネゴルさんはなぜかゴ・ゴッドゴブリンに攻撃するのをやめ、僕の元まで戻ってきた。そして手をパチンと合わせる。
「なぁ、ボンの速度魔法、ワイに体験させてくれへんか? 無理なら無理で全然構わんのやけど」
「速度制御は……」
「そんなん極めとるにきまっとるやないか! 天下のネゴル様やぞ!」
「で、ですよね。なら」
僕はネゴルさんに向かって、すでに1割5分まで回復している魔力のその1割を使って『シィ・スピアップ』を出来るだけ重ねがけした。
「……これは! すごいにゃ……」
「あ、いや、待ってください」
「なんや?」
<【特技強化・極】の効果が発動。
魔法進化:【ザ・スピアップ・デイ】>
Sランクの冒険者にかけることができたから、これも究極段階まで進化したのだろうか。ありがたい。
僕はもう一度、残すつもりだった残り5分の魔力分、ネゴルさんに補助魔法をかけた。
「は? おい、ボン、どういうこっちゃこれは。なんで魔法が進化しとる!? さっきのはシィ・スピアップ。これはスピアップのデイやろ?」
「わかるんですか? そうです、たった今、進化したみたいなんです」
「にゃははは!! ……ヤバイな。死なせんといて良かったわ」
ネゴルさんは一瞬真顔になってそう言うと、再び即座にゴ・ゴッドゴブリンの元に戻った。そしてゴールド・サンダーラッシュという技を再開する。
僕の補助魔法も相まってもはや訳がわからない速さになっており、ラッシュによる黄色い閃光が溢れたかと思えば、それを視認したらすでにまたネゴルさんは僕の前に戻ってきていた。
つまり、今見えていた閃光は残像なのか。
「……普段の何十倍もの速さで倒せてもうた」
「も、もうですか! 流石……。お力になれたようで良かったです」
「……せやな」
僕があそこまで苦戦したゴ・ゴッドゴーレムを会話時間含めないでものの1分ほどで倒してしまうとは。こんな人もいる。これがSランク。最強への道のりはやっぱり甘くないようだ。
そうでなくっちゃ。簡単にたどり着けたらつまらない。
だって、僕は生きてるんだから。これからたっぷり目指せるんだ! ラッキーなことに。ああ、本当に! 生きてる! またみんなに会えるんだ!
「ほな、ゴタゴタ済ませてから帰るか。疲れとるやろ? 背中かしちゃるからボン、ゆっくり眠りぃや」
「……はい、すいません、そうさせてもらいます」
普段だったら断るような申し出だけど、今はただ、お言葉に甘えさせてもらうことにした。
安堵のせいか、疲れたせいか、頭がパンクしてるからだろうか、気がついた頃にはもう僕の意識は夢の中。
……今回はネゴルさんに任せてしまったけれど、いつか、いつか自分一人でもSランクの魔物に勝てるように……。
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