240 / 378
237話 紹介した後でございます……!
しおりを挟む
「ほう……記憶がな」
「そうなんですよ」
あれからおじいさんに身の上話をせがまれたガーベラさんは、昔の記憶が曖昧で、一部消えてすらいると説明していた。やっぱり生まれた場所とかもまだ思い出せていないみたい。
「記憶、ねぇ」
「ナイト? 俺が記憶を消失していることに心当たりがあったりするのか……?」
「いやないよ。ないない」
手をひらひらと振りながらナイトさんは否定する。でも結構なにか意味を含んでいるような言い方だったのは確か。
「人生経験長いじゃろ、わからんのか?」
「いきてる時間が長いからって何もかもわかるわけじゃないよ」
たしかに。でもいい加減ナイトさんの年齢を知りたくなってきた。やっぱりどうにも見た目通りの年齢じゃないっぽいし。
「あの、ナイトさんっておいくつですか?」
「いくつに見える?」
「20代前半から、行ってても30歳より前ですかね」
「そう見えるならそうだよ」
「えぇ……?」
ますますわからなくなった。おじいさんはきた時より顔を赤くしてカラカラと笑っている。
「でもさっき、ジーゼフさんは自分より歳上だと……」
「気のせい気のせい。それにさ、仮に見た目さえ若ければそれでよくないかな? アイリスちゃんだって本当は20歳近い年齢なんかじゃないんだろ?」
「ワシの見立てじゃと、あの頃のアイリスちゃんは生後3週間程度のトゥーンゴーレムじゃった。加えてロモンの仲魔になってから10ヶ月以上経つが、まだ1つも歳はとってないの」
「ね? 実年齢なんて気にする必要はないんだよ」
「そう、です……ね?」
たしかにそうかもしれないけれど、どう考えてもこれは言いくるめられたわよね? まあこれ以上年齢のことに突っ込むのも失礼だし、深追いするのはやめておこうかな。
でもナイトさんは若く見積もっても60代前半であろうおじいさんより歳上かもしれないというのは流石にびっくりだけど。やっぱり謎が多い人ね。
おじいさんは相当親しいみたいだしナイトさんが何者か分かってるみたいだけど。
「そろそろ行こうかな」
「うん、そうだね」
お酒を飲み干したであろうおじいさんとナイトさんは席から立ち上がった。まだ来てから30分ぐらいしか経ってない。
「もう行かれるのですか?」
「もうすこしゆっくりしていけばいいじゃないですか」
「いや、さっきから大体30分ほどで1つの店を回ってるからな。これでいいんじゃよ二人とも」
「そういうわけだ」
おじいさんはギルドマスターを呼び寄せてお酒の代金を直接渡すと、そのまま二人でギルドを出て行ってしまった。でもやっぱり来た時より足取りが酔っ払っている。
「嵐のように過ぎていったな……もうすこし話をしたかったんだが」
ギルドマスターはおじいさん達が飲んでいた酒瓶を片手にポツリとそう言った。他の冒険者の人たちも同じような感想を抱いたみたいで、キョトンとした顔をしていたり、ギルドの入り口をじーっとみ続けていたり、名残惜しそうにしている。
「きっ……緊張したぁ……」
しばらくした後、ガーベラさんは深呼吸をしながらそう言った。
「ご挨拶ご苦労様でした。そしてありがとうございます」
「俺としては付き合うことを許されて嬉しいよ」
「そ、そうですか……!」
そう言ってくれると私も嬉しい。もうすっかり彼氏と彼女の関係になれてると思う。このままお互い呼び捨てで名前を呼びあったりして……関係を進めていけば、ガーベラさんが私の……。
◆◆◆
「しかし、本当に驚いたよ」
「ワシもじゃよ」
ジーゼフとナイトはギルドを出てから、また別の店で酒を飲みながら話していた。
ジーゼフは普段こんなにも酒は飲まないが、旧友と出会ったことで話をするたびについ飲んでしまっている。
「君の孫なら本当に言うことはない。アイリスちゃんのこともよく知ってくれていてよかった」
「そりゃあ、ロモンに契約を促したのはワシじゃからな……ところで」
ジーゼフは飲んでいたグラスを静かに机の上に置き、酔っ払って高揚していた表情とは打って変わって、鋭い目をナイトに向けた。
ナイトはこれからなにを言われるか察したように目を瞑る。
「お主、わざとあのギルドに誘導したな……アイリスに合わせるためか?」
「その通りだジーゼフ」
「昔っからお主は回りくどいんじゃよ。どうせ久しぶりに飲もうと言ってきたのもこのためじゃろ?」
「そうだよ。ここで本題を話そう」
ナイトも真剣な顔を上げ、ガーベラはこれからナイトが口にすることの重大さを読み取った。
ため息を一つつき、どんな内容でも受け入れる準備をする。
「結論から言おう。……協力してほしい」
「内容によるが……言いたいことはわかる。しかしワシの力を、正確にはワシの仲魔を召喚するには国に許可を取らなければならんということはこの前話したはず」
「国だってすぐに許可を出してくれるさ。事態が事態だしね」
「やっぱりあいつらのことか」
ナイトは黙って軽く頷いた。
ジーゼフは自分の予想が当たったことが内心複雑に思い、気休めにワイングラスに酒を再び注ぐも、飲まずにそのまま置いておいた。
「まだどれだけ幹部が残ってるか分からんが、そうじゃな、ワシやお主、そしてワシの愛娘とその夫が出ればだいぶおさまるじゃろうて。それに実はアイリスも孫達もほぼ全ての幹部討伐に貢献しておるしな、なにも心配はいらん」
「……ジーゼフ違うんだ、心配しかないんだよ、すでに」
「勝ち越しているこの状況で心配じゃと? となると、まさかだとは思うが……」
「僕のランクと種族を忘れたわけじゃないだろうジーゼフ。もうわかるんだ。僕だって実際に会ったわけじゃない。でも魔力を感じる。すぐそこまで完全復活が近づいている」
ジーゼフは目を見開き一粒だけ汗を流す。
彼にとって動揺はリンネがサナトスファビドの死毒を食らったと聞いた時以来だった。
その際はすでにアイリスが治療済みであり、なにも心配することはなかったが、今回はそうもいかない。
「どれだけ近いんじゃ?」
「本当にもうすぐだ。1ヶ月か……2ヶ月か」
「そんなに……!? ワシはなにも感じんぞ?」
「君は純粋な人間だし仕方ないよ。ここ半年の間に一度でも君の相棒を出して上げたかい? 彼ぐらいになれば感じ取れると思うよ。ジーゼフが魔物使いとしての力を全力で発揮して僕に敵う強さを持つ彼なら」
ナイトはジーゼフの鞄を見た。その鞄の中に「彼」の封書が入っていることを知っているためだ。
ジーゼフは冷や汗をやっとハンカチでふき取ると、慌てた様子でナイトとの話を再開させた。
「わかった。それほどの事態じゃ、ワシと一緒に城に来てくれ」
「そう、それがお願いだ。飲みに誘った理由の一つだね」
「まだあるのか?」
「君にアイリスちゃんを会わせたかった理由をまだ話していない」
この時点でアイリスの名前を出した理由をジーゼフはすぐに感づいた。手が震える。
「ま、まさか……」
「魔王種が現れる場合、必ず魔王種に対抗できる力を持つ存在も現れる。人はそれを勇者という。彼女は僕と同じ極至種なんだろ? 1年にも満たない期間で、君の孫の手腕が優秀だったとしても……僕が反応できるほどの実力を持つのはありえない。それもゴーレムが、だ」
ジーゼフの顔色をみて、なにも言ってこないだろと考え、ナイトはそのまま話を続ける。
「君も勇者と魔王に関する書物の内容は頭に入ってるだろ? 特に国の重役だったんだから。……勇者の特徴はさっき言った通り驚異的な成長速度だけじゃない」
きちんとジーゼフも知っているのか、彼の顔色はさらに青くなる。ナイトは心中を察しながら話を進めて行く。
「まずどこかよく分からない場所の記憶を持っている。これは魔王種を封印した先代の勇者も、先ゝ代も、その前もそうだったらしい。その様子だと心当たりがあるね。次に自力で特技を開発する。今やそれなりの人が覚えている「エクスプロージョン」……あれは先代勇者が編み出したものだ。このことについての心当たりも……あるようだね」
ジーゼフはしばらく間をおいて、ようやく頷いた。
ハァ、とナイトはため息をつき彼の背中をさする。
「君がそこまで心配なのもわかるよ。魔王が現れ、勇者がアイリスちゃんだったとしたら……つまり君の家族全員が戦闘に巻き込まれることになるんだから」
「……なんとかすることはできぬか?」
「僕もまさかアイリスちゃんが君の家族だとは思わなかったから覚悟は軽かったけど……決心はしている。きちんとこの戦闘に参加しよう」
「助かる……!」
そういうと共にジーゼフは青くしていた顔を自分の頬を叩いて気合を入れ直した。行動に移すことに全力をだす、そう彼の気迫が物語っている。
「でもジーゼフ、慌てるなよ? こうは言ったけど、勇者を示すアイテムはまだ見つかってない。歴史書によれば勇者となるべき者が親しい人の中の誰かが最後に潜ったダンジョンから、1セットでてくるらしい。だからそれが見つかり勇者が示されるまで、一応まだアイリスちゃんが勇者と決まったわけじゃない」
「そうじゃな。とりあえず…….明日は城に乗り込む。ついて来てくれるんじゃろ?」
「もちろん。それがSSランク極至種である僕の仕事の一つ目だ」
「期待しておるぞ、アイリスが現れるまで最後の極至種と言われておった……ボーンナイトブレイブ」
◆◆◆
(余談)
「ところで」
「なんだい?」
「どうして今日、アイリスを口説いたんじゃ?」
「だってすごく可愛いじゃないか。容姿だけじゃなく、純粋で清楚で……あ、一つ言い忘れてたことがあるんだけど」
「ん?」
なぜガーベラがアイリスに告白したかの経緯をナイト改めボーンナイトブレイブはガーベラに話した。
「……まさか勇者候補だから口説いたんじゃなくて、本気でか。それもまあ……年の差を考えてくれ」
「いいじゃないか! 見た目の年齢ならお似合いだよ! あと容姿もね!」
「お主なら、ワシは反対しておったな。よく知ってる分だけ余計に」
「ぇええええぇぇええええっ!!」
二人は酒を残し、店を出た。
そのあとはもう、どこも店には寄ることがなかった。
#####
次の投稿は6/8です!
「そうなんですよ」
あれからおじいさんに身の上話をせがまれたガーベラさんは、昔の記憶が曖昧で、一部消えてすらいると説明していた。やっぱり生まれた場所とかもまだ思い出せていないみたい。
「記憶、ねぇ」
「ナイト? 俺が記憶を消失していることに心当たりがあったりするのか……?」
「いやないよ。ないない」
手をひらひらと振りながらナイトさんは否定する。でも結構なにか意味を含んでいるような言い方だったのは確か。
「人生経験長いじゃろ、わからんのか?」
「いきてる時間が長いからって何もかもわかるわけじゃないよ」
たしかに。でもいい加減ナイトさんの年齢を知りたくなってきた。やっぱりどうにも見た目通りの年齢じゃないっぽいし。
「あの、ナイトさんっておいくつですか?」
「いくつに見える?」
「20代前半から、行ってても30歳より前ですかね」
「そう見えるならそうだよ」
「えぇ……?」
ますますわからなくなった。おじいさんはきた時より顔を赤くしてカラカラと笑っている。
「でもさっき、ジーゼフさんは自分より歳上だと……」
「気のせい気のせい。それにさ、仮に見た目さえ若ければそれでよくないかな? アイリスちゃんだって本当は20歳近い年齢なんかじゃないんだろ?」
「ワシの見立てじゃと、あの頃のアイリスちゃんは生後3週間程度のトゥーンゴーレムじゃった。加えてロモンの仲魔になってから10ヶ月以上経つが、まだ1つも歳はとってないの」
「ね? 実年齢なんて気にする必要はないんだよ」
「そう、です……ね?」
たしかにそうかもしれないけれど、どう考えてもこれは言いくるめられたわよね? まあこれ以上年齢のことに突っ込むのも失礼だし、深追いするのはやめておこうかな。
でもナイトさんは若く見積もっても60代前半であろうおじいさんより歳上かもしれないというのは流石にびっくりだけど。やっぱり謎が多い人ね。
おじいさんは相当親しいみたいだしナイトさんが何者か分かってるみたいだけど。
「そろそろ行こうかな」
「うん、そうだね」
お酒を飲み干したであろうおじいさんとナイトさんは席から立ち上がった。まだ来てから30分ぐらいしか経ってない。
「もう行かれるのですか?」
「もうすこしゆっくりしていけばいいじゃないですか」
「いや、さっきから大体30分ほどで1つの店を回ってるからな。これでいいんじゃよ二人とも」
「そういうわけだ」
おじいさんはギルドマスターを呼び寄せてお酒の代金を直接渡すと、そのまま二人でギルドを出て行ってしまった。でもやっぱり来た時より足取りが酔っ払っている。
「嵐のように過ぎていったな……もうすこし話をしたかったんだが」
ギルドマスターはおじいさん達が飲んでいた酒瓶を片手にポツリとそう言った。他の冒険者の人たちも同じような感想を抱いたみたいで、キョトンとした顔をしていたり、ギルドの入り口をじーっとみ続けていたり、名残惜しそうにしている。
「きっ……緊張したぁ……」
しばらくした後、ガーベラさんは深呼吸をしながらそう言った。
「ご挨拶ご苦労様でした。そしてありがとうございます」
「俺としては付き合うことを許されて嬉しいよ」
「そ、そうですか……!」
そう言ってくれると私も嬉しい。もうすっかり彼氏と彼女の関係になれてると思う。このままお互い呼び捨てで名前を呼びあったりして……関係を進めていけば、ガーベラさんが私の……。
◆◆◆
「しかし、本当に驚いたよ」
「ワシもじゃよ」
ジーゼフとナイトはギルドを出てから、また別の店で酒を飲みながら話していた。
ジーゼフは普段こんなにも酒は飲まないが、旧友と出会ったことで話をするたびについ飲んでしまっている。
「君の孫なら本当に言うことはない。アイリスちゃんのこともよく知ってくれていてよかった」
「そりゃあ、ロモンに契約を促したのはワシじゃからな……ところで」
ジーゼフは飲んでいたグラスを静かに机の上に置き、酔っ払って高揚していた表情とは打って変わって、鋭い目をナイトに向けた。
ナイトはこれからなにを言われるか察したように目を瞑る。
「お主、わざとあのギルドに誘導したな……アイリスに合わせるためか?」
「その通りだジーゼフ」
「昔っからお主は回りくどいんじゃよ。どうせ久しぶりに飲もうと言ってきたのもこのためじゃろ?」
「そうだよ。ここで本題を話そう」
ナイトも真剣な顔を上げ、ガーベラはこれからナイトが口にすることの重大さを読み取った。
ため息を一つつき、どんな内容でも受け入れる準備をする。
「結論から言おう。……協力してほしい」
「内容によるが……言いたいことはわかる。しかしワシの力を、正確にはワシの仲魔を召喚するには国に許可を取らなければならんということはこの前話したはず」
「国だってすぐに許可を出してくれるさ。事態が事態だしね」
「やっぱりあいつらのことか」
ナイトは黙って軽く頷いた。
ジーゼフは自分の予想が当たったことが内心複雑に思い、気休めにワイングラスに酒を再び注ぐも、飲まずにそのまま置いておいた。
「まだどれだけ幹部が残ってるか分からんが、そうじゃな、ワシやお主、そしてワシの愛娘とその夫が出ればだいぶおさまるじゃろうて。それに実はアイリスも孫達もほぼ全ての幹部討伐に貢献しておるしな、なにも心配はいらん」
「……ジーゼフ違うんだ、心配しかないんだよ、すでに」
「勝ち越しているこの状況で心配じゃと? となると、まさかだとは思うが……」
「僕のランクと種族を忘れたわけじゃないだろうジーゼフ。もうわかるんだ。僕だって実際に会ったわけじゃない。でも魔力を感じる。すぐそこまで完全復活が近づいている」
ジーゼフは目を見開き一粒だけ汗を流す。
彼にとって動揺はリンネがサナトスファビドの死毒を食らったと聞いた時以来だった。
その際はすでにアイリスが治療済みであり、なにも心配することはなかったが、今回はそうもいかない。
「どれだけ近いんじゃ?」
「本当にもうすぐだ。1ヶ月か……2ヶ月か」
「そんなに……!? ワシはなにも感じんぞ?」
「君は純粋な人間だし仕方ないよ。ここ半年の間に一度でも君の相棒を出して上げたかい? 彼ぐらいになれば感じ取れると思うよ。ジーゼフが魔物使いとしての力を全力で発揮して僕に敵う強さを持つ彼なら」
ナイトはジーゼフの鞄を見た。その鞄の中に「彼」の封書が入っていることを知っているためだ。
ジーゼフは冷や汗をやっとハンカチでふき取ると、慌てた様子でナイトとの話を再開させた。
「わかった。それほどの事態じゃ、ワシと一緒に城に来てくれ」
「そう、それがお願いだ。飲みに誘った理由の一つだね」
「まだあるのか?」
「君にアイリスちゃんを会わせたかった理由をまだ話していない」
この時点でアイリスの名前を出した理由をジーゼフはすぐに感づいた。手が震える。
「ま、まさか……」
「魔王種が現れる場合、必ず魔王種に対抗できる力を持つ存在も現れる。人はそれを勇者という。彼女は僕と同じ極至種なんだろ? 1年にも満たない期間で、君の孫の手腕が優秀だったとしても……僕が反応できるほどの実力を持つのはありえない。それもゴーレムが、だ」
ジーゼフの顔色をみて、なにも言ってこないだろと考え、ナイトはそのまま話を続ける。
「君も勇者と魔王に関する書物の内容は頭に入ってるだろ? 特に国の重役だったんだから。……勇者の特徴はさっき言った通り驚異的な成長速度だけじゃない」
きちんとジーゼフも知っているのか、彼の顔色はさらに青くなる。ナイトは心中を察しながら話を進めて行く。
「まずどこかよく分からない場所の記憶を持っている。これは魔王種を封印した先代の勇者も、先ゝ代も、その前もそうだったらしい。その様子だと心当たりがあるね。次に自力で特技を開発する。今やそれなりの人が覚えている「エクスプロージョン」……あれは先代勇者が編み出したものだ。このことについての心当たりも……あるようだね」
ジーゼフはしばらく間をおいて、ようやく頷いた。
ハァ、とナイトはため息をつき彼の背中をさする。
「君がそこまで心配なのもわかるよ。魔王が現れ、勇者がアイリスちゃんだったとしたら……つまり君の家族全員が戦闘に巻き込まれることになるんだから」
「……なんとかすることはできぬか?」
「僕もまさかアイリスちゃんが君の家族だとは思わなかったから覚悟は軽かったけど……決心はしている。きちんとこの戦闘に参加しよう」
「助かる……!」
そういうと共にジーゼフは青くしていた顔を自分の頬を叩いて気合を入れ直した。行動に移すことに全力をだす、そう彼の気迫が物語っている。
「でもジーゼフ、慌てるなよ? こうは言ったけど、勇者を示すアイテムはまだ見つかってない。歴史書によれば勇者となるべき者が親しい人の中の誰かが最後に潜ったダンジョンから、1セットでてくるらしい。だからそれが見つかり勇者が示されるまで、一応まだアイリスちゃんが勇者と決まったわけじゃない」
「そうじゃな。とりあえず…….明日は城に乗り込む。ついて来てくれるんじゃろ?」
「もちろん。それがSSランク極至種である僕の仕事の一つ目だ」
「期待しておるぞ、アイリスが現れるまで最後の極至種と言われておった……ボーンナイトブレイブ」
◆◆◆
(余談)
「ところで」
「なんだい?」
「どうして今日、アイリスを口説いたんじゃ?」
「だってすごく可愛いじゃないか。容姿だけじゃなく、純粋で清楚で……あ、一つ言い忘れてたことがあるんだけど」
「ん?」
なぜガーベラがアイリスに告白したかの経緯をナイト改めボーンナイトブレイブはガーベラに話した。
「……まさか勇者候補だから口説いたんじゃなくて、本気でか。それもまあ……年の差を考えてくれ」
「いいじゃないか! 見た目の年齢ならお似合いだよ! あと容姿もね!」
「お主なら、ワシは反対しておったな。よく知ってる分だけ余計に」
「ぇええええぇぇええええっ!!」
二人は酒を残し、店を出た。
そのあとはもう、どこも店には寄ることがなかった。
#####
次の投稿は6/8です!
0
あなたにおすすめの小説
神様 なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか
佐藤醤油
ファンタジー
主人公を神様が転生させたが上手くいかない。
最初は生まれる前に死亡。次は生まれた直後に親に捨てられ死亡。ネズミにかじられ死亡。毒キノコを食べて死亡。何度も何度も転生を繰り返すのだが成功しない。
「神様、もう少し暮らしぶりの良いところに転生できないのですか」
そうして転生を続け、ようやく王家に生まれる事ができた。
さあ、この転生は成功するのか?
注:ギャグ小説ではありません。
最後まで投稿して公開設定もしたので、完結にしたら公開前に完結になった。
なんで?
坊、投稿サイトは公開まで完結にならないのに。
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜
ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。
死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる