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ふかふかした廊下を葵について歩く。部屋の中は明るく、真琴の住むアパートより広い。
「すごい」
「そこから町が一望できるよ」
一瞬何をしに来たのか忘れたように、真琴は大きな窓に近づいた。眼下にはまばゆい町が広がり、星空も近い。
「綺麗……」
会社から見る景色とまるで違っていた。後ろにそっと葵が立つ。
「一緒に景色を見たかったんだ」
「葵君……」
葵が何を考えているのか全く分からなかった。促されて上等なソファーに座る。真琴は座り心地や手触りを、体に覚えさせるように優しく撫でた。
「三島さんの行方を葵君がどうして知ってるの?」
「俺の父親だから」
虚を突かれたような気がしたが、やっぱりと確信もあった。
「やっぱりそうだったんだ」
「離婚したからね。苗字が違うのはそのせい。会社は俺の母親側の経営でさ」
三島浩一郎は葵の母親に見初められ、結婚し一社員から役員へと出世した。彼自身に能力があり会社の業績を随分上げたので、逆玉などの非難や陰口のない結婚だった。
「どうして、離婚したの?」
「決まってんじゃん」
「本当に何もないの。食事しただけで、本当に」
「わかってる。母親も調べさせていたからね。親父は不特定多数でいろんなジャンルの人間と会うからどこの誰って特定できなかったし」
「じゃあ、どうして……」
「直接聞いたわけじゃないけどさ」
真琴と三島浩一郎が出会ったころから、両親の喧嘩が絶えなくなったらしい。元々気性の激しい母親に寡黙な父親が従っているような夫婦関係だった。
「母親が泣き喚いてるのを聞いたんだ。自分に指一本触れないのはどうしてだってね」
黙って聞いている真琴に葵は笑いかける。
「マコさんを責めたいわけじゃないんだ。俺だってあんな母親みたいなガミガミいう女なんかご免だよ。よく親父は我慢してやってたよなあ」
「葵君はお母さんが好きじゃないの?」
「あんなババア好きな奴いるかよ。親父が逃げ出すのもわかるさ」
葵は家庭を壊した原因になってる真琴を責めようとしてるわけではないようだ。
「どうやって私のこと突き止めたの?」
「これ」
グレーのジャケットからパスケースをとりだし、更にケースから一枚の写真をとりだした。
「あっ」
そこには三島浩一郎と陶芸家、そして隅に真琴が映っている。陶芸の展示会を行っていたギャラリーで撮られたものだった。
「マコさんも芳名帳に名前と住所書いただろ? この写真は親父に送られてきててさ。出ていったあと俺が見つけたんだ」
唯一の三島浩一郎との思い出が形に残ったものだった。
「あとは調べるのそんなに難しくなかった。窓ふきのバイトもマコさんの会社に関係してたし、社員があの店の常連だったからさ」
「どうして、そこまでして」
「写真を見た時に興味がわいたわけ。忍耐強い親父が出ていくきっかけになった人間に。しかも愛人じゃないってところがさ不思議でさ」
「そんなこと私にだってわからない」
「会社で働いてるマコさんもよく見たし、店のマコさんも知ってる。どっちのマコさんもマコさんで会ってるうちに俺もよく分からなくなってきたんだ」
気が付くと葵は顔をゆがめて苦しそうな表情になっていた。
「葵君……」
「親父はその格好のマコさん知らないんだよな。会ってるときどう思ってたんだろ」
葵は立ち上がって窓のほうへ向かう。真琴も葵が心配で立ち上がりついて歩く。
「俺、男を好きになったことはないよ。やってみたいとも思わない」
「うん……」
「だけどさ」
葵は振り向いて真琴を抱きしめる。真琴はじっとされるがままになっている。
「マコさんのことが好きだ。この服の下って俺と同じ体があるのに」
「私も葵君が好きだよ。でもどういう好きか分からない」
「親父とどっちが好き?」
「どっちが……。わからない……」
正直な気持ちだった。
「今まで好きになった子ってどんな子だった?」
「ごめん。そういう気持ちがよくわからないの」
スカートの上からいきなり股間の上に手を置かれてさすがに真琴は声をあげた。
「葵君っ?」
「マコさん、抜くとき誰を思い浮かべる? 俺ここんところマコさんが出てきちゃうんだよ」
「あ、あの、ちょ、っと」
葵の手つきは当たり前のように慣れていて、真琴の器官も反応してしまった。
「おんなじモノついてるのにさ」
「ね、ねえ。止めよう?」
「マコさんだって立ってんじゃん」
「こんなことがしたいんじゃない!」
「ごめん……」
強い声に葵は身体を離す。無理強いすることなく、手を止めることが出来る彼はやはり理性的な三島浩一郎に似ているのだろうか。真琴はまたソファーに座った。
「マコさんが手術し終わってたらやっちゃってたかもな」
葵は窓の外を見ながらつぶやく。
「三島さんも、私が女だったらそうしたのかな」
「さあね」
「今日はありがとう。もう帰る」
「親父の居所知りたくない?」
「なんか、知るのが怖くなっちゃった」
「これ」
住所を書いたメモを渡される。真琴はじっとメモを見る。
「こんなところに? 一体何を……」」
「一人でこもってるよ。俺も行ったことないんだ。来るなとは言われてないけどさ」
「不自由されてないかしら」
メモに書かれてある住所は山深い、町から随分遠ざかったところのようだ。
「自給自足っぽい。まあいい歳だから心配だけど。マコさんの好きにしたらいいよ」
もう一度礼を言って真琴は部屋を出た。廊下をすれ違った人の中には真琴をちらっと見直す者もいた。店の外では時々、真琴は二度見された。町のざわめきも行きかう多くの人も、その人たちの自分への目も何も気にならなかった。それよりも三島浩一郎が今の自分をどう思うだろうかということが気になった。
「会いたい」
どんな恰好でどんな様子で? 自分らしさってなんだろう。ウィッグに手をやる。ずるっと取った。歩いている人たちがその行為と、中から出てきた短髪に驚く。真琴は店でウィッグを被るため、いつも短くしている。会社のスーツに合すべくツーブロックのベリーショートだ。ウィッグをとると頭が軽く涼しかった。
「葵君……」
葵は会社を継ぎ、経営し、結婚し、次の後継者を育てるのだろうか。今から彼は不自由さを感じるのだろうか。せめて会社での仕事を彼が好きになれますようにと祈る。しかし自分も彼もほとんどの人が好きなことが分からず毎日過ごしている。
「もう少したら」
真琴は手にウィッグを持ったまま雑踏を歩く。自分の中になにかつかめた時に、三島浩一郎に会いに行こうと人の目も気にせず顔をあげてしっかりと歩いて行った。
「すごい」
「そこから町が一望できるよ」
一瞬何をしに来たのか忘れたように、真琴は大きな窓に近づいた。眼下にはまばゆい町が広がり、星空も近い。
「綺麗……」
会社から見る景色とまるで違っていた。後ろにそっと葵が立つ。
「一緒に景色を見たかったんだ」
「葵君……」
葵が何を考えているのか全く分からなかった。促されて上等なソファーに座る。真琴は座り心地や手触りを、体に覚えさせるように優しく撫でた。
「三島さんの行方を葵君がどうして知ってるの?」
「俺の父親だから」
虚を突かれたような気がしたが、やっぱりと確信もあった。
「やっぱりそうだったんだ」
「離婚したからね。苗字が違うのはそのせい。会社は俺の母親側の経営でさ」
三島浩一郎は葵の母親に見初められ、結婚し一社員から役員へと出世した。彼自身に能力があり会社の業績を随分上げたので、逆玉などの非難や陰口のない結婚だった。
「どうして、離婚したの?」
「決まってんじゃん」
「本当に何もないの。食事しただけで、本当に」
「わかってる。母親も調べさせていたからね。親父は不特定多数でいろんなジャンルの人間と会うからどこの誰って特定できなかったし」
「じゃあ、どうして……」
「直接聞いたわけじゃないけどさ」
真琴と三島浩一郎が出会ったころから、両親の喧嘩が絶えなくなったらしい。元々気性の激しい母親に寡黙な父親が従っているような夫婦関係だった。
「母親が泣き喚いてるのを聞いたんだ。自分に指一本触れないのはどうしてだってね」
黙って聞いている真琴に葵は笑いかける。
「マコさんを責めたいわけじゃないんだ。俺だってあんな母親みたいなガミガミいう女なんかご免だよ。よく親父は我慢してやってたよなあ」
「葵君はお母さんが好きじゃないの?」
「あんなババア好きな奴いるかよ。親父が逃げ出すのもわかるさ」
葵は家庭を壊した原因になってる真琴を責めようとしてるわけではないようだ。
「どうやって私のこと突き止めたの?」
「これ」
グレーのジャケットからパスケースをとりだし、更にケースから一枚の写真をとりだした。
「あっ」
そこには三島浩一郎と陶芸家、そして隅に真琴が映っている。陶芸の展示会を行っていたギャラリーで撮られたものだった。
「マコさんも芳名帳に名前と住所書いただろ? この写真は親父に送られてきててさ。出ていったあと俺が見つけたんだ」
唯一の三島浩一郎との思い出が形に残ったものだった。
「あとは調べるのそんなに難しくなかった。窓ふきのバイトもマコさんの会社に関係してたし、社員があの店の常連だったからさ」
「どうして、そこまでして」
「写真を見た時に興味がわいたわけ。忍耐強い親父が出ていくきっかけになった人間に。しかも愛人じゃないってところがさ不思議でさ」
「そんなこと私にだってわからない」
「会社で働いてるマコさんもよく見たし、店のマコさんも知ってる。どっちのマコさんもマコさんで会ってるうちに俺もよく分からなくなってきたんだ」
気が付くと葵は顔をゆがめて苦しそうな表情になっていた。
「葵君……」
「親父はその格好のマコさん知らないんだよな。会ってるときどう思ってたんだろ」
葵は立ち上がって窓のほうへ向かう。真琴も葵が心配で立ち上がりついて歩く。
「俺、男を好きになったことはないよ。やってみたいとも思わない」
「うん……」
「だけどさ」
葵は振り向いて真琴を抱きしめる。真琴はじっとされるがままになっている。
「マコさんのことが好きだ。この服の下って俺と同じ体があるのに」
「私も葵君が好きだよ。でもどういう好きか分からない」
「親父とどっちが好き?」
「どっちが……。わからない……」
正直な気持ちだった。
「今まで好きになった子ってどんな子だった?」
「ごめん。そういう気持ちがよくわからないの」
スカートの上からいきなり股間の上に手を置かれてさすがに真琴は声をあげた。
「葵君っ?」
「マコさん、抜くとき誰を思い浮かべる? 俺ここんところマコさんが出てきちゃうんだよ」
「あ、あの、ちょ、っと」
葵の手つきは当たり前のように慣れていて、真琴の器官も反応してしまった。
「おんなじモノついてるのにさ」
「ね、ねえ。止めよう?」
「マコさんだって立ってんじゃん」
「こんなことがしたいんじゃない!」
「ごめん……」
強い声に葵は身体を離す。無理強いすることなく、手を止めることが出来る彼はやはり理性的な三島浩一郎に似ているのだろうか。真琴はまたソファーに座った。
「マコさんが手術し終わってたらやっちゃってたかもな」
葵は窓の外を見ながらつぶやく。
「三島さんも、私が女だったらそうしたのかな」
「さあね」
「今日はありがとう。もう帰る」
「親父の居所知りたくない?」
「なんか、知るのが怖くなっちゃった」
「これ」
住所を書いたメモを渡される。真琴はじっとメモを見る。
「こんなところに? 一体何を……」」
「一人でこもってるよ。俺も行ったことないんだ。来るなとは言われてないけどさ」
「不自由されてないかしら」
メモに書かれてある住所は山深い、町から随分遠ざかったところのようだ。
「自給自足っぽい。まあいい歳だから心配だけど。マコさんの好きにしたらいいよ」
もう一度礼を言って真琴は部屋を出た。廊下をすれ違った人の中には真琴をちらっと見直す者もいた。店の外では時々、真琴は二度見された。町のざわめきも行きかう多くの人も、その人たちの自分への目も何も気にならなかった。それよりも三島浩一郎が今の自分をどう思うだろうかということが気になった。
「会いたい」
どんな恰好でどんな様子で? 自分らしさってなんだろう。ウィッグに手をやる。ずるっと取った。歩いている人たちがその行為と、中から出てきた短髪に驚く。真琴は店でウィッグを被るため、いつも短くしている。会社のスーツに合すべくツーブロックのベリーショートだ。ウィッグをとると頭が軽く涼しかった。
「葵君……」
葵は会社を継ぎ、経営し、結婚し、次の後継者を育てるのだろうか。今から彼は不自由さを感じるのだろうか。せめて会社での仕事を彼が好きになれますようにと祈る。しかし自分も彼もほとんどの人が好きなことが分からず毎日過ごしている。
「もう少したら」
真琴は手にウィッグを持ったまま雑踏を歩く。自分の中になにかつかめた時に、三島浩一郎に会いに行こうと人の目も気にせず顔をあげてしっかりと歩いて行った。
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