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第一部
21 豹
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重みを感じて直樹は目覚めた。
緋紗が上に乗っている。
胸のあたりにある緋紗の寝顔を見ていると、子供のころに動物園で見た木の上で眠る豹を思い出した。
豹は猛獣のように見えるが天敵が多く、木の上で寝たり餌を食べたりする。
単独行動で静かに木の上から飛び降りて獲物を襲う。――そっくりだな。
緋紗は直樹の生活にいきなり現れて目を奪い、欲望に忠実で好奇心が強いのに怖がりだ。
横目で時計を見ると五時十分だった。しばらく緋紗の重みを感じてみる。
昨晩の緋紗はとても可愛かった。
直樹はセックスに関して淡白な方で自慰行為も性交も快感に差がない。
学生時代から自分の世代にはやはり直樹と同じように所謂『草食男子』が多かったし、自分が淡白な性質であることも気にならなかった。
むしろ寝た女の子の数を競ったり、『やる』ために頑張った話、自分のセックスのうまさを自慢したりすることに違和感を感じる方だった。――そこまでしてしたいと思わない。
しかし、兄、颯介のお節介な教育によって女の扱いはソフィスティケートされており林業に就くまでは直樹の意思とは関係なく結構モテた。
ただ付き合った後に直樹の不感症ぶりに堪えられなくなり女たちは去っていく。
そんなパターン化された恋愛関係を経てきた直樹にとって、緋紗を抱きたい衝動に抗えない自分が不思議だった。
起こさないようにゆっくりと身体をずらして起き上がる。
「うん……ん」
――起こさなかったか。
ほっそりとしているが綺麗な筋肉がついた背中を思い出し、パジャマの上からなぞりそうになったがやめた。――仕事しないとな。
苦笑して支度をし厨房へ向かった。
「おはようございます」
厨房では和夫が準備に取り掛かっていた。
「おう。おはよ」
「ひさは、少し遅れます」
「いいよいいよ。女の子は大事にしてやらないとな。うちの女王様も夢の中だ」
ハハッっと笑って和夫は卵を割っている。直樹も微笑んで野菜を洗い始めた。
緋紗が上に乗っている。
胸のあたりにある緋紗の寝顔を見ていると、子供のころに動物園で見た木の上で眠る豹を思い出した。
豹は猛獣のように見えるが天敵が多く、木の上で寝たり餌を食べたりする。
単独行動で静かに木の上から飛び降りて獲物を襲う。――そっくりだな。
緋紗は直樹の生活にいきなり現れて目を奪い、欲望に忠実で好奇心が強いのに怖がりだ。
横目で時計を見ると五時十分だった。しばらく緋紗の重みを感じてみる。
昨晩の緋紗はとても可愛かった。
直樹はセックスに関して淡白な方で自慰行為も性交も快感に差がない。
学生時代から自分の世代にはやはり直樹と同じように所謂『草食男子』が多かったし、自分が淡白な性質であることも気にならなかった。
むしろ寝た女の子の数を競ったり、『やる』ために頑張った話、自分のセックスのうまさを自慢したりすることに違和感を感じる方だった。――そこまでしてしたいと思わない。
しかし、兄、颯介のお節介な教育によって女の扱いはソフィスティケートされており林業に就くまでは直樹の意思とは関係なく結構モテた。
ただ付き合った後に直樹の不感症ぶりに堪えられなくなり女たちは去っていく。
そんなパターン化された恋愛関係を経てきた直樹にとって、緋紗を抱きたい衝動に抗えない自分が不思議だった。
起こさないようにゆっくりと身体をずらして起き上がる。
「うん……ん」
――起こさなかったか。
ほっそりとしているが綺麗な筋肉がついた背中を思い出し、パジャマの上からなぞりそうになったがやめた。――仕事しないとな。
苦笑して支度をし厨房へ向かった。
「おはようございます」
厨房では和夫が準備に取り掛かっていた。
「おう。おはよ」
「ひさは、少し遅れます」
「いいよいいよ。女の子は大事にしてやらないとな。うちの女王様も夢の中だ」
ハハッっと笑って和夫は卵を割っている。直樹も微笑んで野菜を洗い始めた。
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