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第一部
63 夕日
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そろそろ終業時間だ。
あたりも暗くなってきたので直樹は道具を片付け始めた。
少しだけ冷たい風を感じるようになり空の色も秋らしい。
今日の夕焼けは燃えるようで全身が真っ赤に染まっていくようだ。
緋紗を思い出す。
直樹は緋紗と出会ってから仕事を終えるときに一日の無事を感謝するようになっていた。
自分でもこんなに信心深かったかどうかわからないが、大先輩の望月の『山への畏怖』がなんとなくわかる気がする。
一人の時には危険な仕事だと頭では分かっていたが、気を付けていれば大丈夫だと気楽に構えていた。
しかし緋紗の存在が自分自身を大事にしようと思わせ、さらに無事を感謝する気持ちにまで発展した。
「緋紗……」
直樹は声に出して緋紗の名前を呟く。
夕日を見ているとなぜだか涙が出てきた。――泣いているのか。
自分でもびっくりして、失った緋紗が自分の大きなパーツだったことを改めて知った。
あたりも暗くなってきたので直樹は道具を片付け始めた。
少しだけ冷たい風を感じるようになり空の色も秋らしい。
今日の夕焼けは燃えるようで全身が真っ赤に染まっていくようだ。
緋紗を思い出す。
直樹は緋紗と出会ってから仕事を終えるときに一日の無事を感謝するようになっていた。
自分でもこんなに信心深かったかどうかわからないが、大先輩の望月の『山への畏怖』がなんとなくわかる気がする。
一人の時には危険な仕事だと頭では分かっていたが、気を付けていれば大丈夫だと気楽に構えていた。
しかし緋紗の存在が自分自身を大事にしようと思わせ、さらに無事を感謝する気持ちにまで発展した。
「緋紗……」
直樹は声に出して緋紗の名前を呟く。
夕日を見ているとなぜだか涙が出てきた。――泣いているのか。
自分でもびっくりして、失った緋紗が自分の大きなパーツだったことを改めて知った。
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