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第二部
3 それぞれの仕事
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目覚まし時計のアラームで緋紗は目を覚ますとちょうど直樹も起きたようだ。
「おはよう」
少しだけ抱き合ってから起き出す。
直樹が支度を始めている間に、緋紗もさっと着替えて朝ごはんと直樹の弁当を作った。
こんなふうに主婦業をするとは思ったことがなかったが幸せだった。
森林組合員の直樹は支度が出来次第出かける。
好きな仕事をしてイキイキしている直樹のそばに居ると緋紗はもっと幸せだと思うのだった。
「なんだか降りだしそう。富士山傘かぶってる。直樹さん気をつけてね」
「うん。雨がひどいときは作業しないから大丈夫だよ。じゃ行ってきます」
直樹が緋紗にキスをして出て行くと緋紗も洗濯と掃除を済ませ、軽トラックに乗り込み仕事場のペンションへ向かった。
気持ちの良い森の中のペンション『セレナーデ』を優しい風と爽やかな朝の陽射しが包み込んでいる。
「おはようございます」
「緋紗ちゃん、おはよう」
オーナーの吉田和夫がちょうど最後の泊り客を見送ったところのようだ。
「食堂から片付けますね」
「おう。頼む」
緋紗は午前中はペンションを手伝い午後は陶芸教室を開催している。
食堂の片づけをしていると和夫の妻、小夜子が二歳の娘の和奏わかなをつれやってきた。
「緋紗ちゃん、おはよ」
「おはようございます。和奏ちゃんもおはよ」
ますます華やかさが増している小夜子にまぶしく感じながら緋紗は挨拶をした。
生まれたときから知っている和奏は緋紗によくなつき、まとわりつく。
「だめよ。和奏。今、緋紗ちゃんお仕事してるからね」
「やだー」
「いやいや期真っ盛りでほんと困るわ」
さすがの小夜子も手を焼くらしい。
「でも可愛いですねえ。少しお話もでき始めたし」
「和夫なんかメロメロよ」
小夜子は肩をすくめた。
「ちょっと散歩させて来るわね」
「ええ。いってらっしゃい」
和奏は小夜子に手を引かれしっかりした足取りで歩いて行った。
和奏は小夜子似で二歳児であるが独特のオーラというものを感じさせる。
(どこも娘にメロメロかあ)
直樹との間に娘が生まれ、直樹が娘にメロメロになったところを想像する。
(んー。なんかやだな……)
自分の子供でもあるのだろうからきっと気にはならないのかもしれないが、今の緋紗にはまだ受け入れがたかった。
深刻になる前に想像をやめて仕事に専念することにした。
「おはよう」
少しだけ抱き合ってから起き出す。
直樹が支度を始めている間に、緋紗もさっと着替えて朝ごはんと直樹の弁当を作った。
こんなふうに主婦業をするとは思ったことがなかったが幸せだった。
森林組合員の直樹は支度が出来次第出かける。
好きな仕事をしてイキイキしている直樹のそばに居ると緋紗はもっと幸せだと思うのだった。
「なんだか降りだしそう。富士山傘かぶってる。直樹さん気をつけてね」
「うん。雨がひどいときは作業しないから大丈夫だよ。じゃ行ってきます」
直樹が緋紗にキスをして出て行くと緋紗も洗濯と掃除を済ませ、軽トラックに乗り込み仕事場のペンションへ向かった。
気持ちの良い森の中のペンション『セレナーデ』を優しい風と爽やかな朝の陽射しが包み込んでいる。
「おはようございます」
「緋紗ちゃん、おはよう」
オーナーの吉田和夫がちょうど最後の泊り客を見送ったところのようだ。
「食堂から片付けますね」
「おう。頼む」
緋紗は午前中はペンションを手伝い午後は陶芸教室を開催している。
食堂の片づけをしていると和夫の妻、小夜子が二歳の娘の和奏わかなをつれやってきた。
「緋紗ちゃん、おはよ」
「おはようございます。和奏ちゃんもおはよ」
ますます華やかさが増している小夜子にまぶしく感じながら緋紗は挨拶をした。
生まれたときから知っている和奏は緋紗によくなつき、まとわりつく。
「だめよ。和奏。今、緋紗ちゃんお仕事してるからね」
「やだー」
「いやいや期真っ盛りでほんと困るわ」
さすがの小夜子も手を焼くらしい。
「でも可愛いですねえ。少しお話もでき始めたし」
「和夫なんかメロメロよ」
小夜子は肩をすくめた。
「ちょっと散歩させて来るわね」
「ええ。いってらっしゃい」
和奏は小夜子に手を引かれしっかりした足取りで歩いて行った。
和奏は小夜子似で二歳児であるが独特のオーラというものを感じさせる。
(どこも娘にメロメロかあ)
直樹との間に娘が生まれ、直樹が娘にメロメロになったところを想像する。
(んー。なんかやだな……)
自分の子供でもあるのだろうからきっと気にはならないのかもしれないが、今の緋紗にはまだ受け入れがたかった。
深刻になる前に想像をやめて仕事に専念することにした。
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