流行りの異世界転生が出来ると思ったのにチートするにはポイントが高すぎる

はぎわら歓

文字の大きさ
1 / 3

前編

しおりを挟む
 仕事に疲れてとぼとぼ歩いていると神社に差し掛かる。もう夕暮れで受付も締まっており赤い鳥居だけが華やかさを見せていた。
 「はあー。お参りでもしていくかなあ」
  誰もいないので本格的に鳥居の前で二回拝礼をしてから手を洗い口を漱ぐ。こじんまりとしているが木々の溢れるしっとりした境内を歩き、階段を上がって賽銭を投げ入れる。十五円入れようかと思ったが、思い直し四十五円にする。
 「始終ご縁がありますように――はあー異世界にでも転生できたらなあ」

  ガラガラと鈴を鳴らし、思いっきり柏手を打つと目の前がぱっと明るくなった。
 「きゃっ!」
 思わず目を閉じ、パチパチ瞬かせると、目の前の眩しい光の中に誰かがいる。
 「え? まじで? 神様?」

  逆光に目が慣れて良く見ると、目の前の神様であろうか、狐の耳と尻尾をもち袴姿の色の白い凛々しい若い男性が私を静かに見つめている。
 「神様というか人外というか……お稲荷様?」
 耳と尻尾と長い髪は銀髪で、切れ長の一重の瞳には薄茶色の中にグリーンが混じっている。あまりの美しさにぼんやり口を開けてみていると、止まった時間が動き出したかのように、神様が話しかけてくる。
 「お前の願いは異世界転生か?」 
 「はっ! えっと、そうですね。出来たら異世界で溺愛されたらいいなあーって……」
 「ふむ。異世界で溺愛か」
 「で、できるんですか?」
 「ああ、できる」
 「やったー!!! 異世界転生だあ!!!」

  興奮して思わず万歳し鼻息を荒くしていると静かな声が私の沸騰しかけの頭を冷静にさせる。
 「転生先ではお前は犬となり、飼い主に溺愛されるであろう」
 「えっ??? ちょ、ちょっと待ってください? 犬? 人間じゃないの?」
 「そうだ。異世界転生で溺愛されたいのであろう。お前の希望と条件にあっている」
 「希望は確かに合っていますけど……。条件ってなんですか?」
 「お前の持つポイントだ。それが反映されている」
 「ポイント制か……」
 「では、転生させてやろう」
 「あっ、ま、待って、やめますやめます」
 「そうか」
 危ない危ない。犬に転生させられるところだった。

 「あの。人間に転生しようと思うとそ、そのポイントどれだけ足りないのでしょうか?」
 「今のポイントは150ある。あと150足りない」
 「あと倍……」
どうやら転生は可能であるが、100以上で動物、300以上で人間になれるらしい。
 「どうやってポイントって貯められるんですか?」
 「これは『徳』だ。それを増やせばおのずとポイントに変換されるだろう」
 「『徳』……」
 徳ってなんだ?どうやって徳って増えるの?

 「あ、あの、徳を増やしてきたら人間で転生させてもらえますか?」
 「うむ。よいだろう。またこの逢魔が時に来るがよい。さらば」
 一瞬で神様は消えて、私はぽつんと暗闇の神社にいた。急いで帰らなきゃ。とにかく帰って徳についてググらなきゃ。私は転げるように階段を下りて急ぎ足で帰宅した。


  徳について調べてみると概念が難しくイマイチ理解できない。
 「人徳? 品性? 道徳……。うーん、それがどうやったら増えるわけ?」
 分からないので徳が高い人を調べてみる。
 「えーっと劉備玄徳? 誰……」
 結局分かったのは人に親切にして、責任感を持ち、怒らないと良いらしいということ。
 「明日からやってみるか。ポイント上がって異世界転生できるかもしれないもんね」
なんだか目標ができたおかげでワクワクしてきた。異世界で王子様、いや、ライバルが出てくると嫌だし、姫になると拘束が嫌だから、ほどほどの身分で、次男とか三男当たりの、どびっきりじゃなくほどほどのイケメンに溺愛されるところを想像しながら眠りについた。


  黄昏時、日が沈みかける前に神社に行き、賽銭箱の前で柏手を打った。
 「現れますように!」
ぎゅっと目を閉じると、やはり眩しい光を感じ、そっと目を開けた。
 「はあー、良かったあ」
 麗しいお稲荷様がクールな面持ちで現れる。人外もいいなあと、貴公子から目移りしかける。たっぷりした美しい毛並みのしっぽがふわふわと揺れている。
 「300ポイントたまっているようだな」
 「やっぱり!? ここのところすっごい頑張ったんですよ!」
 私は朝早く出社して、掃除をし、後輩に親切にして、先輩の指示をきちんと守って仕事をした。ぶつかってきた人に怒らず笑顔で大丈夫ですよと言い、小銭を落として探しているおばあさんの手伝いをし、近所の人に挨拶もし始めた。
 「では人間に転生させてやろう」
 「はあー、いよいよー! 身分は低くていいです。苦労したくないし」
 「身分? そのようなものはない」
 「え? ないんですか? まあ、いいか。異世界で溺愛だけでも……」
 「お前は農夫になり田畑を耕すことになるだろう」
 「えっええっ? ちょ、ちょま、って、農夫? やだやだ! 溺愛もないし、農夫って男?」
 「そうだ。それが叶えられるポイントだ」
 「ええ~。がっかり……」
 300ポイントというのはどうやら人間になるということくらいが叶うようだ。農夫じゃ今の生活のほうがいいかもなあ。
 「あのー。私の望む通りに転生しようと思ったら何ポイント必要でしょうか?」
 詳しい設定を話すとお稲荷様はすぐさま計算を終えて「1200ポイント」だと教えてくれた。
 「1200かあ……」
この1週間で150ポイントを貯めることが出来た。残りは900ポイント。
 「6週間……」
 二か月かからずに希望通りの転生ができるのだ。
 「どうする? 転生するか?」
 「いえ! また貯めてから来ます!」
 「そうか。ではさらばだ」
ハッとするともう消えている。私はよーしとファイトを燃やす。


  6週間、死ぬ思いで頑張った。嫌なこともいっぱいあったが笑顔で乗り切る。これできっと1200ポイント貯まったはず、と神社に参る。
 柏手を打つとお稲荷様が現れた。もう三度目なのでびっくりはしないが、やはり麗しい。
 「目の保養目の保養っと。どうか希望転生お願いします」
 「ふむ。まだ足りぬ」
 「え? た、足りない? うっそ!」
 「今、ちょうど1000だ」
 「1000かあ」
どうやら一定のポイントを貯めると上がりにくくなるらしい。これ以上どうすればいいんだろう?時間をかけるしかないのだろうか。
 「しかしこのポイントであれば、庶民の娘に転生し、働き者で誠実な庶民の男と結婚できるであろう」
 「庶民同士……」

その条件の転生ならどうなんだろう。した方がいいのかな。もっと貯めたほうがいいのかな。なんだかどうすればいいのか途方に暮れているとお稲荷様が声を掛けてきた。
 「お前は転生が望みなのか。それとも愛されたいのか。現世によほど不満があるのか」
そういわれるとどうなんだろうと自分でもよく分からなくなってきた。ここのところ大きな不満はない。なんだか後輩がよくなついてくるし、先輩は可愛がってくれている。
 「なんか、今、いい感じかも」
 「ならば転生の必要はなかろう」
 「そう……かも」
 「フッ」
 初めて優しく微笑むお稲荷様の顔がとても美しいのでうっとりと見惚れてしまう。ああ、こういう麗しい人に溺愛されたいのよねえ。
 「でもこれからもいいかどうかわからないし、誰かに愛されるかどうかもわからないし」
 「お前は見合いをするのだろう?」
 「え、あ、そうです。よくご存じですね……」
 確かに先日、課長からうちの息子に会ってみないかと言われている。

 「今のお前なら、これから出会う男に愛されるだろう。――それはお前が積んだ徳のおかげでもある」
 「徳?」
 「そうだ。皆、お前を愛している」
 今の人間関係が良好なのは徳のおかげだったのだと納得するし、これが人から愛されている状況なのだと理解もできた。
 「でも、なんていうか。ちょっと私の思ってるのって徳じゃないというか。転生いいなーって思ったのはやっぱり無条件に愛されたいっていうか。ぶっちゃけると男の人に――可愛がられたいなーって。ごほんっ、か、身体ごと?」
さすがにらぶえっちという言葉は控えた。
 「なるほど。確かにその想いは現世では永続的には叶えられにくいであろう」
 「でしょ? 一瞬だってそんないい想いできたらって――女子の秘められた憧れなんですよ」
 「転生先ではお前の望む通りになるだろう。なぜならお前以外は設定されているからだ。つまり永遠にお前を溺愛し続ける」
 「す、すごいですね! やっぱ転生しようかなあ」
 「ただし、お前はお前だ。お前は変わることがあるかもしれない」
 「それって、つまり――」
 溺愛してくれる人を好きじゃなくなっても溺愛され続けるってこと?嬉しいけど怖い。相手が絶対変わらないんだったら私も変わっちゃいけないよねえ。というか変わっても環境変えられないってことなのかな。話していて転生への気持ちも薄れてきた。

 「うーん。どうしよう」
 「ポイントは一度貯めれば減ることはない。好きに使うがよい」
 「あの、転生以外にも使えるんですか?」
 「もちろんだ。現世での願いにももちろん使える」
 「そうなんだ」
 薄闇の中でお稲荷様は輝きながら佇んでいる。私の変な願いや、思いをどう思っているんだろうか。人外には特に興味がわかなかったけど、これだけ綺麗な人外に愛されるのもいいなあとふっと想像し、ちらっとお稲荷様の顔を見ると目が合ってしまう。やばい。今恥ずかしいこと考えたのがばれてしまっただろうか。
 「あ、すみません」
 「構わぬ。人の欲望には慣れている」
 恥ずかしくて顔があげられない。お稲荷様と……。この願い叶うかな。言ってみてダメだと言われたらもう転生しちゃおっかな。

 「あの。あなたに愛されるには何ポイント必要でしょうか?」
 「――」
 言わなきゃよかった。じいっと見つめられて恥ずかしすぎる。
 「愛すると言うのは語弊があるだろう。私と交わりたいのだろう」
 直接的に言われてやっぱり後悔する。
 「先のこともわからないし、転生先でもわからないし――でも、神様に一度でも愛されたら、あ、身体だけでも、それをおかずじゃなくて思い出に過ごしていけるかなって」
 「フッ。お前は面白いな。そのような願いを持たれたのは初めてである。ちょうど1000ポイントでその願いは叶えられるだろう」
 「えっ!? 叶うんですか?」
 「叶えられる。ただ今宵限りだが。お前の好みの設定も言うがよい」
 「え、えっちの設定!」
あまりの衝撃に一瞬我を忘れそうになった。この綺麗な人外のお稲荷様と好きなシチュエーションでえっちができるんだ。たとえ一晩限りでも!
 「この姿が異様に思えるなら変えてやってもよい」
 「い、いえ。そのままで結構です」
 設定のことなど頭が真っ白になり思い浮かばない。お稲荷様はじっと静かに待ってくれている。

 「あ、あの神様。ちょっとパニくっちゃって、えっと思いつかないです」
 「時間はたっぷりある。ちなみに私は神ではない。正確には神の使いだ」
 「へえー。あ、じゃあなんて呼べばいいんでしょう?」
 「名か。母は銀月と呼んでいた」
 「銀月様……。もうお母さまはいないんですか?」
 「母は人であったゆえにもう何百年も前に天へ召されている」
 「そう、なんですね……」
しんみりとした空気に私はだんだんと自分の願望が薄れていくのを感じる。そしてこの銀月様のことが知りたくなった。
 「もっと銀月様のこと聞いてもよろしいでしょうか?」
 「我のことが知りたいのか。構わぬ」
 「えっとポイント減っちゃいます?」
 「フフッ。案ずるな減りはせぬ」
 銀月様の父親は野狐という妖怪で相当の悪だったようだ。このあたりの村の家畜を食べたり畑を荒らしたり散々悪さをし、人を化かした挙句最後には生贄を要求した。その生贄になった娘が、銀月様の母親となったということだ。

 「最初は食らおうと思っていたようだが、母の美しさに心を奪われ夫婦になったと言っておった」
 「妖狐×村娘……」
ドキドキしながら私は話を聞いた。
 「父が言うには母を滝の水で綺麗に洗った後、裸で寝かせて全身を舐めまわすうちに、食欲よりも性欲が勝ってきてしまったらしい。最後には妖力で若い男の姿を取り母と交わった。そして改心し、神としてまつられることになったのだ」
 「ま、交わった……」
ごくりとつばを飲み込み、妖狐に舐めまわされる村娘の姿は想像すると動悸が激しくなってしまう。しんみりとしていたのにまたしても欲望が沸いてきてしまう。
 「我にはその劣情はよくわからぬものだが、そうなると抗えないものらしいな」
 「そ、そのようですね」
 美しい銀月様を前に私も劣情が沸いてきているのだろうか。静かに話す彼を正視することが出来なくなっている。彼の母親と父親はどんなふうに身体を重ねたのだろう。
ドキドキし、身体が熱くなってくるのを感じているとスッと銀月様が目の前にやってきた。
 「あ、あの……」
 「欲しいか?」
 「え、あ、ほ、欲しいです……」
もうこうなったらポイントは一気に使ってしまった方がいいと思う。今までだって、無駄にためて失効したポイントも数知れず。こまめに使った方がきっといいよね。

 「では。湯あみから始めよう」
 銀月様はよくわかっていらっしゃる。汗と汚れにまみれた身体のままえっちなんかできない。
 一瞬で浴室に変わる。しかもヒノキ風呂で薔薇の花弁が浮かんでいる。
 更には私はもう素っ裸だった。
 「洗ってやろう」
 銀月様は薄絹になって、シースルーの着物に袴姿だった。透けて見える身体つきがしなやかだけど筋肉質で肩幅が広く無駄のない美しさだ。
 気が付くと横たわった私の身体は泡まみれで彼の手に上から下まで撫でまわされている。
 「あ、や、やだ、だ、めっ」
 足の指先の一本一本を丁寧に洗われ、太腿から腰へ撫で上げられた後、指先から二の腕まで優しく揉まれるように擦られる。
 気持ち良さにうっとりしてると、小さな乳房を丸く円を描くように撫でられ最後に乳首をくるくるねじる様に洗われる。
 「ひっ! あっ、あ、んっ!」
 身悶えしているが銀月様は静かに身体を洗ってくれる。やがて一番敏感な足の付け根に手が伸びてきた。
 「きゃうっ! そ、そんなとこ、自分でっ!」
さすがに羞恥心でがばっと身体を起こし彼の手を止める。
 「恥ずかしがることはない。お前は自分の願望に忠実であればよい」
 起き上がった私の身体を優しく抱き、口づけを与えてくれた。
 「あ、あん、うっ、んんん、うっ、ふぅう」
 舌が絡められ、口の中をゆるゆるとかき回され、私の思考はますますマヒする。
 「あ、う、き、気持ち、いい……」
 口づけの心地よさにうっとりしていると下腹部から強くて甘い刺激が身体を貫いた。
 「あっ、やあっ、ん、だ、だめええっ! や、あ、あ、あっ、くうううぅ、い、っちゃ、うっ、あ、ぅっ!」
 洗われているのか刺激されているのかわからず、目の前がちかちかし、瞬く間に絶頂を迎える。
 「良かったか?」
 何一つ変化のない銀月様が尋ねる。私は身体が甘くしびれ、痙攣し言葉を発することはできなかった。
 湯をかけられ、泡を流された後、身体を抱きかかえられ湯船に沈められた。
 「あ、は、はあ、はあ、ああ、ふう……」
 頭を彼の肩に乗せゆらゆら揺れる赤い薔薇の花びらを眺め、甘い香りを嗅ぐ。動悸が落ち着いてくると、さっと抱き上げられ湯から出される。

 「寝屋に参ろう」
 「え、あ、はい」
またまた画面が変わる様にあたりの景色が変わる。裸で濡れていたはずだろうにすっかり渇き、ローブのような白いふわりとしたドレスを着て天蓋のついた柔らかいベッドに寝かされる。
 「ふわふわして気持ちいい」
 銀月様は私の隣に横たわり、ゆるゆると髪を撫で、ドレスの上から身体をさする。時々ふさふさした尻尾がちらりと見え隠れし、私の足の裏をそっとくすぐる。
のんびりとくつろぐような愛撫に私の方がしびれを切らしてしまいそうだ。しかし早くやりましょうとは言えず、ちらりと綺麗な長いぎんいろのまつ毛を見る。
ふっと目が合うと口元に微笑を浮かべ私の上に覆いかぶさった。目の前に今まで見たこともない一番きれいな男の人の顔が迫ってくる。
 硬めの大きな唇が重ねられる。ああ彼が野狐で、私もう、食べられてもいいくらい。
 「んんっ、うっ、ふぅっ、んんん」
 口の中を大きくかき混ぜられ、息が吹き込まれる。銀月様はクールに息一つ乱さず、貪るような口づけを私に与える。
やっとドレスの前を開かれ肌に彼の手が伸びてきた。さっきの風呂での愛撫を思い出すと触られる前にもう身体が熱くなってくる。

 「綺麗だ。食べてしまいたいくらいだ」
 口元を少しゆがめ、冷たい眼差しでそう告げられ、私は雷に打たれたようにドキリとして銀月様の瞳に吸い込まれそうになる。今の私の目はハート形になっているはず。この甘く痺れるようなセリフは本心なのかしら。それともそういう設定にしてくれているのかしら。
ぼんやりとそんなことが頭をかすめたが、乳房を撫でまわされ、乳首を甘噛みされた瞬間に全神経は快感に移行する。
 「あん、き、きもち、いいっ、あ、あんっ」
 舐めまわされ噛まれ指でつまみ上げられ乳首の限界を感じるころに今度は背中に指を這わされ、ウエストに口づけの雨を降らされる。
 「あ、お腹、だめ、はずかしっ」
ウエストに自信がないので逃れようと腰をひねると、大きな骨ばった手ががっちりと抑え込む。
 「綺麗にくびれている。滑らかな曲線だ」
 「え? うそ」
 本当だった。ここ数週間必死で働いた成果だろうか。やせてくびれができていた。
 少し安心すると足を大きく開かれM字にされている。
 「きゃっ! だ、だめだめっ!」
 「フフフッ」
 Sっ気を感じさせる銀月様に羞恥心と興奮を感じる。両手で足を持っているのにすべすべと爪先から太腿の付け根までを何かが撫でまわす。
 「やっ、しっぽで、そんな!」
 耳をぴくぴくさせ、シルクのような滑らかなしっぽで足を撫でまわし、ついには秘所を撫でられた。
 「く、くすぐったい。あ、ん」

 力が抜けた足から手を離し、指先がしっぽの代わりに太腿を撫で、膝頭に口づけをする。くちゅくちゅと鳴る水音に身体がびくっと跳ね上がる。
 「いや、んっ、あっ」
 「蜜が溢れ出てあちこちを濡らしているな」
 「やだぁ」
 指先でクリトリスをくるくる撫でられ、蜜源にそっと指を忍び込まさせる。
 「うっ、ううんんっ」
 「こちらでまた往くか」
 「ああっ、あああんっ、んん」
 強い刺激でまた頭が真っ白になる。ぐったりしていると全裸になった彼が肌を合わせてき、片足を持ち上げられる。
 「あうっ!」
 硬くて熱いものが身体の内側を貫く。
 「い、いきなりっ、あうっああっ」
 「こういうのが良いのであろう?」
 願望が見透かされているのが恥ずかしい。優しくされたいし、強引に奪ってほしい。
でも暴力はダメ、絶対ダメ。

 「もう、もう、すごく、きもち、よくて、だ、ダメ」
 「何度でも逝けばよい。お前が望むだけ往かせてやろう」
まさかの絶倫?こんな快楽に溺れちゃったらどうなるんだろう。
ぴったりと密着していた身体を起こすと彼はゆっくり腰を前後に動かせ始める。彼の硬い先が中の深く響く感じるところを突き上げてくる。
 「や、ああ、あっ、うぅううんんっ、い、くっ」
 前の強い刺激から一転して深く落ちるような快感が全身に広がる。イクってなんて体力を使うんだろう。
 銀月様は私がイクと動きをゆるやかにし、優しく頬を撫でてくれた。

 「良かったか?」
 「はぁ、はぁ、は、い」
 「まだ足りぬだろう」
 「え?」
 繋がったまま軽くひっくり返され、今度は後ろから一番奥を突かれる。
 「い、今、イッた、ばっか、り、あ、や、だ、めぇ、あうっううっ」
また別の種類の快感が私を襲う。
 「や、ま、た、いっちゃ、う、なん、で、あんっあんっ」
こんなに自分は感度がいい方じゃなかったはずなのにすごく感じる。身体中が快感でいっぱいになってしまう。
 気持ち良さに溺れながらも、心残りが思わず口を突いて出た。
 「あ、あん、ぎ、銀月様、は、いかない、んです、か? あ、んん」
 「往こう思えば往けるが、往かずとも良い」
 「や、ん、あ、あたし、だ、けぇ、いっちゃ、う」
 「お前が満足すればそれでよい」

  汗一つかかない彼に少し寂しさを感じたが、もうそんな感傷的な気分は絶頂感に追いやられてしまった。
もう二回ほどイカされた後、気を失うように私はふっと眠りに落ちた。


  気が付くと自分のベッドの上に寝ていた。
 「ありゃ。まさかの夢おち……?」
そうではなかった。ちゃんとパジャマを着て眠っていたが脱ぐと、身体中に花弁が散らばったようなキスマークがついている。
その痕を眺めていると様々と昨晩の愛撫を身体中が思い出す。
 「あ、ふっ!」
 思わず快感に身震いする。

そして最後に耳元で囁かれた言葉を思い出した。

 『ポイントを貯めたらまた来るがよい』

そうだ。ポイントってまた貯められるんだよね。1000ポイントか。よし、また頑張ろう。
そうだ、銀月様と一緒にイキたいってお願いは何ポイント必要か今度確かめておこう。

  こうして異世界に行くのをやめて、人外の銀月様に愛されるため、私は毎日徳を積んでいる。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

【完結】お父様(悪人顔・強面)似のウブな辺境伯令嬢は白い?結婚を望みます。

カヨワイさつき
恋愛
魔物討伐で功績を上げた男勝りの辺境伯の5女は、"子だねがない"とウワサがある王子と政略結婚結婚する事になってしまった。"3年間子ども出来なければ離縁出来る・白い結婚・夜の夫婦生活はダメ"と悪人顔で強面の父(愛妻家で子煩悩)と約束した。だが婚姻後、初夜で……。

処理中です...