チートスキル【確率操作】を駆使する異世界生活

アリス

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魔物の行進ー準備編-

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 サミリオンからダンジョンへ帰宅した私は、ウィンドウを開きイベントと記された項目をタッチする。





「あーやっぱりね。魔物の行進ってダンジョンマスターVS冒険者のイベントバトルなんだね」





【魔物の行進】

 ダンジョンマスター側は、各々召喚した魔物を野に放ち冒険者と戦う不定期イベント。
 ダンジョンマスター側は、制限時間内に冒険者側の戦力をある程度削る事(全滅はNG)倒した冒険者ランクにより報酬が加算される。
 冒険者側は押し寄せる魔物を、制限時間いっぱいまで国を守れれば勝利。守り切れれば特殊な報酬が手に入る。尚、特別な報酬についてはより活躍した冒険者のみに与えられる。




「ユキネはどっちにつくのだ?」




「何を言ってるのかな?私はダンジョンマスターだよ?勿論、冒険者側を潰すよ」




 さて、魔物の行進までは後、一週間かぁ。とりあえず、仲間のレベル上げと戦力補充しようかな。




 私がウィンドウを開き残りのDPを確認したら数字がおかしな事になっていた。





「えーっと、一、十、百、千……3千万?んーっと、見間違いかな?」





「ユキネよミッションの所をタッチしてみよ」





 私の後ろからグリムがウィンドウを覗き込みニヤニヤしながら私を見る。





『特別ミッション グリムリーパーを手に入れろをクリアしました。報酬として、3千万DPと死者の大鎌を手に入れました」





「君、そんなにレアなの?」





「何を言うか!我を呼び出したのはユキネが初めてだ」





 へぇ、これはなかなか運がよかったですね。とりあえず、戦力補充でもしようかな。





「およ?なんか、ガチャ項目増えてる。魔物の行進ガチャ、ラインナップは……お、ドラゴン族いるじゃん!やったね!」





「ユキネ様、喜んでる所申し訳ないのですが、侵入者ですにゃ」





 えー!いい所だったのに!もう、誰ですかね空気の読めないお馬鹿さんは……。




「ルナさん……?何故ここに?」




「お嬢様どう致しましょうか」




 一応、助けてもらった恩がありますからねー殺すのはちょっと忍びないですね。




「ビートン、その子に手を出さないで大丈夫です。他の階層の子達も手出しは無用です」





「えー!!私、戦いたかったのにー!」





「フラン~ごめんね。魔物の行進では大いにこきつかってあげるからさ」




 フランはぶーっと言いながら、通信を切る。

 
 数分後、コアの間の扉が開き不思議そうな顔をしたルナが部屋へと入ってくる。





「なんで、襲われないの?」





「やあやあ、ルナさん。こんな場所に何の用で?」





「ユキネ……そうか、納得した。ここのマスターはユキネなんだね」





 私は、あらかじめ用意していた玉座に腰掛けルナに笑顔を向ける。





「で、戦うのですか?」





「いや、辞めておく。ユキネはともかく後ろのそのおじさんには勝てない」





「おじさんとは失礼な!」





 私はともかく……ですか。恩があるとは言え少しばかり不愉快ですね。





「決めました。少しばかりイラッと来たのでちょーっと相手して頂きますね」





「え?何で……って、ちょっと待って!」





 ユキネはルナに有無も言わさずに斬りかかる。



 咄嗟に身を引いて攻撃を避けましたか。流石ですね。これは中々、楽しくなりそうです。





「あはは!いいね!良いですよ!もっと、楽しませて下さい!」





 ユキネは黒鳴を逆手に持ち変え斬りかかる、片方が防がれれば、もう片方でもう一本も防がれれば蹴りで、相手にダメージを与えれる全ての攻撃を駆使してルナのスタミナを着々と削っていく。




「クッ、動きが変速過ぎて捌ききれない……」




 ルナの大鎌の柄を掴み引き寄せお腹に膝蹴りを入れ、少し浮いた身体に向かって回し蹴りを放つ。




「ねぇ、ルナさんは私ならともかくと仰りましたよね?それは、少し私を舐め過ぎなのでは?」




 と、言いましたがダンジョン内で無ければ多分勝てないです。ダンジョンマスターはそのダンジョンにいるSSからXランクの魔物の数によりステータスが大幅に上昇しますからね。ダンジョン内だけですけど。




「グッ、油断した。ここからは本気で行く【超反応】【超加速】【未来視】」





 馬鹿ですねー。私の強欲は見てた筈なんですけどね





「貰う【強欲】」





 黒い霧が、ルナを包む前にルナが空へとジャンプし大鎌を振りかぶる。





「そのスキルは知ってる。もう、当たらない」




「当たらない?何を言ってるのですか?」




 ユキネが、指を鳴らすとルナを包み込む様に上から霧が降り注ぐ。





「嘘……」





「流石に全部頂くのは申し訳無かったので未来視だけ頂きました」





 さて、正直もう満足したので終わりにしたいのですがルナの闘争心に火をつけてしまったみたいですね。

 とは言え、魔物の行進の準備も始めたいので終わらせましょう。





「グリム、あと頼みました。あ、殺さない様によろしくお願いします」





「む?了解した」




 私と入れ替わる様にグリムが前に出て数秒後、私が振り向く暇も無くルナが黒い鎖で宙吊りにされてました。





「えぇ……」





 ルナはどうやら意識がない様で鎖で縛られている手足、口から血を流しぐったりしてました。





「ふむ、大分手加減したのだが…」





 グリムは、ルナを優しく腕の中に下ろし玉座の前に寝かせる。





「起きるまで時間かかりそうですね。準備開始しましょう」





 ルナをグリムとノワールに任せ、私はガチャの項目をタッチする。





「さーてさて、何が出るかな何が出るかな」




 私はDPを5千ポイント注ぎ込み、ガチャを100連回す。勿論、確率操作でXランクを20%、SSSランクを20%、SSランクを20%、Sランクを20%、その他を20%に操作してます。



 魔法陣から様々なモンスター達が姿を表して行く。その結果までに大分時間がかかりそうなのでダンジョンを更に拡張していき、多数の魔物を配置出来る大きさまで広げて行った。





「全百階層はやり過ぎだかも知れません」





「お嬢様、これからのことを考えるとこの辺だと少し物足りなくなるかも知れません」





 確かに、この辺の冒険者は最大でもパール。このダンジョンの敵では無いですね。




「そろそろ、移動しましょうか」




「だったら、ランダム移動のシステムを使えばいいにゃ」



 確か、手持ちのポイントを全て使いダンジョンの場所を移せるシステムでしたかね。消費するポイントが多い程成功確率が上がります。



 正直、確率操作を使えば1ポイントでも良いのですがね。



 などど、話している間に百連ガチャが終わった様です。目ぼしい魔物は…数体って所ですね。




 順番に見ていきましょうか。



 Xランク×4体

 SSSランク×40体

 SSランク×20体

 Sランク×36体



爆砕龍バレスドラゴン

ランクX

レベル40



鰐公爵アガレス

ランクX

レベル25



ドーバーデーモン

ランクX

レベル35



スカイオブクイーン

ランクX

レベル56




 目立っているのはやはりXランクの四体ですね。全体的にレベルが高いのは、イベントガチャだからですかね?



 とりあえず、名前付けて配置してダンジョン移動させましょうか。





「では、爆砕龍はレイス、鰐公爵アガレスはそのままアガレス、ドーバーデーモンはドルバ、スカイオブクイーンはレティでいいでしょう」





 階層はどうしましょうね。魔物に適応した環境を整えつつ罠、装備などを整えてって感じでいいでしょう。




「それじゃ、色々買いましたし。お引越ししましょうか」





 ユキネが、残りポイントを全て注ぎ込むとダンジョン内の全てが眩い光に包まれダンジョンが別の場所へと移動した。





「あ、ルナさん連れたままでした……」





 ユキネは、ポリポリと頬を掻きながら「あちゃぁ」と呟く。
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