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初めての依頼。後、再会しました。
しおりを挟むさて、街を出て少し歩いた場所がゴブリンがいる場所となっている様で私はアイテムの確認をしながら目的の場所へと向かいました。
ゴブリンとは言え魔物ですからね、少しの油断で命を落とす事になりますからね。
「持ってきた回復のポーションが3本、速度ポーションが2本、閃光玉と惑わしの砂が一つずつ。多分、これ位で足りるでしょう。そろそろ、目的の場所ですね【気配察知】」
私の足元から波紋が広がりゴブリンが居るであろう場所へと広がっていく。
「一匹しか居ませんね。これは、好都合です。確実に一匹ずつ仕留めていきましょう」
私は黒鳴を抜き速度ポーションを使用し反応のあった場所へと走り出す。
「ギィギィ!ギ?」
ゴブリンが私の姿を認識したと同時にゴブリンの首に黒鳴を突き刺しそのまま首を切り飛ばす。
「なるほど、レベル1の私でもこれくらいなら動けるんですね。カエデをテイムしたおかげですかね」
ユキネは手の平を開いたり握ったりしながら黒鳴を鞘へと納める。
さてと、後二匹。どこにいるんでしょうか?
ユキネが気配察知を発動しようとすると背後から音が聞こえユキネは咄嗟にその場から飛び退き黒鳴を抜き放つ。
「ギルドは前もって確認とかはしてなかったのでしょうか?これは、明らかゴブリンでは無いですね」
ユキネの背後にはゴブリンを2体引き連れたオークが私を見下ろしてニタァと汚い笑みを浮かべて居ました。
「カエデ、ゴブリン2体相手出来ますか?」
「お任せ下さいお嬢様!」
カエデが、影から飛び出すと同時に影でゴブリン2体を吹き飛ばしオークの股下をくぐり抜けゴブリンと戦闘を始める。
「さてさて、オークとは最初の依頼にしては難易度が跳ね上がりましたが、今の自分の実力を知るにはいい機会ですね。全力でお相手致します!【連撃】【豪腕】」
ユキネの腕に赤い光が宿り、黒鳴と白鳴に緑の光が宿る。
「ぐへぇ!」
オークが振り下ろした棍棒を2本の刀で逸らし、オークの懐へと潜り込む。オークは棍棒を持ってない方の手で地面を薙ぎ払いユキネを吹き飛ばす。
「チッ、なかなか厄介ですね」
普通の冒険者なら、この程度特に問題なく対処出来るのでしょうが、いかんせん私は対人戦を主に勉強してきましたので魔物との闘いは慣れて無いんですよ。
オークの攻撃を何とかギリギリで躱し続け私のスタミナだけが削られていきました。
「はぁはぁ、全く嫌になりますね。どんなスタミナしてるのでしょうか」
ユキネは肩で息をしながらもその口元には笑みが浮かんでいた。
疲れの所為で、反応が遅れたユキネの身体をオークの棍棒が捉えユキネは、木に身体を打ち付けられ口から血を吐き出す。
「ガッ!はは……あはは!そうだよ、これだよ。こう言う命のやり取りを私は望んでいたんだよ!つまらない、人生に楽しみを!」
ユキネはポーチから閃光玉を取り出しオークの振るった棍棒に飛び乗りオークの目の前で閃光玉を使用する。
眩い光が周りを包み込み至近距離で閃光を浴びたオークの目から血が流れオークが悲痛の叫びを上げながら顔を抑えその場で疼くまる。
「あは、最高の時間をありがとう。君には感謝の意を込めて苦しまずに殺して上げる」
オークの背中に飛び乗り刀を首に突きつけ鋏を使う様にオークの首を切り飛ばす。
ユキネは顔にかかった返り血を袖で拭いオークの背中から滑り落ちる様に地面に倒れる。
「お嬢様!」
「や、やぁ、カエデ……申し訳ないんだけどさポーチからポーション取ってくれない?身体がもう動かなくて」
「お任せ下さいませ!」
カエデが私のポーチからポーションを取り出し私へと飲ませてくれる。全身の痛みが少しだけ和らぎ私は、カエデに乗せられてサミリオンへと帰還した。
勿論、倒したゴブリン、オークの素材はカエデに頼んで回収しました。売ればお金になりますからね。
人によっては回収した素材を使って防具、武器を作るらしいですが、私はDPで購入するのでいちいち、作る必要はないですね。
特に何事も無くサミリオンにつきました。カエデには入口の前まで運んでもらって私は痛む身体に鞭を打ちギルドへと足を進める。
ギルドの入り口手前で、身体に限界を感じその場で倒れそうになるが、誰かに支えられた。
「ボロボロ」
「ん?ああ、ルナさん。これはこれはどーも」
ルナはユキネを背に背負い受付の人に何かを話し二階へと足を進める。
「んあ?どこでしょうかここは」
私は、口からだらしなく垂れた涎を拭き周りを見渡す。どこかの部屋の様で、ベットの傍らにはルナが静かに本を読んでいた。
「おはよう。よく寝れた?」
「ええ、お陰様で。ここは、何処ですか?」
ルナは、読んでいた本を閉じ部屋を出て行ってしまった。
数分後、バタバタと音を立てて一人の男の人が部屋へと入ってきた。
「よかった!無事だったか!」
「ゲッ!何でここにいるんですか?ヒオニ兄さん」
真っ白な髪を後頭部で結んだ髪型、瞳は黄色。その姿は幼い頃に家を出て行った二人の兄姉の一人のヒオニ・ラインベルクで間違いなかった。
「たまたま、この国に来ていてなせっかくだから何か依頼を受けようとギルドに来たらボロボロ、血だらけのお前がルナに背負われてるのを見かけてな」
ヒオニ兄さんは、その場で座り込み「生きててよかった……」と呟く。
「それより、私、依頼受けたままなんですけど」
「ああ、それならルナが受付の人に事情を話して代わりに達成報告してたぞ」
あ、たしかにランクブレスレットにクリアの文字が浮かんでますね。
お金もちゃんと渡されてるみたいです。
「しかし、何があったんだ?」
「それについては下でお話しします」
私は、ヒオニ兄さんの腕に捕まり一階へと向かい受付の人にオークが出現した事、オーク以外にも複数の魔物がいた事を報告した。
「この辺の地域にオークは居ないはず…それに、オークとゴブリンが一緒にいたとなると……」
受付の人が、どこかに連絡をした後、拡散魔法を使用し声をギルド内へと拡散させる。
「ギルドから緊急通達!近々、魔物の行進スタンピートが開始されると予想されました!パール以上の冒険者の各員は、準備を整え魔物の行進に備えてください」
「また、始まるのか…」
ヒオニ兄さんは、手をぎゅっと握り締め冷や汗をかく。
私、置いてけぼりですね。魔物の行進ってなんでしょうか?
私が不思議そうな顔をしてる事に気づいたルナが私の手を握りギルド内にある酒場に引っ張って行く。
「魔物の行進について説明する。魔物の行進は不定期に起こる魔物の異常発生の事。
ランク、レベル、種族全てがバラバラで世界中の街を目指して進行してくる。魔物全体が弱い時もあればクリスタルでも油断すればやられる魔物が出てくる時もある。」
「へぇ、それはなかなか大変そうですね」
「ホワイトベルは、ルビーランクだから参加は出来ないけど街の人達の撤退の支援とかには呼ばれると思う。でも、手を貸すかどうかはホワイトベル次第」
「ユキネでいいですよ」
出てくる魔物のランクなどが全てバラバラ……もしかしたら。
「すいません、ルナさん。私、ちょっと用事思い出したのでこれで失礼します」
ユキネはルナにお礼を言い、受付の人と話をしているヒオニに「じゃあ、またどこかで」と伝えギルドを飛び出し通信アゲハを使いグリムにドアを出して貰いダンジョンへと帰還した。
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