チートスキル【確率操作】を駆使する異世界生活

アリス

文字の大きさ
4 / 5

初めての依頼。後、再会しました。

しおりを挟む
 

 さて、街を出て少し歩いた場所がゴブリンがいる場所となっている様で私はアイテムの確認をしながら目的の場所へと向かいました。



 ゴブリンとは言え魔物ですからね、少しの油断で命を落とす事になりますからね。



「持ってきた回復のポーションが3本、速度ポーションが2本、閃光玉と惑わしの砂が一つずつ。多分、これ位で足りるでしょう。そろそろ、目的の場所ですね【気配察知】」




 私の足元から波紋が広がりゴブリンが居るであろう場所へと広がっていく。




「一匹しか居ませんね。これは、好都合です。確実に一匹ずつ仕留めていきましょう」




 私は黒鳴を抜き速度ポーションを使用し反応のあった場所へと走り出す。




「ギィギィ!ギ?」




 ゴブリンが私の姿を認識したと同時にゴブリンの首に黒鳴を突き刺しそのまま首を切り飛ばす。




「なるほど、レベル1の私でもこれくらいなら動けるんですね。カエデをテイムしたおかげですかね」



 ユキネは手の平を開いたり握ったりしながら黒鳴を鞘へと納める。




 さてと、後二匹。どこにいるんでしょうか?




 ユキネが気配察知を発動しようとすると背後から音が聞こえユキネは咄嗟にその場から飛び退き黒鳴を抜き放つ。




「ギルドは前もって確認とかはしてなかったのでしょうか?これは、明らかゴブリンでは無いですね」




 ユキネの背後にはゴブリンを2体引き連れたオークが私を見下ろしてニタァと汚い笑みを浮かべて居ました。




「カエデ、ゴブリン2体相手出来ますか?」




「お任せ下さいお嬢様!」




 カエデが、影から飛び出すと同時に影でゴブリン2体を吹き飛ばしオークの股下をくぐり抜けゴブリンと戦闘を始める。




「さてさて、オークとは最初の依頼にしては難易度が跳ね上がりましたが、今の自分の実力を知るにはいい機会ですね。全力でお相手致します!【連撃】【豪腕】」



 ユキネの腕に赤い光が宿り、黒鳴と白鳴に緑の光が宿る。




「ぐへぇ!」




 オークが振り下ろした棍棒を2本の刀で逸らし、オークの懐へと潜り込む。オークは棍棒を持ってない方の手で地面を薙ぎ払いユキネを吹き飛ばす。





「チッ、なかなか厄介ですね」




 普通の冒険者なら、この程度特に問題なく対処出来るのでしょうが、いかんせん私は対人戦を主に勉強してきましたので魔物との闘いは慣れて無いんですよ。




 オークの攻撃を何とかギリギリで躱し続け私のスタミナだけが削られていきました。




「はぁはぁ、全く嫌になりますね。どんなスタミナしてるのでしょうか」




 ユキネは肩で息をしながらもその口元には笑みが浮かんでいた。




 疲れの所為で、反応が遅れたユキネの身体をオークの棍棒が捉えユキネは、木に身体を打ち付けられ口から血を吐き出す。



「ガッ!はは……あはは!そうだよ、これだよ。こう言う命のやり取りを私は望んでいたんだよ!つまらない、人生に楽しみを!」



 ユキネはポーチから閃光玉を取り出しオークの振るった棍棒に飛び乗りオークの目の前で閃光玉を使用する。


 眩い光が周りを包み込み至近距離で閃光を浴びたオークの目から血が流れオークが悲痛の叫びを上げながら顔を抑えその場で疼くまる。




「あは、最高の時間をありがとう。君には感謝の意を込めて苦しまずに殺して上げる」




 オークの背中に飛び乗り刀を首に突きつけ鋏を使う様にオークの首を切り飛ばす。



 ユキネは顔にかかった返り血を袖で拭いオークの背中から滑り落ちる様に地面に倒れる。




「お嬢様!」




「や、やぁ、カエデ……申し訳ないんだけどさポーチからポーション取ってくれない?身体がもう動かなくて」




「お任せ下さいませ!」




 カエデが私のポーチからポーションを取り出し私へと飲ませてくれる。全身の痛みが少しだけ和らぎ私は、カエデに乗せられてサミリオンへと帰還した。




 勿論、倒したゴブリン、オークの素材はカエデに頼んで回収しました。売ればお金になりますからね。



 人によっては回収した素材を使って防具、武器を作るらしいですが、私はDPで購入するのでいちいち、作る必要はないですね。



 特に何事も無くサミリオンにつきました。カエデには入口の前まで運んでもらって私は痛む身体に鞭を打ちギルドへと足を進める。



 ギルドの入り口手前で、身体に限界を感じその場で倒れそうになるが、誰かに支えられた。





「ボロボロ」




「ん?ああ、ルナさん。これはこれはどーも」




 ルナはユキネを背に背負い受付の人に何かを話し二階へと足を進める。




「んあ?どこでしょうかここは」




 私は、口からだらしなく垂れた涎を拭き周りを見渡す。どこかの部屋の様で、ベットの傍らにはルナが静かに本を読んでいた。





「おはよう。よく寝れた?」





「ええ、お陰様で。ここは、何処ですか?」





 ルナは、読んでいた本を閉じ部屋を出て行ってしまった。



 数分後、バタバタと音を立てて一人の男の人が部屋へと入ってきた。





「よかった!無事だったか!」





「ゲッ!何でここにいるんですか?ヒオニ兄さん」




 真っ白な髪を後頭部で結んだ髪型、瞳は黄色。その姿は幼い頃に家を出て行った二人の兄姉の一人のヒオニ・ラインベルクで間違いなかった。




「たまたま、この国に来ていてなせっかくだから何か依頼を受けようとギルドに来たらボロボロ、血だらけのお前がルナに背負われてるのを見かけてな」





 ヒオニ兄さんは、その場で座り込み「生きててよかった……」と呟く。





「それより、私、依頼受けたままなんですけど」





「ああ、それならルナが受付の人に事情を話して代わりに達成報告してたぞ」





 あ、たしかにランクブレスレットにクリアの文字が浮かんでますね。

 お金もちゃんと渡されてるみたいです。





「しかし、何があったんだ?」





「それについては下でお話しします」





 私は、ヒオニ兄さんの腕に捕まり一階へと向かい受付の人にオークが出現した事、オーク以外にも複数の魔物がいた事を報告した。





「この辺の地域にオークは居ないはず…それに、オークとゴブリンが一緒にいたとなると……」





 受付の人が、どこかに連絡をした後、拡散魔法を使用し声をギルド内へと拡散させる。





「ギルドから緊急通達!近々、魔物の行進スタンピートが開始されると予想されました!パール以上の冒険者の各員は、準備を整え魔物の行進に備えてください」





「また、始まるのか…」





 ヒオニ兄さんは、手をぎゅっと握り締め冷や汗をかく。





 私、置いてけぼりですね。魔物の行進ってなんでしょうか?





 私が不思議そうな顔をしてる事に気づいたルナが私の手を握りギルド内にある酒場に引っ張って行く。





「魔物の行進について説明する。魔物の行進は不定期に起こる魔物の異常発生の事。
 ランク、レベル、種族全てがバラバラで世界中の街を目指して進行してくる。魔物全体が弱い時もあればクリスタルでも油断すればやられる魔物が出てくる時もある。」





「へぇ、それはなかなか大変そうですね」





「ホワイトベルは、ルビーランクだから参加は出来ないけど街の人達の撤退の支援とかには呼ばれると思う。でも、手を貸すかどうかはホワイトベル次第」





「ユキネでいいですよ」





 出てくる魔物のランクなどが全てバラバラ……もしかしたら。





「すいません、ルナさん。私、ちょっと用事思い出したのでこれで失礼します」





 ユキネはルナにお礼を言い、受付の人と話をしているヒオニに「じゃあ、またどこかで」と伝えギルドを飛び出し通信アゲハを使いグリムにドアを出して貰いダンジョンへと帰還した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

コンバット

サクラ近衛将監
ファンタジー
 藤堂 忍は、10歳の頃に難病に指定されているALS(amyotrophic lateral sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)を発症した。  ALSは発症してから平均3年半で死に至るが、遅いケースでは10年以上にわたり闘病する場合もある。  忍は、不屈の闘志で最後まで運命に抗った。  担当医師の見立てでは、精々5年以内という余命期間を大幅に延長し、12年間の壮絶な闘病生活の果てについに力尽きて亡くなった。  その陰で家族の献身的な助力があったことは間違いないが、何よりも忍自身の生きようとする意志の力が大いに働いていたのである。  その超人的な精神の強靭さゆえに忍の生き様は、天上界の神々の心も揺り動かしていた。  かくして天上界でも類稀な神々の総意に依り、忍の魂は異なる世界への転生という形で蘇ることが許されたのである。  この物語は、地球世界に生を受けながらも、その生を満喫できないまま死に至った一人の若い女性の魂が、神々の助力により異世界で新たな生を受け、神々の加護を受けつつ新たな人生を歩む姿を描いたものである。  しかしながら、神々の意向とは裏腹に、転生した魂は、新たな闘いの場に身を投じることになった。  この物語は「カクヨム様」にも同時投稿します。  一応不定期なのですが、土曜の午後8時に投稿するよう努力いたします。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

処理中です...