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プロローグ
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空で散る火花に永遠を願うような、そんな途方もない恋だった。
星を輝かせる晴天の夜空に、色とりどり火花が咲いた。
彼女は僕の隣にいて、空を見上げながら、白い浴衣を、様々な色に変えていた。
群集を色めかせている空に、この時間が続く事を祈ってる人は、僕以外にどれくらいいるのだろうと、夏の匂いと彼女の横顔にそそのかされて想いを浸らせる。
火花が咲いてから次の打ち上げまでの数秒の時間を、今の僕は誰よりも長く感じている。
次の花火がうち上がったら、告白しよう。そう心に決めて、鼓動を少しずつ速くしながらその時を待つ。
「綺麗だね……」
彼女は呟くようにそう言った。
「うん……」
彼女の横顔を見つめ、その時を待つ。
「どうしたの? 花火見ないの?」
「あのさ……、実は」
花火が打ち上がり。タイミングは完璧だ。
花火が空を盛大に照らした。
「なに?」
「実は…… 俺」
彼女の顔は花火で赤や青に照らされていた。
「志帆ちゃんのことが……」
「うん……」
花火は勢いを増していった。
「好きです…… だから…… 」
「えっ、それは、む…… 」
微かに聞こえた彼女の残酷な一文字をかきけすようにアナウンスが響きわたった。
「本日は市民花火大会にお集まりいただき誠にありがとうごさいます。次の花火で最後となりますので……」
彼女はうつむいたまま、気まずそうにしている。というより全く動かなくなっている。
「やらかしたな。お前さん」
後ろから聞こえる男の声に驚いてふりむく。
「……うわっ! びっくりした!」
「なぁ、お前さん今、フラレ……」
「フラれてねーよ」
目から溢れそうな水滴を拭い、食い気味でデリカシーの欠片もないおっさんの言葉を遮った。
白髪で長髪、まるで仙人のような見た目の男が彼女の方をチラっと見て、長い顎髭を触りながら口をひらく。
「うむ……。うわ~、彼女かわいそ~。完全にフェイドアウトしてんじゃん」
「意味わかんねーよ。それに可哀想なのは俺の方だろ? フラ……」
「ん?」
「……いや、なんでもない。つーか、なんだよほっといてくれよ」
「なんだお前さん、傷ついてるのか?」
「あーそうだよ。今はそっとしといてくれよ」
「…… あー、むり」
「はっ? なんで?」
「見てられないから」
「ほっとけや!」
男は急に目付きを鋭くさせて、声のトーンを変えた。
「本題にはいろう、お前さん、やり直したくはないか?」
「は?なにを? 告白なんて言ったら警察つきだすからな」
「えっ…… うん、それ。」
男の腕を掴もうとすると、男は「おい、まて」と連行を拒んだ。
「なんだよ」
「フラれたお前にこれだけは言っといてやる」
「おい、まだ解禁してねーぞ。そのいじり」
「わしは、魔法使いなんじゃ……」
「…………」
「…………」
「よしっ。行こう」
たちの悪いのに絡まれて時間を無駄にした、そう思い、再び腕をつかもと手をだすと今度は声をあらげた。
「周りをみろぉ!!」
「は?」
「今、わしとお前さん以外に動いてる者はいるか?花火はどうした? それにいくらドン引きしてるとはいえ、彼女もここまで固まるか?」
「あ ……」
確かに、周りを見ると俺と謎の男しか動いていなかった。
「えっ? どうなってんの? ドッキリ?」
「違うわ、ワシがとめとんじゃ、ボケ」
「口悪いな…… おっさん」
「これでわかったか? ワシが魔法使いだってこと」
「そんなの、信じるわけないだろ! でも、本当にどうなってんだ? なんかの撮影?」
「お前の黒歴史なんて誰が見たいんじゃ、これは時空魔法ってやつじゃ」
「時空魔法?」
「時間を止めたり戻したりできる魔法じゃよ。つまり、おぬしが望めば人生をやり直す事も可能ということじゃ」
「それって……」
星を輝かせる晴天の夜空に、色とりどり火花が咲いた。
彼女は僕の隣にいて、空を見上げながら、白い浴衣を、様々な色に変えていた。
群集を色めかせている空に、この時間が続く事を祈ってる人は、僕以外にどれくらいいるのだろうと、夏の匂いと彼女の横顔にそそのかされて想いを浸らせる。
火花が咲いてから次の打ち上げまでの数秒の時間を、今の僕は誰よりも長く感じている。
次の花火がうち上がったら、告白しよう。そう心に決めて、鼓動を少しずつ速くしながらその時を待つ。
「綺麗だね……」
彼女は呟くようにそう言った。
「うん……」
彼女の横顔を見つめ、その時を待つ。
「どうしたの? 花火見ないの?」
「あのさ……、実は」
花火が打ち上がり。タイミングは完璧だ。
花火が空を盛大に照らした。
「なに?」
「実は…… 俺」
彼女の顔は花火で赤や青に照らされていた。
「志帆ちゃんのことが……」
「うん……」
花火は勢いを増していった。
「好きです…… だから…… 」
「えっ、それは、む…… 」
微かに聞こえた彼女の残酷な一文字をかきけすようにアナウンスが響きわたった。
「本日は市民花火大会にお集まりいただき誠にありがとうごさいます。次の花火で最後となりますので……」
彼女はうつむいたまま、気まずそうにしている。というより全く動かなくなっている。
「やらかしたな。お前さん」
後ろから聞こえる男の声に驚いてふりむく。
「……うわっ! びっくりした!」
「なぁ、お前さん今、フラレ……」
「フラれてねーよ」
目から溢れそうな水滴を拭い、食い気味でデリカシーの欠片もないおっさんの言葉を遮った。
白髪で長髪、まるで仙人のような見た目の男が彼女の方をチラっと見て、長い顎髭を触りながら口をひらく。
「うむ……。うわ~、彼女かわいそ~。完全にフェイドアウトしてんじゃん」
「意味わかんねーよ。それに可哀想なのは俺の方だろ? フラ……」
「ん?」
「……いや、なんでもない。つーか、なんだよほっといてくれよ」
「なんだお前さん、傷ついてるのか?」
「あーそうだよ。今はそっとしといてくれよ」
「…… あー、むり」
「はっ? なんで?」
「見てられないから」
「ほっとけや!」
男は急に目付きを鋭くさせて、声のトーンを変えた。
「本題にはいろう、お前さん、やり直したくはないか?」
「は?なにを? 告白なんて言ったら警察つきだすからな」
「えっ…… うん、それ。」
男の腕を掴もうとすると、男は「おい、まて」と連行を拒んだ。
「なんだよ」
「フラれたお前にこれだけは言っといてやる」
「おい、まだ解禁してねーぞ。そのいじり」
「わしは、魔法使いなんじゃ……」
「…………」
「…………」
「よしっ。行こう」
たちの悪いのに絡まれて時間を無駄にした、そう思い、再び腕をつかもと手をだすと今度は声をあらげた。
「周りをみろぉ!!」
「は?」
「今、わしとお前さん以外に動いてる者はいるか?花火はどうした? それにいくらドン引きしてるとはいえ、彼女もここまで固まるか?」
「あ ……」
確かに、周りを見ると俺と謎の男しか動いていなかった。
「えっ? どうなってんの? ドッキリ?」
「違うわ、ワシがとめとんじゃ、ボケ」
「口悪いな…… おっさん」
「これでわかったか? ワシが魔法使いだってこと」
「そんなの、信じるわけないだろ! でも、本当にどうなってんだ? なんかの撮影?」
「お前の黒歴史なんて誰が見たいんじゃ、これは時空魔法ってやつじゃ」
「時空魔法?」
「時間を止めたり戻したりできる魔法じゃよ。つまり、おぬしが望めば人生をやり直す事も可能ということじゃ」
「それって……」
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