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入学式
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「ねぇ、桜の花言葉って知ってる?」
放課後の教室。太陽の陽差しが窓から室内に差し込み、動いていないのにもかかわらず喉は水分を欲している。先生に頼まれた資料は汗でよれ、集中力も落ちているとき彼女、此花咲良はそんなことを言い出した。
反応しないで無視をしたかったが、この教室にいるのは僕と彼女の二人だけで、彼女は僕の顔を覗き込むようにして何か答えるのを待っていた。
なら九分九厘、彼女は僕に向けて問いかけたのだろう。
気乗りはしないが僕は仕方なく彼女の問いに答えてあげる。
「知らないよ。そもそも君は僕が花に興味があるように見えるのかい?」
「確かに。」
彼女は泣きそうになるほど笑っている。
そんな彼女を横目に、僕は再び資料整理に戻った。
僕はこんなにも先生から任された仕事をこなしているのに彼女ときたらさっきから進んでいる様子が見えない。任された資料整理も今の所大半が僕の手によって片付けられたものだ。
僕は不満げに少し文句を垂れたが、彼女には効果がない。
一通り笑い終えた彼女は何か小さく呟いていたように思えたが下校のチャイムにかき消され、何と言ったかうまく聞き取れなかった。
そしてこの会話から数か月後、彼女は突然転校した。
放課後の教室。太陽の陽差しが窓から室内に差し込み、動いていないのにもかかわらず喉は水分を欲している。先生に頼まれた資料は汗でよれ、集中力も落ちているとき彼女、此花咲良はそんなことを言い出した。
反応しないで無視をしたかったが、この教室にいるのは僕と彼女の二人だけで、彼女は僕の顔を覗き込むようにして何か答えるのを待っていた。
なら九分九厘、彼女は僕に向けて問いかけたのだろう。
気乗りはしないが僕は仕方なく彼女の問いに答えてあげる。
「知らないよ。そもそも君は僕が花に興味があるように見えるのかい?」
「確かに。」
彼女は泣きそうになるほど笑っている。
そんな彼女を横目に、僕は再び資料整理に戻った。
僕はこんなにも先生から任された仕事をこなしているのに彼女ときたらさっきから進んでいる様子が見えない。任された資料整理も今の所大半が僕の手によって片付けられたものだ。
僕は不満げに少し文句を垂れたが、彼女には効果がない。
一通り笑い終えた彼女は何か小さく呟いていたように思えたが下校のチャイムにかき消され、何と言ったかうまく聞き取れなかった。
そしてこの会話から数か月後、彼女は突然転校した。
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