河内弁に付いて

お舐め

文字の大きさ
1 / 1

河内弁

しおりを挟む
基子は珍しくおめかししている。
「あんた、何してるの?」
僕「うん、河内弁の研究してるねん。『悪名』ちゅう映画で見てんねん」
基子「よう来たの、われ。何しとったんど、われ。ビール生中でも飲んでいかんかえ、われ♪」
僕「お、例えばや、関西では相手の事、自分って言うやん、
 で、おのれ、って相手の事言うねん。
 それがなまって『おんどれ』になるねん」
基「そんな言葉この辺でつかわへんやん。」
「いや、俺が数年前に電話で『お前が悪い』っておまえ、とかぬかしよったから、
 『おんどら、誰に物ぬかしとんじゃ、こっら』って言うたってん。
 ほなめっちゃびびっとったわ。そのおっさんの家まで行ったからな」
基子「柄悪いなあ。上品さの欠片も無い。こんなおっさんがクラシック演奏してるなんて
   信じられへんわ」
僕「いやあ、向こうが『お前』なんてぬかすからやん。俺が生で訪ねて行ってビビるんやったら
  相手に気使えやっちゅうねん」

基子「あ、『悪名』って勝新と中村珠緒が出てるやつやな」
僕「水谷良重(現八重子)がええな。身長170cm、抱き応えあるな」
「また始まった。あんたの長身フェチ」
「おう、田宮二郎さんと水谷良重さんのキスシーンええで『ごろつき犬』っちゅうやつや。
 義一さんが書いた台本や」

僕「お、八木梨可子のドラマもう終わりそうやぞ」
基「あ、あの169cm」
「何センチぐらいから長身っていうねん?」
「165ぐらいちゃう?」
「俺、付きあっとったバイオリストの女、165やったわ。B型やった。
 でも基子と全然違うわ。」
基子「当り前やん。血液型で人間を4分に分けれる訳がない」
僕「そうよ。その女は、人から『ハイヒール履いて来ないで下さいね』て言われるって言ってたわ。
 ほな、基子なんかどうなんねん?」
「私?わたしはこのままでええねん」
「そうよ。逆に『私の前ではシークレットブーツを履いて下さい』て云う女おらへんもんな」
「みんな朝ドラとか見てるみたいよ。『らんまん』って知らんわ」
僕「俺こんなにショートドラマ見続けたん初めてやで。八木梨可子がよかったんやで」

基子「(テレビ見ながら)あ、またキスシーンや。こういうので俳優同士が惚れたりするのん?」
僕「するで。だって、役者は役者同士で見つめあったりすること多いやん。
  音楽は演奏者が客席ずっと見るやん。だから、役者の方が惚れやすいやろうな」

基子「今日の寅さん第8回やったわ」
僕「おう、あれが森川信の最後の回や」
基「森川信て誰?」
僕「初代おいちゃんやん。あの眼鏡かけた」
「あ、あの人似合ってるな」
「そうよ、一番団子屋のおっちゃんていう感じやったわ」
「あの人他に何の役やってたん?」
僕「悪役やったやつもあるねんで。石原裕次郎の「夜の牙」で悪役してたで。
 他に美空ひばりの『ひばり姫 初夢道中』にも出てた。眼鏡かけてないからイメージちゃうけどな」
「60で亡くならはったんや。若いなあ。。。」

僕「笠智衆かて、戦前悪役もやっててんで!」
基子「うっそー。どんな役?」
「タイトル忘れたけど、人妻を引っ掻けようとする役やったわ。
 御前様とは全然違う役よ」
「似合わんわ。私は『俺は男だ』のお爺さんがよかったな」

僕「おお、さっきドラマ見ててんけど、山口智子出てたわ。でも出番すこしだけやで。
 そう、むかしの役者たまに出てくるねんけど、ちょっとだけや。
 昔の役者をちょっとだけ見せて、視聴者ふやしてるんやろな」
基「そうやな。芝居にちょっとだけ出てくるわ。」

僕「岡村孝子、あみんの時嫌いやってん、でも『夢をあきらめないで』の頃好きやったな。
 で数年きいてたんやけど、アレンジャーが変わったのと、歌がOL応援歌になり下がったので
 聴かなくなったよ」
「待つな

「おまえ、待ーつな いつまでも 待-つな
 他にいい男がみつからからさー」
基子「それ、替え歌?」

僕「お、近所のステーキハウスでまたジョッキ3杯飲んできたった。
 やっぱりスーパードライが一番うまいわ」
基子「三杯やったら少ない方やん」
「いや、丁度やで。」
「今何してんのん?」
「お?お、映画『あらかじめ失われた恋人たちよ』よ。石橋蓮司よ」
「あ、れんじ?」
「おお、電子レンジ、メガネレンジ」
基子「おもんない駄洒落」
僕「蓮司は中岡慎太郎がよかったな」
基「竜馬は誰やったん?」
「原田芳雄。なんか勤王の志士というよりも、街のちんぴらみたいやった。そういう評価もある」

僕「最近またボキボキしなくなった。ビールの所為かもしれん。なあ、基子、
 アルコールはそういう力を減退させるんだよ。どや?」
基子「(´・ω・`)知らんがな。あたし男ちゃうで」
「お、さっきから『あらかじめ』のDVD見てんねんけど、途中で止まったりするなあ
 古いからか?」
「DVDもおいとったら読めなくなるんやで」
僕「あ、思い出した。石橋蓮司と奥さんの緑魔子、渥美清、藤山皖美が共演した、
 『泣いてたまるか』あるわ」
基「ホンマ、見たいなあ」
「海でも行こか?」
「行こ!」


しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。

ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。 彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。 婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。 そして迎えた学園卒業パーティー。 ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。 ガッツポーズを決めるリリアンヌ。 そのままアレックスに飛び込むかと思いきや―― 彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...