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第一章
19 あぁ……似ている
「リリーナさん……こんなことを言うのも変なことですが、ダスフォール第一王子殿下には気をつけていただきたい」
ライカル様は周りに聞こえないような小声で忠告してきました。
「帰ったら詳しくこの国のことを教えて欲しいですね」
「えぇ、もちろんです」
そうは決めても、お茶会である以上、避けられないこともあるのです。
私とライカル様が二人きりの状態になったタイミングで、こちらに向かってくる方が……。
「これはこれはライカル氏。女性を連れて結構なご身分ですな」
「く……ダスフォール殿下」
あぁ……もう帰って聞かなくても何となくわかりました。
元婚約者だったザグロームと雰囲気が似ているのです。
あまりにも似ていたのでせっかく忘れていた元婚約者の名前も思い出してしまいましたよ……。
「お初にお目にかかりますオーブルジェ第一王子殿下。リリーナと申します。以後お見知りおきを……」
顔には出さず、笑顔で挨拶をしました。
流石に王族相手に失礼があってはライカル様達の顔に泥を塗ってしまいますし。
「ほう、君はしっかりとしているようだね。周りにいるのはどいつもこいつも僕に対して挨拶もできないマヌケ達だから君の質の良さが余計に目立つよ。それから、やたらとおっぱいもおっきいじゃないか。気に入ったよ。これからは僕のことをダスフォールと呼び捨てで呼んでくれたまえ」
「え!?」
「これは王族の命令なのだよ。そもそも、今のようなこんな緩い貴族制度を僕は認めない。ほら、僕って王様になるわけだからいうことを聞くんだ」
ダスフォール殿下は容赦無く私の腕を握ってこようとしましたが、ライカル様はすかさず殿下の手を振り解きました。
「まだ公開はしていませんが、私の婚約者です! 勝手に手を出さないでいただきたい!」
あまりのカッコよさに惚れ惚れしてしまいます。
地位の強弱に関係なく、いざというときには堂々と立ち向かえる姿を見ていて、ライカル様と婚約をしてよかったんだとハッキリしました。
「ふん……今は大人しくしてやるが、僕は君を一目で気に入った。次期国王陛下様の力を甘くみないことだな」
嘲笑いながら、自ら『陛下』と『様』を同時に言ってきました。このあたりもザグロームとよく似ています。
満足したように去り、そのまま王宮の中へ行かれました。
国王陛下が第二王子に継承したいという気持ちも分かってしまいますね……。
「ありがとうございますライカル様……」
無意識にライカル様の腕をグイグイと掴み、少しばかり甘えてしまいました。
「ちょ……リリーナさん! そういうのは弱いんで! 私は当然のことをしたまででしゅから!」
「オホン……ライカル様にリリーナさん。そういう行為は帰ってからに致しましょう……」
「「あ……」」
執事のロロガルさんに言われて慌てて腕を離しました。
お茶会の最中なのに、ごめんなさい! ほんっっっとうにごめんなさい!!
ライカル様のカッコよさがあまりにもすごかったのでつい……。
意中の方に対しての気持ちが強くなると収集つかなくなってしまう癖は、気をつけなければいけませんね。
ライカル様は周りに聞こえないような小声で忠告してきました。
「帰ったら詳しくこの国のことを教えて欲しいですね」
「えぇ、もちろんです」
そうは決めても、お茶会である以上、避けられないこともあるのです。
私とライカル様が二人きりの状態になったタイミングで、こちらに向かってくる方が……。
「これはこれはライカル氏。女性を連れて結構なご身分ですな」
「く……ダスフォール殿下」
あぁ……もう帰って聞かなくても何となくわかりました。
元婚約者だったザグロームと雰囲気が似ているのです。
あまりにも似ていたのでせっかく忘れていた元婚約者の名前も思い出してしまいましたよ……。
「お初にお目にかかりますオーブルジェ第一王子殿下。リリーナと申します。以後お見知りおきを……」
顔には出さず、笑顔で挨拶をしました。
流石に王族相手に失礼があってはライカル様達の顔に泥を塗ってしまいますし。
「ほう、君はしっかりとしているようだね。周りにいるのはどいつもこいつも僕に対して挨拶もできないマヌケ達だから君の質の良さが余計に目立つよ。それから、やたらとおっぱいもおっきいじゃないか。気に入ったよ。これからは僕のことをダスフォールと呼び捨てで呼んでくれたまえ」
「え!?」
「これは王族の命令なのだよ。そもそも、今のようなこんな緩い貴族制度を僕は認めない。ほら、僕って王様になるわけだからいうことを聞くんだ」
ダスフォール殿下は容赦無く私の腕を握ってこようとしましたが、ライカル様はすかさず殿下の手を振り解きました。
「まだ公開はしていませんが、私の婚約者です! 勝手に手を出さないでいただきたい!」
あまりのカッコよさに惚れ惚れしてしまいます。
地位の強弱に関係なく、いざというときには堂々と立ち向かえる姿を見ていて、ライカル様と婚約をしてよかったんだとハッキリしました。
「ふん……今は大人しくしてやるが、僕は君を一目で気に入った。次期国王陛下様の力を甘くみないことだな」
嘲笑いながら、自ら『陛下』と『様』を同時に言ってきました。このあたりもザグロームとよく似ています。
満足したように去り、そのまま王宮の中へ行かれました。
国王陛下が第二王子に継承したいという気持ちも分かってしまいますね……。
「ありがとうございますライカル様……」
無意識にライカル様の腕をグイグイと掴み、少しばかり甘えてしまいました。
「ちょ……リリーナさん! そういうのは弱いんで! 私は当然のことをしたまででしゅから!」
「オホン……ライカル様にリリーナさん。そういう行為は帰ってからに致しましょう……」
「「あ……」」
執事のロロガルさんに言われて慌てて腕を離しました。
お茶会の最中なのに、ごめんなさい! ほんっっっとうにごめんなさい!!
ライカル様のカッコよさがあまりにもすごかったのでつい……。
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