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第二章
69 【視点】予想外の光景
キレガダム王国で捕らえられていた囚人どもの忍耐力は情けない奴らばかりだ。
連れてきた半数以上が餓死して倒れてしまった。
だが、人間に餌を与える余裕などはない。
死体を運ぶだけ無駄だしその場に捨てている。
情けない囚人たちに対し、俺ザグロームと婚約者のサフランは何も食べずとも生きていける能力を得ている。
おまけにキレガダムで盗んだ馬車があるからほとんど疲れることなくオーブルジェ王国へ向かうことが可能になった。
あとは囚人どもがなんとか生き抜き、道案内を遂行してくれれば何も問題はない。
全くと言っていいほど無防備な国相手ならば、俺とサフランだけでも十分に対抗できると思ったからだ。
囚人どもは俺の目的を達成するためのただの道具にすぎない。
それでも、こいつらは故郷への復讐ができるからと俺に忠誠を誓ってくれるバカどもで助かっている。
「ザグローム陛下、もう間も無く王都へ到着するかと」
「うむ、大儀であった。犠牲者を出してしまったのは申し訳ない」
こいつらは陛下と言ってくるが、俺は公爵家の跡取り息子だった。
だが、威厳を出すために国王だと嘘をついた。
いや、どちらにしてもオーブルジェを乗っ取り俺が国王になるのだから嘘ではないだろう。
「仕方のないことでしょう。ご安心くだされ、人数が少なくなってもオーブルジェ王国は警備も防御も全くない国です。容易に王宮まで突破し侵略も可能でしょう」
「まったく、平和ボケしている無能王様に制裁を加えて、私がまともな国に築き上げてやろうではないか。その暁にはお前たちも直属の部下に任命しようぞ」
「ははっ! もったいなきお言葉……」
勝ったも同然。
そう思って王都へ向かっていたのだが、あり得ない光景を目の当たりにした。
「なんだこれは……⁉︎」
「ばかな! いつの間に壁が……」
「これのどこが無防備なのだ⁉︎」
アルガルデ王国にも防壁はあるが、それ以上の高さで王都全体を覆っているではないか。
これでは当然飛び越えることもできないだろうし、ロープを使って侵入もできない。
正攻法で検問所を通過するしか方法がないのだ。
「ザグローム様ぁ、一体どうしたらいいのですか?」
「うむ……、これは誤算だ。だがこの国は我々の存在を知らないはず。故に、アルガルデの新国王だとでも名乗れば受け入れてくれるはず」
「しかし、我々は顔を知られている可能性が……」
「そうだな、お前たちには悪いが御用済みだ」
すかさず隠していた銃を持ち囚人たちに乱射した。
「ぐはぁ……」
「は……ぐ、な……なにを……⁉︎」
俺に銃を持たせれば無敵だ。
ほぼ百発百中でサフラン以外の全員を仕留めたのだから。
「まだ気が付かないとは間抜けな奴らだ。俺たちをこの国まで案内してもらえればそれで良かったのだよ」
「く……」
「それに罰だよ、罰。無防備な国と言っていたくせに、話が違うではないか。いわばこれは王族への詐欺。罪は償ってもらわなければね……」
俺が優しく説明している間に全員生き耐えた。
騙されてついてきたバカどもの末路だ。
「ザグローム様と私だけで向かえば良いのですよね?」
「当然だ、たとえ警備が強化されていようとも、他国の王様を受け入れないはずはない。実際にキレガダム王国だってそうだっただろう」
「いつもながらザグローム様の咄嗟の判断と大胆さには目を惹かれますね」
「サフランも王妃の演技をよろしく頼む」
「もちろんですわ」
俺とサフランの二人だけで一頭の馬に乗り、あたかも二人で来ましたと言えば警備も薄くなるはずだ。
俺の考えに間違いなどあるものか。
だが……。
「ば……ばかな……」
「どうしてリリーナがいるの……⁉︎」
まるで王族が着こなすような立派なドレスを着用したリリーナが門で待ち構えていたのだった。
連れてきた半数以上が餓死して倒れてしまった。
だが、人間に餌を与える余裕などはない。
死体を運ぶだけ無駄だしその場に捨てている。
情けない囚人たちに対し、俺ザグロームと婚約者のサフランは何も食べずとも生きていける能力を得ている。
おまけにキレガダムで盗んだ馬車があるからほとんど疲れることなくオーブルジェ王国へ向かうことが可能になった。
あとは囚人どもがなんとか生き抜き、道案内を遂行してくれれば何も問題はない。
全くと言っていいほど無防備な国相手ならば、俺とサフランだけでも十分に対抗できると思ったからだ。
囚人どもは俺の目的を達成するためのただの道具にすぎない。
それでも、こいつらは故郷への復讐ができるからと俺に忠誠を誓ってくれるバカどもで助かっている。
「ザグローム陛下、もう間も無く王都へ到着するかと」
「うむ、大儀であった。犠牲者を出してしまったのは申し訳ない」
こいつらは陛下と言ってくるが、俺は公爵家の跡取り息子だった。
だが、威厳を出すために国王だと嘘をついた。
いや、どちらにしてもオーブルジェを乗っ取り俺が国王になるのだから嘘ではないだろう。
「仕方のないことでしょう。ご安心くだされ、人数が少なくなってもオーブルジェ王国は警備も防御も全くない国です。容易に王宮まで突破し侵略も可能でしょう」
「まったく、平和ボケしている無能王様に制裁を加えて、私がまともな国に築き上げてやろうではないか。その暁にはお前たちも直属の部下に任命しようぞ」
「ははっ! もったいなきお言葉……」
勝ったも同然。
そう思って王都へ向かっていたのだが、あり得ない光景を目の当たりにした。
「なんだこれは……⁉︎」
「ばかな! いつの間に壁が……」
「これのどこが無防備なのだ⁉︎」
アルガルデ王国にも防壁はあるが、それ以上の高さで王都全体を覆っているではないか。
これでは当然飛び越えることもできないだろうし、ロープを使って侵入もできない。
正攻法で検問所を通過するしか方法がないのだ。
「ザグローム様ぁ、一体どうしたらいいのですか?」
「うむ……、これは誤算だ。だがこの国は我々の存在を知らないはず。故に、アルガルデの新国王だとでも名乗れば受け入れてくれるはず」
「しかし、我々は顔を知られている可能性が……」
「そうだな、お前たちには悪いが御用済みだ」
すかさず隠していた銃を持ち囚人たちに乱射した。
「ぐはぁ……」
「は……ぐ、な……なにを……⁉︎」
俺に銃を持たせれば無敵だ。
ほぼ百発百中でサフラン以外の全員を仕留めたのだから。
「まだ気が付かないとは間抜けな奴らだ。俺たちをこの国まで案内してもらえればそれで良かったのだよ」
「く……」
「それに罰だよ、罰。無防備な国と言っていたくせに、話が違うではないか。いわばこれは王族への詐欺。罪は償ってもらわなければね……」
俺が優しく説明している間に全員生き耐えた。
騙されてついてきたバカどもの末路だ。
「ザグローム様と私だけで向かえば良いのですよね?」
「当然だ、たとえ警備が強化されていようとも、他国の王様を受け入れないはずはない。実際にキレガダム王国だってそうだっただろう」
「いつもながらザグローム様の咄嗟の判断と大胆さには目を惹かれますね」
「サフランも王妃の演技をよろしく頼む」
「もちろんですわ」
俺とサフランの二人だけで一頭の馬に乗り、あたかも二人で来ましたと言えば警備も薄くなるはずだ。
俺の考えに間違いなどあるものか。
だが……。
「ば……ばかな……」
「どうしてリリーナがいるの……⁉︎」
まるで王族が着こなすような立派なドレスを着用したリリーナが門で待ち構えていたのだった。
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